「わからないことだらけ」メガロポリス うすたらさんの映画レビュー(感想・評価)
わからないことだらけ
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観終わった後、隣の初老男性が「1,300円損した」と言っていました。すぐにそう言い捨てることには躊躇しますが、とにかく、わからないことだらけの映画でした。
カエサル(シーザー)・カテェリーナやフランクリン・キケロ、ハミルトン・クラッスス3世など、古代ローマの錚々たる人物を彷彿とさせる登場人物の関係や歴史的背景がわかれば、少しは理解できるかと思いましたが、そんなこともなく、第45回ゴールデンラズベリー賞の最低作品賞にノミネートされたのもうなづけます。
いろいろなシーンがつながらないで飛ぶこと、「時」をコントロールすることが、物語のストーリーとどのように関係するのかがわからないこと、など本質的なところで、理解が追い付かないのです。
『キネマ旬報』に載っていた、フランシス・F・コッポラのインタビュー記事を読むと、「現代のアメリカは古代ローマと酷似しており、腐敗した民主主義がファシズムに陥らせないことは、政治家ではなく芸術家の使命であり、芸術家は常に時をコントロールしてきた」とあります。
言いたいことはわかるのですけど、残念ながら、映画を観ただけではそれは伝わってきませんでした。
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