「希望の未来を作るのは建築家でなく、時を止められても動くことを止めない赤ちゃんだ」メガロポリス talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
希望の未来を作るのは建築家でなく、時を止められても動くことを止めない赤ちゃんだ
言葉の海を泳いだ思い。衣装もヘアスタイルもメイクもアクセサリーも靴も古代ローマ風で美しかった。アダム・ドライバーは、ヘアメイクと服で全くタイプが異なる人になれる白いキャンバスみたいな俳優だ。美術や未来都市の映像は使い古されたイメージで残念だった。
「文明という狂い咲き」の摩天楼に溢れた都会では、雑誌TIMEが同じフォントでTEMPUSという誌名でデジタルサイネージに映っていて笑えた。笑えなかったのは、目隠しをした法の女神が崩れ落ち、コロッセオで残虐な見せ物とランウェイを歩く女と「清純な」女が歌う様子に馬鹿みたいに盛り上がる偽善者セレブ。そして朝食とは思えない無駄にゴージャスな食卓にいるカエサル(アダム・ドライバー)。建築家カエサルは権力者側で生まれて育った人間だ。カエサルは、かなり単純化した分かりやすい言葉で今の世界を批判する:「お金がない人に要らない物を売りつけ金を使わせ、不要な物を作り続けている」。未来については抽象的だ:「未知に飛び込むことは自由の証だ」「みんなでとにかく会話をする」。彼が夢見る未来社会として映されるのは、子ども達が遊び楽しみ何かを常に創造している様子だ。モンテッソーリか?シュタイナーか?「結婚」が何より大事!的な発言もあり、そこか?!とがっくりした。
カエサル由来やその他の有名な言葉が続くが、並べただけの印象が強かった:「賽は投げられた」「来て、見て」(過去形でなく「勝って」もなかった)。ハムレットの悩み。ファウストとメフィストとのディールでの表現(時を止めてそれで何?)。映像では「ムッソリーニ吊り」があった。ソ連の宇宙飛行船(ボロボロ)が飛んでるシーンはスプートニク・ショックのトラウマか?
絶望しない、未来に希望を持とう!みんなで話そう!ナイーヴなメッセージだけど、一応わかったー!
おまけ
カエサルの母親をタリア・シャイアが演じていた(コッポラ監督は身内を使うのが好きだ)。ママと息子は愛情深くつながり、帝王切開に関する言説は全て俗説、というメッセージなら素敵だな~と勝手に思った。
talismanさん、共感とコメントありがとうございます。
色々と隠喩を込めていたのでしょうが、総花的というか思いつきの域でしかないような…。
私には理解できませんでした。
コメントありがとうございます。おー、言われてみれば…… この偉そうな言い方、男→女 もあれば、上司→部下のパターンもあります。幸いなことに、上司と部下はいっしょに映画館や動物園に行かないので救われますが
talismanさん
いくつもレビュー読んでくださってありがとうございます。
あまりいい評価していない作品にまで共感いただいちゃって恐縮です(伊福部昭の音楽は最高ですよね)
劇場へも月に1本は観に行けたらと思っている程度のうえ、たまにぽっかり間を開けてしまう事もあるかもしれませんしがフォローさせてもらいました。
気長にお付き合いくださればと思います。よろしくお願いいたします。
talismanさん
共感・コメントありがとうございます。
>絶望しない、未来に希望を持とう!みんなで話そう!ナイーヴなメッセージだけど、一応わかったー!
失礼ながらすっごく脱力する一文ですけど、あれだけ138分間映画をこねくり回しといて、そのフワッとした事はそのままハッキリ言うんだ…って実際脱力しましたよね!映画館で同じ体験をした方がおられて嬉しいです。
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