ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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マイキー・マディソンの魅力全開とやはりショーン・ベイカー監督のセンスが観どころ
以前より公開を楽しみにしていたショーン・ベイカー監督の新作で、しかも第97回アカデミー賞6部門ノミネートで作品・監督・主演女優賞等々5部門受賞の快挙とのことで期待満々で劇場へ。
さすがショーン・ベイカー監督節あふれるオープニングに瞬時魅了される。本監督のこういうセンスが大好きだ。
そしてノンストップの派手派手贅沢三昧生活がスタート。マイキー・マディソンがもうキラキラでまぶしいほどだ。
後半の暗転からは、少し騒がし過ぎたり中弛み感が気にはなったが、やはりマイキー・マディソンの魅力で一気にラストへ。
ラストシーンからのエンドロールがまた本監督らしい。嗚咽そしてエンドロール、ひた続くワイパー音、そして永遠にも感じるサイレント。余韻がハンパない。
本作はマイキー・マディソンの魅力全開独壇場のようにも映るが、やっぱりショーン・ベイカーの才能が世界的に示された作品であろう。
アカデミー賞受賞の風格はというと正直それほどでもという感じなのかもしれないが、個人的にはじゅうぶん星5つに値する作品だ。
フォーカスが自然と変わる不思議さ
鑑賞前には事前情報を何も知らずに見たほうが
感じ方が様々で、楽しいと思います。
ひとりで見るのをおすすめします。
以下、感想。
見た人はわかると思いますが、裸祭り!と言わんばかりのオープニングからスタートします。
御曹司の息子アイヴァンと夜の蝶、アノーラの刺激的な出会いから、淡々と愉楽な生活と、享楽的な毎日が映し出されます。
繰り広げられる情事に、アイヴァンに振り回される周りの人達の展開。感情ブチギレのアノーラに、ひとりひとりの個性がぶつかり合います。
この映画に出てくる人は皆正直で、偽りがない。
だから、手に負えない。
中盤、あーなんか退屈と、中弛みする感は否めないのですが、ふとした仕草と視線に、妙にソワソワ、なんか気になり始めて、自分の心が、急にフォーカスオンする。
あれ?なんか見ている視点がモードチェンジした?って、変わるのが、不思議。
つかず離れつしている気持ちが、つり積もる想いと雪が重なるよう。
結局は、相手を大切に思う気持ち、想像以上の愛に完敗な気分になる。享楽を超えた愛の深さ。
極めて、観る側の想いの深さが求められる映画らしい映画だと思いました。
コメディーが優れていた良作!
個人的には最高に良い映画でした!
特に中盤のロードムービー風のコメディーが良かった!
今まで劇場で観た映画で一番笑いが起こっていたかも。
めちゃくちゃ偏見で極端なこと言ってしまうと、バカとバカが勢いで結婚してしまう話。
離婚する際に財産を求めたりしないあたり、完全にお金目当ての結婚という訳でもなさそうで驚き。
アノーラがもっと利口であれば、離婚する際に多くの財産を得ることができただろう。
でも、それは人間の自由意志なので誰にも止めることはできないし、馬鹿にすることもできない。
またセックスワーカーも差別されるべきではない。
イヴァンの母親の態度と言動こそ非難されるべきだろう。
この映画の出演者は欲望や言動から全員がとても人間らしく見える。それが魅力的にも見えるし、危うくも見える。
そんな中でもラストシーン以外、一度も泣かなかったアノーラがとても逞しい女性だと感じた。
ラストシーンの個人的な理解としては、今までセックスを中心で行動していたアノーラ。指輪の感謝か恋愛の始まりに、セックスで応えようとしてしまう。
その瞬間、直前で起きた人生で最も最悪な出来事を思い返して、また同じことを繰り返してしまうのかもと、何も変わらない自分の惨めさを痛感して涙してしまったのかもしれない。
しかし、それは決してバッドエンドではなく彼女はこれを糧に人生を改めるかもしれないし、イゴールとセックス以外のコミュニケーションを築いていくのかもしれない。ラストシーンまでにもその予兆はあった。
ただ男性に喜んでいただくのがお仕事だったアニー
ストリップダンサーのアニーとロシアの御曹司イヴァンが、アニーの働く店で出会い、イヴァンがロシアに帰るまでの間、アニーは破格の報酬でイヴァンと過ごすことに
今までただ男性に喜んでいただくのがお仕事だったアニーは、イヴァンとまるで夢のようなゴージャスでクレイジーな毎日を過ごす
ロシアに帰りたくないイヴァンは、アメリカ人と結婚すればロシアに帰らなくていいと言い、2人は衝動的に結婚してしまう
アニーはこの結婚で、この先のゴージャスでクレイジーな生活が約束されたのだ
思いがけないシンデレラストーリーかと思うが
もちろんそう簡単にいくわけない
まずイヴァンが21歳とまだ若くまるで子供でクズ
衝動的に結婚したことを怒った両親が、2人の結婚を無効にさせようと、ロシアから向う間、お目付け役のトロスたちから
いとも簡単にアニーを置いて逃げるイヴァン
いや、アニー置いてくのかよ
いやまぁそうだよな
お遊びなんだから
ちょっとここでアニーに同情したが
それでも夢を捨てきれないアニーはトロスたちと一緒にイヴァンを探し回る
その間のハチャメチャ騒動が凄まじいが、ただ静かに傍観するお目付け役の手下イゴールが、アニーにちょいちょい不器用な優しさを見せる
こっちのラブストーリーに発展するのか???
