ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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インディーズへの功労賞という事で
アカデミー賞を取ったという事ですが、決して王道な作りではなく、
インディーズ映画への功労賞的な意味合いで贈られたのかと思いました。
前作「レッド・ロケット」もAV男優のセックスワーカーが主人公の話だし、
今回も類似な感じで、描写も割とガッツリ寄りなので、見る人を選ぶ作品かと。
アニーが「お、こいつ金持ってんな?」とチラ見する時の、狡猾な目!!
この目を日本で出来るのは、西川峰子だけ。
アニー役の女優さんはまだ25,6なのに、映画の中では相当な熟女に見えました。
年齢を聞かれてうまい事はぐらかす感じにも熟女臭。
このままアメリカの西川峰子になって、くたびれた女を演じ続けてほしいと思えました。
ちなみに映画館は、ガラガラでした、受賞したってーのに。
そして、ドラえもんを見に来たと思しき子供たちの騒ぎ声が、虚しく漏れ聞こえて来ておりました。
ディスる文化
けっこうエグいシーンも多く、映画俳優ってここまでやるんかー、と驚いた。
貧しいながらも頑張ってる主人公が大金持ちと結婚できてハッピーと思いきや、ひどい目にあう、という展開がなんとなく落語みたいだなー、と思った。
この映画は最初から最後まで、お金持ちに対する憎悪をつのらせる展開になっている。
前半では自分自身の能力は何も無いのに、親が金持ちだというだけで調子にのってるボンボンのバカさ加減にいらつき、後半では親の傲慢さにヘドが出そうになる。
この映画って、ほとんどずっと誰かが誰かを罵倒してる。あらゆる立場の人が、自分以外の人を罵り続けてる。金持ちの息子も、親からは馬鹿だと言われ、使用人からも陰口を言われている。その息子も、親のお金で無双状態でいられるのに、親を憎んでいる。でもこれが社会の実相なんだろう。
一人では生きていけないか弱い生物である人間が、集団でお互いに助け合うために社会をつくりあげ、分業した社会の中で互いに感謝しながら生活すべきはずなのに、実際には、エッセンシャルワーカーとか、生産者とか、社会に不可欠で大変な仕事をしてる人ほど給料が安く、お金を運用して資産を守るだけの人が、お金の力を自分の力と勘違いして、贅沢な暮らしをして、エッセンシャルワーカーを蔑む。
いったいいつからお金持ちがエラいってことになったんだろう? このままじゃ人類ほろぶなー、って思った。
もういい歳なので、そんなシンデレラストーリーもないだろうと冷めた視...
シンデレラ物語の先
カンヌでパルムドール、米アカデミー賞でも作品賞、監督賞など5部門受賞の話題作。シンデレラストーリーのその先、という謳い文句に興味を感じて観ました。シンデレラストーリーは大好きですが、確かに「その先」が気になります!あとは好みの問題で、個人的にはしっくりきませんでした。主演の二人は魅力的でしたが、アニー(マイキー・マディソン)が出逢うイヴァン(マーク・エイデルシュテイン)との関係性が危うくて、贅沢三昧の乱痴気騒ぎもそれほど幸せそうに見えなかったので、その後の展開も推して知るべし…。ロシアからきた男たちとのやり取りも痛かったのですが、笑って観ている人もいたので、ユーモラスに感じてる人もいるんだなあと思いました。ラストも含めて、個人的には陽気に笑い飛ばせませんでした…(汗;)。
大金持ちは愛でもなんでも買える
アノーラにとってイヴァンはいいカモになる客だった。他の客を相手にするよりたくさん稼げた。でもその度を越した金持ちぶりはアノーラの目をくらませ、結婚を迫られたとき本当の愛があると信じてしまった。男心は知り尽くしているはずなのに。アノーラにとってただの金目当ての結婚ではなく、夫イヴァンを好きになっていたのだろう。彼女のライバル嬢が酔ったイヴァンの相手をした時の怒りは、客を奪われた怒りではなく愛する夫を奪われたことへの怒りだ。アノーラは夫の両親にも受け入れられ、幸せな家庭を築けると思った。しかし、もしイヴァンが金持ちでない普通の労働者だったら、アノーラは結婚していなかっただろう。そう、彼女は金の力で恋に落ちてしまった。イヴァンは金でアノーラの肉体だけでなく愛情も手に入れた。でも金で幸せも手に入るのかはわからない。
勢いだけでは!
ガッツある女性の下剋上映画かと思いきや
なかやか現実は厳しいなあ。前半は、エロ映画 後半は、ロードムービー 勢いとガッツで乗り越えるのかなと
しかし、ラストはなんか現実だな。明るさが欲しかったなあ。しかしマイキーマディソンの美しさはいいね。ワンスアボンナタイムインアメリカの時はまだ成長してなかったが、また期待できるね。
デートでは観ないで!
