ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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なぜパルムドールなのか、わからなかった
面白くないわけではないけれど、不完全燃焼というか、なぜパルムドールを取る程評価されたのか全くわからなかった。
ドタバタしているだけで、心情が表現される場面はほとんどない。アノーラが最後に泣いた訳も、愛が終わったからなのか、みじめな日常に戻るのが嫌だったのか、さっぱりわからない。自宅でぼんやり観るならいい作品。
アニー
信じられない・・・オスカー受賞の評価ポイントが全く理解できなかった
終始、主人公アノーラを演じるマイキー・マディソンさんがセックスしまくるのと、“F ワード”の嵐、そして怒鳴り合うシーンが多くてうるさい
ので絶対にデートで選んではいけない作品
と、作品自体に全然魅力も見どころも無く、最後の方はいささか眠気にも襲われたほど退屈な作品だった
セックスしまくると言えば昨年の「哀れなるものたち」(2023)でオスカー受賞のエマ・ストーンさんの熱演が記憶に新しいですが、向こうはとてもアーティスティックで品があるのに対し本作はただのエロいシーンでヒドい、それが全編に散りばめられているので全くもってもう一回観ようと思えない代物
オスカーノミネート作品(観終わったらちょうど“オスカー作品賞、監督賞、主演女優賞”受賞のニュース・・・信じられん)なので見どころ、見応えのある作品かと思って期待し観ましたが全く期待ハズレ
前半のひたすらバカっぽいノリから転じて中盤からの不穏な雰囲気はなかなか良くて、そこからタランティーノ作品の様に予想外の方向に転げ落ちていくストーリー展開と期待したけど、全くノレない展開に飽き飽き
皆さんのレビューや解説動画で勉強させてもらおうと思います
過度な期待は禁物...笑えないコメディ、共感できない恋愛?映画
カンヌ受賞は知っていたものの、アカデミー授賞式前に鑑賞して幸運。
アカデミー賞席巻後に観ていたら、素晴らしい映画に違いないというフィルターが掛かってたかも。
余談ない感想としては、コメディとしては然程笑えないし、Rotten tomatoesの評が信じられないくらい恋愛要素を感じない。
前半、ひたすらsex。
後半、徹底的にアバズレ扱い。
ラスト、セックスワーカーとしてしか感謝を示せないヒロインの涙にこそは共感したが...。
本作の何処らへんが、アカデミー賞に相応しのか疑問符だけが残る映画。
アノーラの生き様に何を感じる?
とにかく自分。
そうなるよね~ そんな展開
前半部分は最近稀に見るようなおっぱいの連続!
結婚してからは「うーん、予想通りだよ、だろうね」な展開になります。
21歳のイヴァンは肉欲に溺れ、それを恋だと思い違いして結婚を願う(永住権取得のための皮算用もあるとは思いますが)のは理解できるとしても、アニーは結婚を決める決断のタイミングがどこだったのかがわかりませんでした。
それは、これから先の生活が苦労することはなく面白おかしくなるだろうとか、今の生活から脱却できるというような打算は大いにあると思うのですが、その割には離婚や婚姻の無効に対して文字通り体を張った抵抗を見せるのが不思議でした。
そんなワタシの疑問とは別にスクリーンで展開されるあんなこと・こんなことにクスっと笑いや爆笑が客席に巻き起こります。楽しいです。
そしてワタシがいいなと思ったのはイゴール!澄んでいて優しいまなざしが人の好さを表していますね。
イゴールという名前には勇者の意味もあるとのことで、私の脳裏には古の格闘家イゴール・ボブチャンチンが浮かんできて、いつロシアンフックが炸裂するのだろう?なんて本筋とは関係ないところでワクワクしてしまいました。
レビューを書いているのはアカデミー賞の発表前、果たして受賞する部門はあるのでしょうか?
現実という世界の切なさ
ストリップダンサーのシンデレラストーリーと思いきや、ちょっと違った感じの作品。 本年度ベスト級。
結構、賞を取ってるしアカデミー賞にもノミネートされている作品だけど自分的に満足度は低め。
そんな中でも主演のアノーラ(源氏名アニー)を演じたマイキー・マディソンさんが美しく素晴らしい演技だった。
ストリップダンサーとして生活するアニー。
ロシア人の御曹司のイヴァンと1週間の恋人契約を結び、ヤリまくる感じ(笑)
ここまではエモい映像や音楽が素晴らしかった!
でも、それ以降は雰囲気が一変!