やっと見つけたイヴァンに、アニーは結婚の無効をさせまいと奮闘するが、イヴァンには結婚を継続する気はなく、しつこく迫るアニーを疎ましく思う始末
とうとうアニーは失望して結婚は無効に
アニーを自宅に送るよう指示されたイゴールは、アニーの自宅に着き、別れの時にも何かよく分からない優しさを見せ、きっとアニーはその感謝の気持ちを表したのだと思う
ただ男性に喜んでいただくのがお仕事だったアニーには、それが感謝の気持ちだったのだと思う
走りきった先にあるもの
パルムドールとオスカー獲得と、パラサイト以来の快挙の本作、しかもR18
オリガルヒのロシア人青年との短く濃い結婚生活を走り抜けたマイキーマディソンことアノーラが、何とも可愛らしく力強い。
キレイな3部構成になっていて、まあ、いわゆる愛がある時間、それが一挙に崩壊し成り行きで原因を捕まえにいく、そして根源が表れる。
私は玉の輿に乗って豪奢な生活が待っているとは言え、それが目的ではなくアノーラには、あの瞬間に愛はあっただろうな、とは感じました。まあ親バレして大変なことにならずとも、後に早々に別れることになるでしょうが。
コミュニケーション不全でお互いの若さ故で走り切った。その先にアノーラは傷つくことを知り、あの印象的なラストシーンに繋がるのでしょうね
アノーラを抱きしめてあげて
チンデレラ・ストーリー
コメディ…なんですか?
ずっとシリアスなのかと思っていたら
??
映画内の金持ちの豪遊がこわい
思わず家庭菜園でも始めようかと思った
アノーラは、とても強いし毅然としてるのがいい
イゴールの役者さんの存在感が印象的
映画内のゴタゴタはいくら雇われてるとはいえ、全部犯罪だよ、やりすぎだよって焦った
ラストの理解が追いつかないので、考察的なの読みます
追記
監督が、それぞれ考えて欲しいからあのラストにしたと言っていたそうなので、ちゃんと自分で考えようと思う
アノーラは、愛を信じたかったのだと思う
でも、あっけないほど簡単に相手が心変わりするのを目の当たりにして
一瞬でも信じた愛が、こんなにも陳腐な結末になるのかと
惨めで悔しくて情けなくて発狂したくなる気持ちだったと思う
ラスト、イゴールに惹かれてるのは間違いないと思うけど
惨めさ、悔しさ、やるせなさは引いては寄せる波のように押し寄せてくるものだから
まだ時間が必要かなと思う
2週間の出来事だから、案外早く立ち直るかもだけど
さらに修正
ラストは、アノーラ自身プロとして始めた行為だったのでは?
