ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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喜怒哀楽ジェットコースター成人映画
脚本演出撮影演技、高い芸術性
そして娯楽性が両立した類まれな作品
昔の映画からたくさん研究し、学んで見事にアップデート!
50年代のクラシック白黒ドラマ劇作、70年代ニューシネマのロケーション夜間撮影、いいとこどり!
裸のままシーツにでんぐりがえりして入る!
この粋な表現たら!
ところどころに洗練されたものが光る
しかし、実際存在するワーカーさんを傷つけないため、
今村昌平みたいに、綿密なリサーチに基づき作られたらしくかなりの社会派作品です
フロリダプロジェクトもそうでした
背景地理場所で起きてもおかしくないこと、リアリティ
ですが、映画の面白さ、虚構性を忘れてはいません!
そして、田中登の㊙️色情めす市場の芹明香のような
ヒロインのまぶしいばかりの魅力!
映画は、強烈なアクトレスがひとりいれば
あとはどうにかなるものですが
対する男たちもなんのその
味わい深く、おかしく、かなしい、愉快な奴ら!
ワンダとダイヤと優しい奴ら、
カサヴェテスなどなどありますねー
滲むのは、おおらかな父性
母性だけでは、女がつらいよ、悲しすぎて
ショーンベイカー監督は、女囚さそりだけでなく
日活ロマンポルノ、結構観てそうな感じがします
この映画にコメディは必要なかったのでは?
三谷幸喜?
アカデミー賞作品賞が気になる人におすすめ
私には理解できない作品だった。
アカデミー受賞作品なので期待して観たが、どこが受賞するに値する映画なのか、最後まで分からなかった。
要するにロシアの新興財閥(おそらく)の親に甘やかされて育ったぼんぼん馬鹿息子に、ストリッパーを含め周囲の人間が振り回されるだけの物語ではないか。どこが評価されたのだろう。私には理解できない映画だ。主演女優の熱演はわかりますが。
まぁ、アメリカのストリップバーの実情が知ることができて、その部分だけ0,5加点した。
良い映画
これが??
夢と現実の乖離、そして融合。
傑作
アカデミー賞受賞作とは信じ難いほど小さなスクリーンで鑑賞。いつものショーン・ベイカー節が全開で、これがアカデミー賞獲ったのかと思うと痛快としか言いようがない。
いつもとちょっと違うのは、映画のタイトル。1人の人間の名前をそのままタイトルにしたのは今回が初めてでは?そのタイトル通り、今作はアノーラという架空の1人の女性を描くことに徹している。世界の片隅に生きる何処にでもいそうな1人の女性の、刹那的で思慮のかけらもない行動の数々。でもそれは当人にとってはおそらく真剣に選択した結果であり、それが最終的にもたらす破滅のやるせなさを、丸ごと受け止め包み込むラストのあまりのリアルさに言葉を失う。
そして今作でも圧巻の美しい映像の数々は、この世界が本質的に可笑しく、哀しく、そして美しさに満ちていることを伝えてくれる。これほど映画の醍醐味を味わえる作品が他にどれだけあるだろう?
ベイカーの他の作品同様、登場人物の背景はほとんど説明がない。アノーラが何者で、何を考えていたのか、全ては映像の中にある。それを感じる意思のない観客にとっては、この作品はおそらく何も刺さらない、退屈で騒々しいだけの雑多な場面の寄せ集めでしかない。
どうか多くの人に、この映画が作る美しい時間を体験して欲しい。
アカデミー賞に誘われて観ました
映画の説明や「あらすじ」と大きく相違した印象です。
ストリッパーしてる芯の強い性格の良い女性と勝手に思い込んでいたので(自分が悪いです、はい。)、冒頭部分のルームメイトとの会話(買い物の確認への返事)にまずびっくり。
「奮闘」は「暴れる」や「悪態をつく」や「邪険にする」ことではないので、どこでどう奮闘するのかなと思ったまま終了。
「人間讃歌」、誰の人生が肯定されているのかもわからずでした。あえて言うならイゴールや普通に働いてるイヴァンの友人達でしょうか。
大金持ちの手下の聖職者と弟とは思えず、やりたいことを押し通す大金持ち家族を肯定する映画だったのか。
映画は自分で観ないとわからないものだと、そんな当たり前のこと改めて思いました。
ただ中盤の探索場面は興味深く最後まで見終えることができました。
あのな、アレな、あの、アノーラ
アノーラという人のことがよく伝わってきて良かった。セックスワーカーが圧倒的に弱い立場であることに関心を集めるのに成功してる映画だと思う。脚本監督が女性じゃないのが惜しい。作品は作品だから別にいいけど、どうしてこういう映画を作るのが男なのか。
真実の愛の物語
被害者の視点と結束感
ショーン・ベイカー監督の視点。それは、前作『フロリダ・プロジェクト』では6歳の少女の視点。本作ではアノーラとイゴールの視点。二つの視点に共通するのは貧困だ。視点の向こう側は、『フロリダ・プロジェクト』では、資本主義の象徴「ディズニー・ワールド」。本作ではロシアの御曹司一家。そして、6歳の少女はトレーラー暮らし。アノーラはその日暮らしのストリッパー。ベイカー監督にぶれはない。
この視点で見れば、過度なセックスシーン、ロシアの御曹司の無軌道ぶり、御曹司を取り巻く連中のていたらくすべてがどうでもよくなる。アノーラと御曹司の結婚に反対し、彼女を娼婦呼ばわりする、御曹司の両親も想定内になる。むしろ被害者の立場で共感する、アノーラとイゴールのさりげない会話にぐっとくる。
ふたりはお互い名前の由来を言い合う。ロシア系アメリカ人のアニーは、ロシア名のアノーラが嫌い。イゴールは、アニーのほうがいいと言う。イゴールは、「戦士」の意味。アノーラは、ただの暴力男だとつきはなす。ふたりの間が秀逸だ。ロシアの御曹司のボディーガードたちとアノーラが、みな御曹司の被害者だという結束感も悪くない。
お金がすべての合理主義の中で、ひたすら人間の熱情に価値を見出す。そんなベイカー監督のポリシーが、アカデミー賞を呼び込んだような気がする。
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