ドタバタコメディー映画に変貌(笑)
ラスベガスで勢いで結婚するものの、イヴァンの父親が結婚を解消しようと部下をアニー達の元に送り込む展開。
アニーは部下のイゴール達に拘束されイヴァンは逃亡。
アニーやイゴールがイヴァンを車で探しに行く感じ。
イヴァンが逃げ込んだ先も最低だった。
まあ御曹司のイヴァンがクソ過ぎて観ていて気分が悪くなる(笑)
アニーを応援したくなる。
アニーを拘束したイゴールが意外と優しい人だった。
ラストのアニーとイゴールの車の中のシーン。
意外にも敵対する2人の間に絆が生まれた感じ。
本作の中で好きなシーンとなりました( ´∀`)
アノーラには幸せになってほしい
先週から体調を崩してしまい、観たい作品を何本も逃してしまいましたが、今日はちょっと体調が回復したので1本だけ観ようと思い、上映時間の都合のよかった本作を鑑賞してきました。
ストーリーは、ニューヨークでストリップダンサーとして働くアノーラが、たまたま店に訪れたロシアの富豪の御曹司イヴァンに気に入られ、15000ドルの報酬と引き換えに彼が帰国するまでの1週間を「契約彼女」として過ごすことになり、イヴァンの友人たちも巻き込んで贅沢三昧に遊びまわった二人は、その場のノリと勢いで結婚してしまうが、ロシアにいるイヴァンの両親はその噂を耳にして激怒し、すぐさま息子のもとに配下の者を遣わし、自らもアメリカに乗り込み、アノーラとイヴァンの仲を引き裂こうとするというもの。
序盤からテンポよく展開し、サッパリしたアノーラの性格も手伝って、なかなかおもしろかったです。富豪の御曹司の火遊びから始まったアノーラのシンデレラストーリーが、ジェットコースターのように徐々にボルテージを高め、一気に加速していくさまが心地よいです。経験の浅いイヴァンがアノーラに夢中になるのも、生きるために必死なアノーラがイヴァンの財力に惹かれるのも、どちらにも共感できます。
そんな二人のもとに、イヴァンの両親の指示を受けたトロスによって、ボディガードのガルニクとイゴールが尖兵として送り込まれたあたりから、物語が大きく動き出します。電話で説得を試みるトロスに悪態をつき、屈強なボディガード二人に対しても全く引かず、大立ち回りを見せるアノーラがメッチャ楽しいです。加えて、そんな妻を置き去りにして一目散に逃げ出すイヴァンとの対比も鮮やかです。
さあ、アノーラとイヴァンは障害を乗り越えて、身分違いの恋を成就させることができるのでしょうか。このままコミカルなノリで二人の行く末が描かれることを期待してテンションが上がります。それなのに、後半は思いがけず、少々重い展開に…。おまけに、イヴァン探しにもたついてテンポも落ち、ややダレた感は否めません。
しかし、終盤になって、クズ男・イヴァンに代わって、口数は少ないが存在感を発揮していたイゴールが急浮上!登場時からどこか心根の優しさを感じさせ、いい味を出していたイゴールですが、やっぱりいい男でした。彼の存在が雰囲気を一気に押し上げ、そのまま終幕を迎えることでもたらされた余韻が実にお見事です。
おかげで、アノーラの胸に残る思いをあれこれと想像してみたくなります。莫大な富を逃した悔しさ、自分本位なイヴァンへの怒りなど、おそらくそういう感情もあったでしょう。でも、彼女の心を最も抉ったのは、自分を一人の人間として認め、心安らぐ居場所を与えてくれると信じていたイヴァンの裏切りではないでしょうか。愛というより信頼に対する裏切りに、深く傷ついたのではないかと思います。今後の彼女の生活が、つつましくも幸せなものであってほしいと願うばかりです。
主演はマイキー・マディソンで、女優魂を見せつけるような体を張った演技が秀逸です。脇を固めるのは、マーク・エイデルシュテイン、ユーリー・ボリソフ、カレン・カラグリアン、バチェ・トブマシアンら。
予想の斜め上
『ショーン・ベイカー』が真冬のNYに魔法をかける
ニューヨークでストリップダンサーとして働く『アノーラ/アニー(マイキー・マディソン)』は、
時として売春まがいの行為もし、糊口を凌いでいる。
ある日、所属するクラブでロシアのオリガルヒの御曹司『イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)』と知り合い、
一週間1.5万ドルの報酬で「彼女」になる契約を結ぶ。
さあそれからは友人たちも集まっての乱痴気騒ぎの日々。
