劇場公開日 2025年5月16日

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「この言葉を新作でまだ言える日が来るとは…こんな映画観たことない!バケモノ級の劇薬怪作」サブスタンス とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 この言葉を新作でまだ言える日が来るとは…こんな映画観たことない!バケモノ級の劇薬怪作

2025年5月15日
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怖い

驚く

斬新

YOU ARE ONE

"女は若いうちが華"が招いた現代社会への強烈なアンチテーゼとテーマの表象。30歳超えたら下り坂で、50歳で終わり?「若いほどいい」みたいな崇拝と過剰なルッキズムに"物"扱いで消費する社会があるから、余計に若さと美しさに囚われていく(しかない)。それだけが私にとって生き残る術だから、と。孤独は広がり、理想と現実の乖離は広がっていくばかり。
モンスター("怪物" "バケモノ")を産んだのは誰か?番組P・デニス・クエイドが黒幕だ!サブスタンス"物質"仕掛人と同じ筆跡に、大晦日特番の花束も小文字「i」。つまり若くて美しいホットな女の子を供給するためのシステムを、裏で糸を引いている諸悪の根源は男どもで、とりわけ男尊女卑(女性差別・蔑視)を実現してしまえる権力者セクハラ野郎という構図。女性性を食い物に使い捨てる男の身勝手さが女性を苦しめ人生を狂わせ困窮させる、追い込む。
本作が考えられ、もっと議論される契機になればいい。バカバカしいけど自分もそのシステムを助長させる片棒を担いでしまっているのだろう。本作について考えてほしい男ほど「エロい」→「グロい」→「ヤバい」みたいな薄い感想で終わりそう。ただ、本作を観た ― そして作り手にとって恐らく一番届いてほしい ― 女性たちはしっかりも自分を持っていてほしいなと切実に思う。その調子!自分を大切に!

iT CHANGED MY LiFE
THEY ARE GOiNG TO LOVE YOU

同ポジでのつなぎ、差異を伴う反復イメージングシステム、後半終盤に差し掛かるほど加速度的に増していくグロさ…、そのいずれからも・どの瞬間も目が離せない!作品の内容にマッチした強迫観念的なほどテンション高く力強く否定しがたい熱量で迫ってくる演出と演技、編集、確固たる世界観と語り口。この前ではあらゆるレッテルも他者の追随も許さず、他作品との比較など意味をなさない。ファーストシーンから反復するラストカットまで圧倒的に惹き込まれてしまった。こんなに意味のあるヌードシーン見たことないかも。痛快なほど最凶最高に芯を食った"ゲテモノ"!!

ACTIVATOR / STABILIZER
YOU SWITCH EVERY SEVEN DAYS WITHOUT EXCEPTION

※鑑賞前には二度と戻れないヤバい劇薬!
マーガレット・クアリーの必殺技は蹴り!常人離れしたとんでもない蹴りの威力・脚力。これを機にアクション映画にも出演していったりして?
サブスタンス注入に伴う最初の転倒から、転倒シーンがいつも痛そうだなと思って観ていたら、まさかの最後の最後にまで伏線回収とまでは言わないまでも繋がっていた。
終盤のモンスターがもちろんトラウマ級に超絶苦手なタイプのすごく気持ち悪いビジュアルで引いたし怖いんだけど、一方でそれでもヘアアイロンなど可愛く着飾ろうとする乙女心な様子に胸締め付けられて、悲しくなった。

There is no SHE.
Pretty girls should always smile!

本作を語る上で欠かせないデミ・ムーア体当たりの怪演、何もかも赤裸々にさらけ出しては痛々しいほどのリアルさをまとう熱演。それは、例えばミッキー・ロークにおける『レスラー』でマイケル・キートンにおける『バードマン』、ジェニファー・ロペスにおける『ハスラーズ』、あるいはトラボルタにおける『パルプ・フィクション』のようにキャリア第二章の始まりを告げる新たなハイライトとして多くの人に記憶され賞賛されるに相応しい、再起を図るタイミング。デミ・ムーアだけでなくマーガレット・クアリー、デニス・クエイドも強烈で最凶!!

REMEMBER YOU ARE ONE

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とぽとぽ
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