「「ブレードランナー」が いかに洗練された美しい映像かを 再確認する映画。」メガロポリス idwebさんの映画レビュー(感想・評価)
「ブレードランナー」が いかに洗練された美しい映像かを 再確認する映画。
以下ネタバレ
フランシス・フォード・コッポラが
40年をかけて構想したSF叙事詩、
ワイン用ブドウ園も売って資金を集めた
渾身作!!・・・だけど、
評判はよくない作品らしいという
インターネットの情報から
あまり期待値あげずに鑑賞しました。
「メガロポリス」というタイトルと
設定がSFとなれば
「メトロポリス」より凄い未来都市が舞台か!!
と思っていましたが
「メガロポリス」
の未来都市は
実際のニューヨークの景色を加工してる時点で
テンション高まらず、
1926年の「メトロポリス」の未来都市の方がときめくし、
2001年の「メトロポリス」の方がスケール感あるし、
コンセプトアートを分割した画面で見せる
曲線の多い未来都市風景は
オイルマネー国の都市計画の宣伝映像みたいだし、
期待値あげずに鑑賞したけれど
あまりにも都市描写が退屈で、
高層建築群の迫力ある映像美が
体験できず残念でした。
「ブレードランナー」のスピナーが飛行している
あのオープニングの「未来」の都市映像が
いかに洗練された美しい映像かを
再確認する映画鑑賞となりました。
高い場所でヒヤヒヤさせられる映像演技の、
カイロ・レン役の主人公が
理屈がよくわからない
まさに「机上の空論」の様子にて
都市を設計しているシーンは
コッポラが心配になる作劇でした。
「動く歩道」をキラキラさせても
「動く歩道」でしかなく、
曲線を多用した、
自然と共存しているような
どこかで見た架空の街を見せられて、
これは・・・
コッポラに意見や注意をする人がいない
イエスマン体制でつくられた映画という
印象でした。
「ベン・ハー」っぽいなんちゃって騎馬戦や
レスリングやサーカスも
何だコレ?感が強く、
白人美人の歩くファッションショーや
ミュージックビデオ的な歌手を見せられ、
「メガロポリス」は
娯楽のバリエーション少ないなと思いました。
ドラマパートも
メガロンというカタカナ4文字の発明品で
「天才」と紹介される
カイロ・レン役の主人公に共感する箇所がなく、
権力者の娘との恋愛も興味が続かず
コッポラに意見や注意をする人がいない
イエスマン体制でつくられた映画だなと再び思いました。
「メガロポリス」というタイトルにするならば
「メガロポリス」の外部の人を主役にして
主役とともに
観客が未来都市に驚く段取りで構成するのが
定石な気もしますが
フランシス・フォード・コッポラは
定番の段取りではない方法で描いた都市は
キラキラ加工した陳腐な実景にしか見えず
別に未来都市を描きたいのではないのならば、
「メトロポリス」の拡大版のような
タイトル詐欺すんなよなと
思ってしまいました。