終いにはプライベートジェットでラスベガスに繰り出した挙句、
勢いで婚姻届けを出してしまう。
『イヴァン』はグリーンカードを手に入れ、
『アニー』は富豪の一族に名を連ねることになり、
全てが薔薇色のハズだった。
しかしそうは問屋が卸さないのが、
21世紀の{シンデレラ・ストーリー}。
大きく括れば
〔マイ・フェア・レディ(1964年)〕、
〔プリティ・ウーマン(1990年)〕もその範疇。
社会的に底辺に居る女性が
金持ちの男性と出会い惹かれ合い、
最後には結ばれるとの{ロマンティック・コメディ}の側面も持つ、
定型化された流れ。
しかし先の二作品の男性は自立しており、
世間の風評などものともせず、
独断で事を進められる力を持つとの共通点があった。
愛が芽生えた二人の世界に余人の立ち入る隙は無く、
両性の合意によってのみ全てが決められる。
翻って本作の男女は共に二十代前半。
『アニー』は辛苦を舐めた生活から、
世間を判ってはいるものの、
『イヴァン』の方はまるっきりのお坊ちゃま。
働いたことはなく、
親の脛を齧るだけの典型的な「バカぼん」。
両親のコントロール下に置かれ、
自身では何も決めることはできない。
そうした男との将来は
最初から見えているわけだが。
『アノーラ/アニー』を演じた『マイキー・マディソン』の演技が特筆もの。
ポールダンスをはじめとするエロチックなシーンをこなしたかと思えば、
恋する乙女の表情になったりと、猫の目のように変化する。
が、白眉となるのは、
『イヴァン』の両親やその用心棒、ロシア正教会の聖職者と対峙する数々のシーン。
汚い言葉をまき散らし、泣き、喚き、叫び、暴れ、
{スラップスティック}まがいの立ち回りをパワフルに演じる。
その激しさに最初は思わず引いてしまうが、
次第にシンパシーを感じるようになる不思議な魅力が溢れ出す。
140分尺の半分以上を
{シンデレラ・ストーリー}後のリアルが描かれる
極めて異色の展開。
そして余韻を残す最後のシークエンスは、
二人の短い同居生活は
男にとっては「ワン・ナイト・スタンド」の(金で解決できる)余興なのに対し、
女には「純愛」だったことを切なく示すとともに、
世の中捨てたものではないと仄かな希望も持たせてくれる。
マイキー・マディソンの体当たりの演技
アニーを卒業
前半は「マイ・フェア・レディ」や「プリティ・ウーマン」路線で、
後半はそこからの現実路線。
貧しいセックスワーカーが金持ちに見初められハッピーエンドなんて、夢物語でしかないという現実を知ってはいるけど、まだアニーを名乗って夢をみたいと思っている女の子。
前半、甘やかされたお坊ちゃんを相手にする時のビジネスライクな表情とか、煽るようなダンスや行為で若者を虜にしていく手練れさを披露(R18+作品ですから)
途中からは、場面は変わってお目付け&お守り役の三人を相手に大暴れ。
従来だったら、逃げ出したお相手が彼女を救いに来たりする展開なんだろうけどねぇ~
後半は展開読みにくくなって、新鮮だった。
実は身の程をわきまえてて、貧しいながらもしたたかで、泣いても一人で立ち上がる強さを持ってる。
アニーからそんなアノーラへと、これから変身を遂げていく。
底辺に置き去りにされた人々への温かい希望が救い
奇想天外なドタバタの挙句の最後の最後に心が解き放たれる瞬間こそ映画鑑賞の醍醐味でしょう。「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」「レッド・ロケット」などの監督ショーン・ベイカーは本作も含め、制作・監督・脚本・編集までも一人でこなす独自のフィルムメーカー。基調は底辺に住む貧困層に寄り添い、気遣い見守り、僅かな希望の芽を探り当て、人間の優しさの本質を開花させる才人。いよいよもってカンヌ国際映画祭でパルムドールに続き、アカデミー賞に作品、監督、主演女優、助演男優、脚本、編集と6部門にノミネートの快挙。果たしてこのインディベンドな荒々しさの作品、言い換えれば品格なく、下品の極みがオスカーに輝くか? 個人的には上辺だけの調和より遥かに私の心にすっと入り込む大好きな作品なんですがね。
