ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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被害者の視点と結束感
ショーン・ベイカー監督の視点。それは、前作『フロリダ・プロジェクト』では6歳の少女の視点。本作ではアノーラとイゴールの視点。二つの視点に共通するのは貧困だ。視点の向こう側は、『フロリダ・プロジェクト』では、資本主義の象徴「ディズニー・ワールド」。本作ではロシアの御曹司一家。そして、6歳の少女はトレーラー暮らし。アノーラはその日暮らしのストリッパー。ベイカー監督にぶれはない。
この視点で見れば、過度なセックスシーン、ロシアの御曹司の無軌道ぶり、御曹司を取り巻く連中のていたらくすべてがどうでもよくなる。アノーラと御曹司の結婚に反対し、彼女を娼婦呼ばわりする、御曹司の両親も想定内になる。むしろ被害者の立場で共感する、アノーラとイゴールのさりげない会話にぐっとくる。
ふたりはお互い名前の由来を言い合う。ロシア系アメリカ人のアニーは、ロシア名のアノーラが嫌い。イゴールは、アニーのほうがいいと言う。イゴールは、「戦士」の意味。アノーラは、ただの暴力男だとつきはなす。ふたりの間が秀逸だ。ロシアの御曹司のボディーガードたちとアノーラが、みな御曹司の被害者だという結束感も悪くない。
お金がすべての合理主義の中で、ひたすら人間の熱情に価値を見出す。そんなベイカー監督のポリシーが、アカデミー賞を呼び込んだような気がする。
誤解を恐れず言えば・・・
誤解を恐れず言えばこれはコメディ映画!
ただし、見た目も中身も研がれた刃物のように
ギラギラなので要注意
ストリップダンサーのアノーラは店に来たロシアの大富豪の息子イヴァンに気に入られ、契約彼女として付き合い始める
その後「結婚すればロシアに帰らなくて済む」と言われてスピード婚するのだが、イヴァンの親はそれを許さず手下の人間を使って婚姻関係を解消させようとしてくる・・・
というあらすじなのだが、とにかく登場人物の
ノリで物語が進んでいく
ノリでラスベガスに行ってノリで結婚して周りもノリで口げんか始めちゃったりする
ただし「登場人物の」というのが大事なところ
行き当たりばったりの行動を取るキャラを
しっかり計算で描ききっている
このテーマ、この物語をコメディ要素をまぶさず真面目さだけで創ったら辛すぎたのかもしれない
諸々のシーンやあの登場人物のセリフ。なによりラストを観たら到底笑っていられないんだけど「苦しいだけの映画じゃないよ! みんな観てね!」という声が聞こえるような、伝えたいものを伝えるための技術を見た気がした
なにもかもがエネルギッシュ!
これまでのレビュー読んでると、やはり好き嫌い分かれてますね😆
昨年たまたま気になって観たレッド・ロケットがほんとインディーズ映画らしくて、でもエネルギッシュで主人公サイテーだしエンディングもコレでいいのか?だったけど面白かったので、あのとっちらかった感じでアカデミー捕ったのか?ってストーリーには期待しないで観に行ったのですが、
良かったです!!
Fワードとくるくると忙しく変わる華やかなシーンの合間に入る、アノーラの鉄道車線沿いの家に帰るシーンの静けさと暗さとか、雪を見る静寂とか、動と静のコントラストが美しい
この娘は幾度となく危険をかいくぐってきたんだろうなって想像できる戦いぶりとか
心やさしいイヴァンも所詮チンピラなとことか職場の女同士の相性とか
ロシアの親父も嫁めんどくせえなと思ってるんだろうかとか、
ちょっとしたシーンでバックグラウンドを説明しているのがテンポ良くて
登場人物がみんなエネルギッシュで全然中だるみを感じなかった。
昔アメリカのシッコトムにハマってたので、後半のドラ息子探しの会話のやりとり
大好きです😆ほんとこのへんは好き嫌い別れると思う。
一部でエミリア・ペレスの失速によるタナボタ受賞と言われているけど、これは普通にアカデミー賞ありだな、と思いましたですよ(あちらはこれから公開なので観ないと判らないですが)。
とにかくものすごい勢いで進んでって、最後にあれ。
ズシンときます。
あと、ロシアのドラ息子の瞬速脱衣はすごかったな🤣
フロリダ・プロジェクトも観なきゃ。
それほどでもないような気がするな、というのが正直なところです
アカデミー賞 ≠ 自身の好み
アカデミー賞の結果に釣られて観た口ですが⋯
結構自分の好みではないことが多いので期待はしてなかったので良いのですが⋯
やはり、個人的には、なぜこの作品???感はありました。
作品の内容自体の前情報は、まったく入れてないので、
告知のティザービジュアルで、女の人が、ショービジネスか、なんやかんやで成功するお話?
と思いながら観たら、全然違いましたね⋯笑
これは、核となる部分は、やはり女性の性的搾取問題的なやつ?
アノーラは、とにかく職業柄なのか、根底に男性に対して被害者意識を持っているよう。
イゴールに対しても、端からレ●プ魔って、だいぶ失礼な暴言吐いちゃうところとか。
そんなアノーラの複雑な心情をもっと描いて欲しかったかも。
ただ、ワーワー叫んで、なんでそんなにイヴァンとの結婚に拘るのか?
