劇場公開日 2025年6月20日

「技術の壮大な無駄遣いによるゴージャスなビジュアルトリップ」メガロポリス コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0技術の壮大な無駄遣いによるゴージャスなビジュアルトリップ

2025年6月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

コッポラのイマジネーションを、ダイレクトにビジュアルでぶつけてくる作品でした。
ぶっちゃけ、エンタメ映画としては大失敗作。
金持ちの道楽で散財し、技術の壮大な無駄遣いをした、自主制作映画でしかない、と切り捨てていいレベルではありました…が。

それでも、嫌いになれないどころか、なんだか爽快感がありました。
この行き当たりばったりの一貫しない思いつきの羅列みたいなフィルムに、どこか見覚えがあって心地よくもあったのです。

ストーリーは難解じゃなくシンプルですが、連続した見せ方をしてないので、頭に入ってきません。
決して「難解さを打ち出して高尚だと勘ちがいさせる、評論家向け文芸作」でもありませんでした。
魅かれたのはあくまでもビジュアルと構成。

観終わって考えて、しばらくして気づきました。
・『君たちはどう生きるか』をはじめとする、画とレイアウトと演出の力で押し切る宮崎駿監督のイメージの畳み掛け(宮崎さんは昔から『魔女宅』『千と千尋』『ポニョ』『風立ちぬ』も、みんな前半と全く繋がらないラストだけど、観る側が満足しちゃうアレ)
・晩年の大林宣彦監督『花筐』『海辺の映画館』にあった思いついた断片的シーンの羅列
・『イージー・ライダー』幻覚トリップシーン
これらが延々138分連続する、CGアニメーションと実写のハイブリッド幻覚なんだこれ!

だから、観ていて「よくわかんないけど、なんかわかった」という気になるし、壮大なゴージャスな映像の奔流に身を任せるだけで溺れながら酔う、合法的な麻薬トリップみたいな効果がある(気がする)。
人によっては、その豪快なふり幅に、小型漁船に乗ったときの船酔いみたいになるかもしれませんw

妄想を見せるための画面比率も変幻自在。
1.43:1のフルサイズIMAXも一部ありでした。
そのトリップを味わうには、109シネマズ大阪エキスポシティやグランドシネマサンシャイン池袋の巨大なIMAXレーザーあたりがおすすめです…が、IMAXにかかってる期間は短かそうでした。

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