大きく分けて4っのパートに、最初がストリップクラブに訪れたロシア人御曹司との出会いと夢のような享楽、続いてロシアの両親の知るところとなり手下が急行しドタバタ追跡劇、そしてプライベートジェットで遂に登場の両親による強硬離婚騒動まで、最後はエピローグで狂乱の騒ぎが祭りの後のように引き潮に、ここで思わぬ希望が見えるのが素晴らしい。
当然ですがなにより悪いのはこの道楽馬鹿息子であって、20歳のガキに総てが振り回されるわけで。そもそも何ゆえにロシア系のセックスワーカーがいて、ロシアの大金持ちが豪邸を米国に構えているのか。米国内でロシア正教の司祭まで務める男が手下とは。ウクライナの件で言うまでもなく独裁プーチンのロシアなんぞ関わりたくもないはず。しかし多分監督は精緻に聞き込みを行った挙句の設定ですから、本当にこんな話があったと思われる。
女にしてみれば、高架電車の振動受ける安アパート暮らしの身に、1週間の独占指名で1万5000ドルってことは約230万円、一日あたり約32万円なら、受けるでしょうね。男が馬鹿イコール純真ってことで、コロリと信じかけたのも、結婚の言葉に一瞬でも心が揺れたのも、後悔はしたくないですね。そこで互いの親に合うシーンを想像してしまう女が可哀そう。きっと独裁プーチンの隠し金たんまりの横流しの両親でしょうから、ド派手な金遣いにシンデレラを夢見てしまうのも致し方ない。この辺りの豪勢な振る舞いに、あの嫌らしい「プリティ・ウーマン」の前段を思い出す。4カラットの婚約指輪にセーブルの毛皮、エレベータのある邸宅、宝くじにあたったも同然です。
それにしても中盤の馬鹿息子捜しのドタバタコメディ描写にはちと驚きで、サービス精神過剰にも。この辺りからラストの至福に向けて伏線描写がチラチラ登場し、よもやそっちに向かうの? そうあってほしいのエピローグになだれ込む作劇。坊主頭のイゴールの視線が柔らかく変化しているのがポイントで。
ラストは雪降りしきる車中で、荒々しさのまま突入し一瞬で涙に代わる瞬間こと本作の白眉です。これを描きたいがために逆算したようにも思えてしまう。しかしこの二人がこの後幸せに・・・なんて思いたいけれど思えない。でもその瞬間に映画を終え、そうあって欲しい夢を見させてくれる優しさが胸をつく。
アニーの母親はフロリダに彼女の姉と住んでいるなんて、「フロリダ・プロジェクト」の少女のその後のようで、心が痛みます。アニーの仕事柄際どいシーンが多々ありますが、決して露悪的ではなく、逆に新星マイキー・マディソンがよくぞここまでの役を受諾したものだと驚きもする。主演のマイキー・マディソン、ちょっと日本人にも見える風貌で、ド派手美人じゃないところがポイントかもですね。主演女優賞とってほしいものです。
私にとってこの作品はイゴールにスポットを当てれば☆4、アノーラでは☆1
観た日から時間が経って、この作品に対する自分の思いが変わってきたので最初のレビューに付け加えてます
観た日はアノーラが受け入れがたくて仕方がなかったのですが、イゴールの存在が本当に良くて、だからあのラストで忘れられない作品になったように思います。
という事で☆4に変えました。
ここからは観た日のレビュー
「フロリダ・プロジェクト」がとっても良かったし、身分違いの恋のシンデレラストーリーとあったのでドラマチックなラブストーリーかと思っていたのですが全然違いました。
高評価ばかりの中申し訳なく思いますが、私は全然ダメでした。
アノーラが好きになれなかったんです。
イヴァンの両親は嫌な人のように描かれているけど、息子の結婚相手がアノーラみたいな人だったら普通反対するとは思うし、アノーラは自分が快く受け入れられると思っていたのかとも思うし、泥酔しているイヴァンに離婚しないよう説得している姿は痛々しかったし。
こんなレビューをしている自分がすごく性格悪く思えて「こんなレビューやめろー」って感じなのですが。
登場人物で唯一良い人に思えたイゴールがホント優しい。
ラストで「えぇぇぇ」でした。
ずっとそばにいてくれたイゴールの優しさへのアノーラの感謝みたいなものかのも。
あんな形でしか表せないのだとしたら、それまでどんな人間関係の世界にいたのかと思えて、なんだか可哀想にも思えました。
アノーラはお金のために離婚したくないというより、イヴァンの母の自分への扱いに対する抵抗だったのかなと思います。
でもあのラスト、車のエンジンとワイパーの音だけのエンドクレジットは余韻が心地よく良かったです。
劇中の音楽も良かったです。
全330件中、221~240件目を表示