だけど、また感情に流されそうになった自分に悔しくてあのラストになったのかな
うーん、難しい
人の心を察するのは
やがて、哀しき物語かな
地方のシネコンのレイトショーで観たが、アカデミー賞6部門ノミネート5部門受賞という話題作品なのに、平日ということもあってか観客は私1人だった。
序盤と中盤は明るさに満ちている。このような娼婦を主人公とする作品では、貧困や暴力から逃げられない哀しさや苦しみが執拗に描かれることが多いが、本作ではそういうのはない。唯一、自宅アパートでのシーンがトーン低めに撮られているのが例外。
中盤からはドタバタコメディ色が強まり、アメリカ映画というよりはイギリス映画という感じだった。メジャーではない独立系プロダクション作品ということの影響かもしれない。
用心棒の男の視線が何気に気になっていたが、それがラストシーンへとつながる。
社会の底辺に生きる者を満たしてくれるのは、やはり底辺で生きる者だった。底辺から抜け出そうとしたとき、クモの糸はあっさりと切れた。ささやかな希望は、雪ふる中で嗚咽する。
エンドロールの向こうの彼女(達)に
▼脚本賞受賞時スピーチ
監督ショーン・ベイカー「本当に信じられません。ありがとうございます。アカデミー、この栄誉を本当にありがとうございます。(中略)
そして、私はセックスワーカーコミュニティにも感謝を伝えたい。彼らは自身の物語を、人生の経験を、長年にわたって私に共有してくれました。心からの敬意を表します。ありがとう。この賞をあなたたちと分かち合います」
映倫+18。 キャッチコピーにもある『ううん、現実(リアル)』。 声出して笑ってハラハラしたけど、本当にこの映画で感じたのは、
女性の有り難さ、素晴らしさ、逞しさ。
こんな世の中で笑って強く逞しく生きる女性たちに男は何が出来るのか。
エンドロールも終わり、真っ暗な小窓のようなスクリーンの向こうに現実(リアル)にいる彼女は、彼女達は、今も泣いているのか、今は笑っているのか。笑っていて欲しい。
大雪の中に埋もれ、沈黙に思える中にも、色々な声を想像させる監督の演出に敬服m(_ _)m
みて、良かった👍
高慢チキな姑とソリが合わなくて、旦那ともギクシャクしだした嫁さんが買い物ついでに息抜きに観るにはうってつけの映画
ショーン・ベイカー監督の新作なので、アカデミー賞云々抜きにしてそりゃ観ますわ。
ニューヨークにブライトンビーチというロシア人街があるらしい。
高慢チキな姑とソリが合わなくて、旦那ともギクシャクしだした嫁さんが買い物ついでに息抜きに観るにはうってつけの映画。
オカンムリのオバハン(失礼)
一方で、ロシアの新興財閥のオヤジはぶっちゃけ笑う。
懐の広さなのか、自虐なのかはさて置いといて、しょうもない状況を笑い飛ばすコメディ要素はショーン・ベイカー監督がまるで北野武のお笑いをパクったような感じ。
お坊っちゃま君はロシアのティモシー・シャラメのマーク君。俺は好きだなぁ。御本家以上に。
21歳の男なんて所詮おこちゃまなのよ
アノーラ(アニー)役のマイキー·マディソンちゃん。とても快活で気持ちいい。
女優をめざす前は馬術の選手だったらしい。
だから騎乗がサマになるんだな😎
お顔はあんまり好みじゃない。吉川ひなの似。
東洋系に見えるけどユダヤ系らしい。
R18+の設定はほんのちょっとだけロシアのティモシー・シャラメ君のナニが見えそうになったから?
高校生にも堂々と観てもらいたい。
私的にはいかにもなロシア人青年のイゴール役のユーリーボリソフがずーっと好感度高かったので、あのラストは忘れがたい。
彼は第74回カンヌでグランプリを獲った「コンパートメントNo.6」でのかわいい青年役だった。彼にもアカデミー賞あげたかったね。
Does this movie really deserve the Academy Award for Best Picture?
As many viewers felt, it was unclear why this film won the Academy Award for Best Picture, and it also didn't seem like a film that would be talked about for a long time. If the award was unexpected, the following could be considered.
1. A situation occurred where the award could not be given to a strong work.
2. In order to maintain the authority of the selection committee, they do not want to give the award to a replacement work.
3. It has been rumored that the Academy Awards have (some degree of) political considerations for some time.
In this year's selection, a European work dealing with transgender people was effectively left out of the selection. Moreover, it was not because of the evaluation of the content, but because of a problem with the leading actress's comments. It is only unfortunate.
As a result, works that originate from Europe or are based on Europe are at a slight disadvantage. At the opposite end of the spectrum are cheerful American works.
Now, while Cannes is said to be art-oriented, it is actually a film trade fair, while the Academy Awards is the most watched film award in the world. To some extent, we cannot help but think about the social impact. Even if it is a free person who decides, they would want to avoid being biased towards either the Jews or the Palestinians. Also, if possible, they do not want to side with Ukraine and back Russia.
No matter how you look at it, the world-famous singer who is the model for one of the nominees must be of Jewish descent, considering his appearance and creativity. I don't know about his religion. Also, the architect who came to America from Hungary and became active there is probably of Jewish descent. On the other hand, this film features a hopeless Russian wealthy family.