この脚本だと、やっぱお金?ってなってしまって、共感できないんだよね⋯。
イヴァンなんて、もうただのバカ。
鑑賞後にコメディと知りましたが、
笑う配分少なかったし、やはり、全体に騒々しくて疲れちゃったかな。
総括的には、イゴールでどうにかオッケーになった感。
出てきたときから、魅力的だったな、この俳優さん。
ちょっと、これから気になる〜。
前半気まずいが後半引き込まれる
あまり題材として興味は惹かれなかったものの、アカデミー賞なら見とくか。。と鑑賞。
前半これまでかというくらいのセックスシーン三昧、両隣男性だったからなんだかとても気まずい、男性側も横に女性座られたら気になるだろうなと思いつつ。両隣のおじさまがポップコーン食べ続けているのは照れ隠しかとどうでもいい勘ぐりをしながら、これハズレかなあと見てた。
でも後半のドタバタになってからは、大してストーリー何も進んでないのに釘付けになった。ひとえに主演のマイキーマドソンの体当たり演技にやられたのかも?ファッキンとマザーファッカーをひたすら繰り返す、語彙力の少ない悪態も逆にわかりやすく、また出てくる人ほとんどロシア人で英語が得意でない設定だったのが少し身近に感じられた。娼婦、にあたる単語がいくつか出てきてその度にアニーがブチ切れるのも彼女の矜持なんだなあと。しかし身分差の恋の物語かと思いきやただ逃げるだけのお坊ちゃん、アルメニア人の警護役?と一緒になって怒るアニーにちょっとだけ感情移入。
そしてイゴール役のユーリーボリソフさんかっこよかった。はじめはいつ暴力振るうのかとビクビクしつつ、最後はただのいいやつでいつ手出すのかなと思いつつ。キスは拒まれるも抱きしめるラストシーンに少し救いを感じた。でも彼らは結ばれるわけではなくあの後会うことはないんだろう。
面白かった、けど、作品賞かあ。。?は疑問。主演女優賞はわかるけど、そこまでのメッセージ性やこの作品ならではの斬新さがあったわけではないように感じる。ノミネート作品まだそんなに見れてないけど、duneもwickedも断然作品としては上な気がするけどなあ。。不思議。
コミカルで軽く進行しながらも段々と力強いテーマ性が見えて来る
同じ日に4本観ることを予定していた映画の中では、一番期待していなかった作品でしたが、結果として、一番面白かった映画でした。
心にも少し残りました。
話の始まりは、非常に軽くて下らない。
でも、展開は予想外で、深刻な事態なのに軽妙なやりとりがとても面白い。
そういうコミカルで非常に軽い内容で進行しているようでいて、段々と、かなり力強いテーマ性が見えて来る。
私の映画のセレクトって雑だとは思っているのだけれど、雑に選んでいるからこそ、こうした意外な出会いが有るのだと思う。
深夜に観終わったけれど、いい気分で家路につけました。
翌日にアカデミー賞の発表。
作品賞と主演女優賞を獲りましたね。然ありなん。
受賞、おめでとうございます。
ロシア版から騒ぎで疲れました
今年のアカデミー賞は、もはやアカジミー賞としか言いようがない地味な作品ばかりでした。本作は、作品、監督、脚本、主演女優賞など主要部門を押さえた作品だけど、正直言ってどこがいいのかさっぱり分からない映画でした。ロシア系風俗嬢がロシア人成金のボンクラ息子と勢いで結婚したことで巻き起こる騒動を描くコメディだけど、まるで感情移入できない登場人物達が大声で喚いて騒いでいるだけで、うんざりしました。現代版シンデレラストーリーとは言うけど、色と金の欲望バカップルの狂乱生活を延々と見せられ、共感がわきません。中盤からコメディになってくるけどなんかイマイチ切れが悪いし、ダラダラ話しが続いてしまりがないように感じました。役者では、イゴール役のユーリー・ボリソフがちょっとよかったかな。
アカデミー賞って???
本作がアカデミー賞 作品賞を受賞したので、観に行きました。
良くも悪くも、僕がイメージする 男にグゥパンチをするような"アメリカ女性像"そのものであり、
「本当は好きだった」「女だからこそ 泣きたい時もある」とラストシーンにに影響されて、共感してしまう女性が多々派生してしまう事を危惧します。
男には都合の良い事ではあるが。。。
アノーラは、自分に対する言い訳を、自分自身に魔法のように洗脳しているが、しょせん お金だけの人間
映画の節々を観ていて、感じました。
この映画を観たら、同じく春を販売する事を非常に稀で、異常だと考えないアメリカンなリアル"シンデレラストーリー"
「プリティ・ウーマン(1990年)」と比べた方が良いと思う。
しかし本当の"シンデレラストーリー"なら、「愛と青春の旅だち(1982年)」を観る事を勧めます。
幸せを求めるアノーラが痛快!
「アノーラ、いい名前だ」
▼感想
映画館で鑑賞!
アカデミー賞作品賞受賞ということで、せっかくなので映画館で観てきた!
序盤はアノーラとイヴァン達の調子の乗り具合がすごい。結婚後に強面の男達が家に集まってくると不穏な雰囲気に…。
「ああ、これからアノーラ達はこの人達に酷い目に合わされるのか…」と思いきや酷い目に合うのは強面の男達で笑ってしまった。
アノーラが思ってたよりタフで、見ていて痛快だった!そんなアノーラと男達との珍道中のドタバタ感も癖になった。男達も全員印象に残った。特に用心棒がピュアな性格をしていたのはギャップがあった。
刺激の強い序盤、中盤から一転して終盤は静かに幕を下ろした。なぜこの作品がアカデミー賞を受賞したのか?それは一回の鑑賞では分からなかったから、他の人のレビューも見てみようと思う!
▼お気に入りのシーン
アノーラがイヴァンの家で暴れるところ!高そうな家の物が壊れまくって絶句した笑。
アカデミー賞とは、、、
底の浅いドタバタ劇と安っぽいメッセージの組み合わせ
なににも似てない。もちろんプリティウーマンにも。
前半と後半とラストで3つの味がする
クソ息子
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