「コッポラ監督、"晩節を汚す" 映像の魅力のみで物語にも人物にも没入せず・・★2.8」メガロポリス レオンさんの映画レビュー(感想・評価)
コッポラ監督、"晩節を汚す" 映像の魅力のみで物語にも人物にも没入せず・・★2.8
名監督、"晩節を汚す"
まあ悪い事をした訳ではないので、汚すは失礼かもしれないが、巨匠としての評価を大きく落とすことになったのは間違いない。
まるでコッポラの"映像アイデアショー"という感じで、物語を堪能出来る作品ではない。
とにかく断片的で散漫で、物語にもキャラクターにも感情移入出来ない。
視聴後Wikiチェックすると、「アメリカの街を再建しようとする天才建築家」と記載あるが、「えっ!建築家だったの?」と声が出てしまった。 映画にそこそこ精通してる者が観ても主人公の職さえ明確に描写されていない・・。
序盤からどういう方向に物語を進行しようといるかが掴めず、耐える時間に。
が、その演出は最後まで続く・・。
超能力・ローマ時代・SF・過去・未来・政敵・策略・デカダンス・幻影・アート建築・等々に類する筋が5~10分続くと、また違う筋が断片的に始まり、まとまった物語として進行しない。
これまでのコッポラ作品を再チェックして分かった事が。
「ゴッド・ファーザー」はマリオ・プーゾ原作を元にしているが、コッポラ脚本による他作品は、ゾクゾクする位に物語展開に引き込む様な作品はほぼなく、各シーン毎の画力や演出で魅力を繋いでいる場合が多かった事に気付く。
「華麗なるギャッツビー」「地獄の黙示録」「ワン・フロム・ザ・ハート」「コットンクラブ」等。
そう、起承転結が明快に伝わる面白い脚本を書ける人では無かったのではないか。
各出演陣は豪華なのだが、ネガティブ要素が強いキャラがほとんどなので、名優がもったいない・・と感じる。
ドライバーとエマニュエルの会話シーンでは、
相手の台詞を待っていると感じた一瞬もあり、巨匠がメガホンを執っているとは到底思えず・・。
が、各シーンの映像はスゴイ!
黄金色に光る都市・きらびやかなパーティー・疲れる巨像・個性ある衣装・
特にグレース・ヴァンダーウォールが、大観衆に宙吊りで歌を披露するシーンは独創的で、唯一見入ったシーン。
終盤に、家族になる為の葛藤が描かれていて、ようやく見る者の心に触れる筋になるが、時既に遅し。
それまでのマイナス要素が強く、★3にも戻せずで、この評価に。
PS
今作はコッポラ自ら150億円以上の巨費を投じていて、制作費総額はその倍以上かもしれない。
が、興行収益は世界的に大コケする可能性が強い。
あの最低賞で有名な、ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)の監督部門と助演男優(ジョン・ボイト)に既に決まってしまって、作賞賞もノミネートだったようだ。
それにこれほどの大作でIMDbでの★平均が「4.7」(10点満点)と半分に届かないのは初めて見た♪
視聴直後は(私は不評でも)評論家の一部には絶賛されるんだろうな~・・と思っていたが、多くのサイトでほぼ全没とは・・♪
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