「映画作品と言うよりメガロポリス事件」メガロポリス シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
映画作品と言うよりメガロポリス事件
映画作りに全身全霊と全財産を注ぎこむ、コッポラ監督の幻想的かつ難解なSF作品。都市建設を巡って、天才建築家と対立する市長、銀行家が入り組んだ愛と欲望の渦巻くドラマなんだけど、正直言って何が何やらお話しがよく分からなく面白くなかったです。とは言え、なんか最後まで観てしまうのは、80代の老監督が作ったとは思えないサイケでどこかチープな映像と素晴らしい美術や衣装、テリー・ギリアムのような悪夢とフェリーニのような猥雑さを感じさせる雰囲気、そして役者陣の熱演によるものです。もはや、映画の出来がどうこうでなく(そもそもよく理解できてないけど)、コッポラの映画作りへの妄執と情熱を目の当たりに体験する事件ですね。役者では、アダム・ドライバーがこの異様な役柄を演じ切っているのに感服しました。お久しぶりのシャイア・ラブーフも、二皮くらい剥けた変貌振りでよかったです。
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