会話の妙が楽しめます
魅力的なアニー
これは
若気の至り
というタイトルでも良いかも笑
ダサいタイトルだけど笑
マイキー・マディソンが
可愛いストリッパーを演じてます
出だしから裸、裸、裸、
あんな、魅力的なバディ羨ましい限りです
クソばか息子のロシアの金持ちと勢いでラスベガスで結婚
そこから結婚破棄までの道のり
暴力的な位置の、イゴールが
実はとても優しい青年だ。
アニーを見守り、最後にはクソばか息子に謝るように話す
レイプしそうな眼だとアニーに言われてたけど、観客の私からみたら全然そんな感じしない。
この辛い道中ずっとアニーを見守り続けたイゴールが居たから、ようやく最後アニーは泣けたんだろうな
うん、まだまだこれからだよ人生は!とアニーのアノーラに伝えたい。
この作品が賞とるの時代変わったなあ‥
ある意味、裏切られた
シンデレラストーリーかと思いきや、中盤から一転してコメディーになった。
全般的にアニーの気持ちが伝わってこなかった。愛を知らずに育ったわけではなさそうだったが、放蕩息子と疑うことなく結婚し、二人の間には金ではなく愛情があると信じていたようだ。
コメディーの小ネタをたくさん入れるのも面白かったけど、アニーの心の描写をもっと表現してほしかった。
アノーラが理解出来なかった←当初はこの考えで⭐️2.5でしたが、様々な方の感想や解説を聞き変わりました。
アノーラのイヴァンに対する思いが汲み取れず、またアノーラに対しての描写、特に前半と後半の描き分けが個人的にも気に入らずで、自分自身アノーラに対してどう向き合えば、どう見れば良かったのか分からない状態がエンディングまで続いてしまったというのが1番最初に出た感想。
物語前半、アノーラが初めてイヴァンの家に訪れ、セックスをした後、彼女はイヴァンに「あなたって面白い」と言い、「どこら辺が?」とイヴァンが返し「その•••なんか面白いしクール」というようなやり取りがある。
そこになんの具体性もないし、人を褒める時の1個目を出しているだけのような、ただその場凌ぎの取り留めのない会話をしている。
本当に面白い状態は「あなたって面白い」なんて言わず、2人の会話が自然と盛り上がり、持続している状態だと思う。
だからあのシーンはアノーラが気を遣い、イヴァンをお客として接している。
そして、彼から契約彼女になって欲しいというお願いも「いくら払える?」というジェスチャーで答える。
結婚を申し込まれた際も「3カラットの指輪お願いね」と高価な指輪をねだる。
終始アノーラはイヴァンに対し、恋人ではなくお客として接し、愛ではなくお金を欲している。
だからあの結婚は、アノーラはお金、イヴァンはグリーンカード欲しさとただのセックス相手という利害の一致をノリと勢いとラスベガスの雰囲気に呑まれ、幸せな結婚だと勘違いを起こし、欲は渦巻いていたが、純愛で結ばれたわけではないのは目に見えて分かる。
ただ後半のアノーラはお金というより、むしろ愛が故かの様な行動を繰り返す。
その不一致が自分自身どうも納得いかなかった。
まず、アノーラがイヴァンを探すメリットが分からない。
アノーラにとって、婚姻関係が結べていれば良いわけで、その関係を破綻させようとしている連中に道案内をする事と同義にも関わらず、協力することに違和感を覚えてしまった。
1万ドルという額も少なすぎるし。
そして、イヴァンを見つけて開口一番「どうして電話に出なかったの?」と、まるで愛している人が期待に応えてくれなかった、裏切られたかの様な口ぶりで言う。
それを聞いた私は、それがイヴァンを探した理由?アノーラはイヴァンに愛も求めていたの?という考えがよぎり、非常に混乱した。
また、アノーラがイヴァンや母親に離婚を迫られ、すぐに離婚したのも分からなかった。
母親が「少ないお金も、友達も家族も失うわよ」と脅していたが、アノーラが得られるかもしれない財閥の資産という莫大なお金に比べて、リスクが些か小さすぎるのではないかと感じた。あの脅しで飛行機に乗るならば、アノーラが如何に家族や友達を大切にし、失いたくなかったのかを描いて欲しかった。
そして機内での「ただエスコート嬢と遊んでいただけ」というイヴァンの発言に、幻滅と怒りのこもった表情に「バカ息子と離婚出来て良かった」と怒鳴る。
そしてアノーラが婚姻の取り消しに署名する直前、何を期待してか「本当にこれでいいのね?」と言わんばかりにイヴァンを見つめ、その問いかけを拒否するかのようにイヴァンはグラサンをかける。そしてアノーラは殴り書きの署名をする。
