「天才はつらいよ・・・という話?」メガロポリス やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
天才はつらいよ・・・という話?
貧富の差、財政難、政治家の汚職などで崩壊の危機に瀕しているアメリカの架空の大都市を、メガロポリスという新未来都市で再構築することで救おうとする?天才建築家、カエサルのお話。
建物や服装などの小道具のデザインがレトロモダンな感じだったので一周回った近未来のお話と思いましたが、新聞紙がまだ情報ツールとして現役バリバリの時代でスマホが見当たらず、しかし「携帯」という言葉は作中の会話の中から拾えたので・・・2000年代初頭ってくらいの時代背景かと思います。無論、どこかで分岐した並行世界のお話でしょうけど。
天才建築家カエサルは、天才ゆえの能力?からか時を止めることが出来、映画の冒頭でこの事実が明確に提示されます。
都合、止まっている間は自由落下など物理法則も彼の周囲以外は適用されなくなるようです。しかし、限定的に時間が止まったことを認知出来る人もいたりして、概念的な整合性がとれているかさえ謎です。
そして、なんといってもキーアイテムである「メガロン」!なんとも謎な物質で周辺情報しか分かりません。とてもふわっとした曖昧な情報から推察するにおそらく万能素材でなんと医療用にも使えるっぽい!カエサルは建築家なので建材として利用したその総体が、メガロポリスってことでしょうか。
ある事件でカエサルを陥れた元検事で現市長と都市計画案に関しコンペして鎬を削ったり、彼も親族の一人である大富豪の銀行家の跡目争いに巻き込まれたり・・・彼の前に立ちはだかる障害に、能力使って時を止めて立ち向かうのかと思ったらそうでもないし、メガロンの将来性、優位性を丁寧に説くでもなくしまいにゃドラッグに逃げる始末。
天才、芸術家は凡人からは理解されず苦悩するもんだってのはなんとなく伝わりました。監督は自身に置き換えてこれを主張したかったのかもですね。
ただ、この天才に私ら愚民が、共感したり応援したくなる様なストーリー展開では決してなかったですね。
結局、時間停止は主人公の自己満足にしか使われていないし、メガロンはご都合主義の為の補完アイテムにしか見えなかった・・・というのが正直な感想です。
では。
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