「改めてクリント・イーストウッドの偉大さを想う」メガロポリス たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
改めてクリント・イーストウッドの偉大さを想う
構想から40年を経て86歳のコッポラが1億2000万ドルという私財を投げうって撮った壮大なるインディペンデント映画、美術スタッフが次々と解雇され「毎日毎日列車事故が起きているのを見ているようだった」という現場スタッフのコメントを読んでしまったらもう観たくてしょうがなくなってしまったのだからキネ旬の罪は重い。昨年9月に公開して全世界での興行収入がわずか1400万ドルと大コケした事実を承知で観に行ったのがやはりバカであった。「ジャンル映画へのアンチテーゼ」「時間を止められるのが芸術家」とかなんとかもっともらしいことを言っていたのでゴダール系の難しさを覚悟していったのだがそれすらも裏切られ、明らかに娯楽作を志向するとても分かりやすいドラマで適役のシャイア・ラブーフもすごく良いのだがそもそも構成(脚本)がなっておらず、決して芸術的でもなんでもなくて演出・編集が下手なことが原因で面白くならなかった失敗作なのだ。いいかげん老害を巨匠という紋切り型の枕詞で覆い隠すのはやめていただきたい。良いカットが多いので予告編を見るとすごく面白そうなのだがこれは詐欺、本編を見てもそのまんまでなにより主人公の「時を止められる能力」に期待させながら、それを全く使わない構成にがっかり。唯一、ポスターにもなっている設計士のアダム・ドライバーがT定規をライトセーバーのように振りかざすカットだけが良かった。
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