後半のアノーラの行動がどうにも釈然としない。
前半の動機とはズレ、後半のアノーラはイヴァンからの愛が当然あるという前提で行動しているようにも見えた。
それはアノーラが「子供の結婚って親は喜ぶものでしょ?両親に挨拶したい」と言っていた通り、愛する2人が結ぶ結婚という、2人がした結婚とは違う、幻想に囚われたが故の行動なのか。お金を私に使ってくれる=愛だと勘違いしての行動なのか、それとも彼女を思慮浅い間抜けな女として描きたかったのか、捉えきれなかった。
その割には、仕事には真面目で、保険や年金など現実問題はしっかり見据え、気丈で勝気、母親に「イヴァンは貴方が嫌いな人を選んだ」と芯を食ったことも言っていた。
アノーラというキャラに、やはりズレが生じていたと感じてしまった上に、彼女は自分自身をどこまで分かっていて、どこまでを分かっていないのか、その真意が曖昧で掴めなかった。
そして、本作の見どころであるエンディング。
彼女が、金も、愛も、人格も全てを金持ちから踏み躙られ、ズタボロに疲弊し帰還したところに、指輪という優しさに触れ、また「おばあちゃの車」という言葉に(彼女がロシア語しか話さない祖母を持ち、ロシア語を理解出来る所から、祖母とよく会話していた、少なくとも愛を持って接していたのではないかと想像できる)何かしらのシンパシーを感じ、セックスを差し出す。そこは理解出来る。
ただ、イゴールがそのセックスに応えたのはよく理解出来なかった。
イゴールはアノーラに対し、終始優しさを持って接していた。ただそれは愛や性欲というよりも、哀れみや同情の類の感情が起因であったように思える。だからあのセックスは断る方が自然ではないか?と感じた。
イゴールのあの行為は衝動的な欲として応えたのか。分からない。
もしかしたら、イゴールは優しさで彼女を抱いたのかもしれない。ただ、優しさで抱いたならば、イゴールからキスを迫った、あの場面は疑問が残り、イゴールというキャラにも若干、ラストに違和感を覚えてしまった。
そして、ラスト彼女の涙。
あの涙は社会的強者に全てを踏み潰された悔しさなのか、人生を振り回された事に対しての怒りや悲しさなのか、キングサイズのベッドでセックスに勤しんでいた生活から、シングルベッドの小さな部屋に、現実に引き戻された虚しさなのか、全ての強がりを抱えきれなくなった、限界を越してしまった涙なのか。
様々な解釈が可能だが、個人的には、アノーラという人物造形に甚だ疑問を抱き、感情移入も出来なかった為か、まぁ正直どうでもいいかなと。
ただ、物語の展開、シリアスになり得る場面をコメディーに変更する、という意外な路線変更も楽しめた上に、4人のセリフの掛け合いや珍道中も非常に面白かった。
また、本作は35mmフィルムで撮られ、その淡さ、質感も非常に綺麗で素晴らしく、4人が浜辺を歩くショットなんかは大変魅力的であった。街中の光の輪郭がボヤけ、表情に深くフォーカスが当たるのも絶妙であり、派手な色使いや選曲も素晴らしかったと思う。
総じて、細やかな画としての描写や、ストーリーの展開は気に入ったが、肝心の映画内に出てくる人物に共感出来ず、描写不足にも感じてしまい、本作を傑作とまでは言えなかった。
いろいろな方の感想や解説を見て、非常に納得でき、自分自身、盛大な解釈違いを起こしていたと感じた為、追記、修正させていただきます。
私自身、後半のアノーラはイヴァンに愛やお金などの何かしらを求めた、正妻としての恩恵を熱望する、離さんとする結婚生活と捉えてしまっていたが、そこが間違っていた。
後半のアノーラの行動は、イヴァンに対してお金や愛を求めていたのではなく、美人局でも何でもない、ただ彼からの素直なプロポーズを受け、自分たち2人が「正当に結んだはずの婚約」に対して、不当に邪魔する者達への抵抗、こんな形では奪われまいと闘う、すなわち人としての権利の主張であった。
だから、アノーラの動機のズレではなく、私自身がアノーラに対して見当違いな解釈のズレを起こしていた。
アノーラがイヴァンを探した理由は「2人でまた話し合いたい」という、2人で決めたはずの結婚に、勝手に介入し阻止しようとする第三者を許すまいとするのが動機であり、「身分不相応、男をたぶらかした、イヴァンは貴方を愛していない」と不当な扱いをした人達に、彼女は激しく抵抗していただけの事であった。