If these elements had crossed the minds of the selection committee, this film would be a strong candidate for the Best Picture award. What a shame.
So, what kind of film is this?
The beginning is vulgar, but even though it was made 18+, its appeal was not conveyed. In the middle, the hopeless "spoiler-dovey son" runs away from his mansion, leaving his new wife behind, and goes around New York's bars, while the butler and his new wife struggle to find him. At the end of the film, the wealthy Russian couple rush to New York on a private jet or charter flight, and things get hectic.
The most troubling thing for me was that the wealthy couple's butler (who is apparently Armenian) and lawyer didn't realize it was from Las Vegas, even though they had seen the marriage certificate.
The only saving graces were the boundless vitality of the main character, Anora, and the modest genuine affection shown to Anora by one of the bodyguards, who seems to be a distant relative of the wealthy couple or something.
However, I would like to see as many of the other films nominated for the Academy Award for Best Picture as I can.
アニーはイゴールの優しさに、応える術を知らない‼️
ラスト15分の映画でした。
アノーラ(アニー)が、イゴールの車を降りるときの会話と
アニーの表情。
車から降りようとした時、
「待って・・・」と言って、
イゴールが差し出した物・・・
このシーンが一番良い。
アニーは、思いがけない大事な物が返ってきて、
パッと心が明るくなる。
イゴールがポケットに仕舞ってあったのを、渡す。
この表情で、アカデミー賞主演女優賞を貰ったようなものです。
嬉しさ、悔しさ、惨めさ、戸惑い・・・それが混ざり合った表情、
涙が今にもこぼれそうな・・・
裸やアクロバチックなストリップ・ダンスは、
大したことがないと思う。
(まあ、頑張ったし、バイタリティは認める)
ショーン・ベイカー監督は、女性を貶めるようなショットを撮らない。
めちゃ優しい人ですね。
R15+って、オッパイ60の、お尻30の数ですか?
全然、色っぽい気分にならない映画(笑)
「プルータリスト」の数シーンかの方が湿気の高いエロを感じた。
(そのシーンはインパクトがあり、意味があるシーン)
この映画がアカデミー賞作品賞他併せて5部門受賞⁉️
嘘だろ‼️
セックスワーカーに市民権を、人間性を認めよう・・・
的風潮が後押ししたのだろう。
セックスワーカーなんて、そんな褒められたもんじゃないよ。
ただこの映画でオッパイ晒した女の子(女優なの?)、
20人か30人の代表として、マイキー・マディソンは受賞したと思う。
イゴールはアニーに最初から優しかった。
イヴァンの邸宅で、暴れまくり、暴言を吐き、泣き叫び、喚く
アニーを抑えてはいたけれど、暴力を振るわない。
しっかり抑えてただけ。
ロシアの富豪が、息子に金を湯水のように与えることが、
愛情・・・だと勘違いしているのと、
アノーラが、セックスを与えることが、愛情だと錯覚している。
この二つは似ている。
愛し方を知らないんだと思う。
イゴールは知っている。
イゴールだけが心根が美しかった。
よく見ると、
ヒース・レジャーによく似ている。
ユーリー・ボリソフ、
良かったよ‼️
あんたが居なかったら、この映画は、
何にも残らなかったよ。
これは人としての尊厳の話
ある意味プリティウーマンの対極?
性を売りにして生活しているが故にいつも明るく振る舞い、故に夢は見るが現実も知っている。
この辺りのテーマを極端に面白可笑しく、そして厳しく描いた作品。
ショーン・ベイカーの映画にはいわゆるセックスワーカーが何度か登場することもあり、多くの人に取材をしたのだろうが、プリティウーマンなんて夢物語で現実はだましだまされ、時には不条理に力でねじ伏せられながらも皆逞しく生きているという「リアル」をちょっぴり厚めのオブラートに包んだ状態で世間に見せたかったのではなかろうか。
ラストで最後まで意地を張り続けた彼女の矜持とかくやしさとか感謝とかいろんなものが入り混じってああいった行為に至ったのかも知れないが、けっして後ろ向きには思えず、これを乗り越えてまたいつもの日常に戻るが、違うのは隣に見守ってくれる人がいる、みたいな未来を思わせる終わり方は良かったと思うし、こここそがアカデミー脚本賞と女優賞を獲った大きなポイントだったのではないかと勝手に思ってる。
家の中でアノーラと格闘するところからイヴァンを探し出すまでのくだりは少し長すぎで途中で飽きたけどw、良い映画だったと思う。
遙かなる山の呼び声
アノーラが魅力的
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