ただ、現実はその抵抗虚しく、資本主義の覇者という巨人に簡単に蹴散らされてしまった。
彼女は、お金とか愛とか人格よりも重要な、根源的な彼女自身の誇りを完全に踏み潰されたが故の、あの涙である。
この映画はロマンスやコメディーという側面もあるが、本質は、1人の女性が自分の扱われ方に対しての尊厳を守り抜こうとした、という勇ましい物語であった。
アホぼんとパワフル姐さんの冒険譚
お金って素敵の前半、やっば自分で立ち上がるしかないの後半。
ロシア系移民のアノ−ラちゃんはN.Yのイケイケストリップダンサー。
帰国を7日に控えて、楽しむぜ〜とアノ−ラ
ちゃんのストリップクラブにやって来たロシア勝ち組オリガルヒのアホぼん、イヴァンくん。
楽しむぜ〜と楽しませてあげる〜が出会って札束ひらひらゴ−ジャスでワクワク冒険の始まり始まり〜
お金があるって素敵爆発の前半。
ついでに結婚しちゃおうか。テンの黒コ−ト、ダイヤの指輪。
パリピな毎日が続く訳なく、ストリップダンサーと結婚だなんて許さん怒りのイヴァンの両親がプライベートジェットでやって来る後半。
浦島太郎の宴の後の侘しさよ。(あ、例えが古かったかしら)
ここで、身分違いなんだから仕方なしと、しおしお引っ込むアノ−ラちゃんではない❗
イヴァンくんにもご家族にご挨拶はいつできるの?と本気を見せてこの結婚チャンスは絶対に掴みとってみせると意気盛んだったのだ。
板挟みのイヴァンくんはスタコラトンズラ。
(板挟みにトンズラなんて、男あるあるですよね)
置き去りのアノ−ラちゃんと両親軍団との攻防は必見❗スラップスティック・コメディ❗
娼婦呼ばわりに断固立ち向かう。
全身で、掴んだチャンスは絶対に絶対に逃すもんかあ〜叫ぶ吠える噛み付く、イヴァン出て来い❗この結婚は本物だよね❗痛ましい程の抗い。
コレは、もう、お金の問題ではない。
私という人間を認めよとの叫び。
蔑されるべき人間ではないとの叫び。
イヴァンくんにあっさり裏切られ、結婚は破棄に。
カッチカッチと車のワイパー音と敗北のアノ−ラちゃんの嗚咽が重なる冒険の終わり。
くっそお〜
きっとアノ−ラちゃんは立ち上がる。
だってあんなにパワフルだもん。
時間潰しにインディ映画監督の低予算でアカデミー賞受賞との情報のみで映画を観ましたが、パワフル姐さんマイキー・マディソン、アホぼんマルク・エイデルシュテインに出会えて良かったです。
アホぼんを非難する声聞こえるけど、憎めないよなあ。
だって、お金持ってんだぞ的な嫌味な奴ではなかったしね。
親の後ろ盾がなければ生きていけない哀しみもあるってことよね。
刺さる人には突き刺さるのでは
話題の作品だったので軽い気持ちで観たら、とんでもなく突き刺さって今もラストが目に焼き付いて離れない。
過去に恋愛で苦しい思いをしたことのある女性にはめちゃくちゃ刺さる作品なのでは。
アノーラはセックスワーカーで売れっ子。
最初に何人か客と過ごす場面があるけれど、あきらかに現実の恋愛対象ではない、キモい男ばかり。
でもその中で、たどたどしい英語で一生懸命自分と話し、口説こうとする年下のイヴァンに出会う。
最初は金持ちのボンボンつかまえてラッキー、くらいだったはず。
アノーラはプロなので、イヴァンが結婚の話を持ち出すまで、あくまでお金稼ぎのための行為であるスタンスを取る。
でも心は最初から、それなりに彼に惹かれているのが表情や態度でわかる。
お金のためでもあるけれど、イヴァンはストリッパーの自分でもちゃんと「可愛い女の子」として接してくれる。それは彼の友達の態度との違いを見ていてもそう。育ちがいいゆえなのかもしれない。
だから結婚することになった時は、本当に嬉しかったんだと思う。なんだかんだ25歳。ちょっと頼りないけど彼が私の王子さまに違いない、と夢をみる。
冷静な大人が見たらそんなわけないと思うことも、恋愛脳真っ只中の人間は、ぜんぶ見て見ぬふり。
だけどきっと心の中では不安だったんだろう。ゲームをしているイヴァンに絡み付くように抱きつく姿からはアノーラの強い「依存」を感じる。
目の下のクマも、彼女の不安定さを表すかのよう。
その不安を払拭するのは彼との享楽的な生活とセックスだけ。
そして案の定、その生活は一瞬で破綻する。
イヴァンが逃げてからのアノーラの態度は、依存対象が突然消えたことによるパニック状態だと思う。
彼女は最初からどこかで不安がある結婚だとわかっていたはず。でもそれを目の当たりにして、認められなくて、どこまでもイヴァンとの結婚続行を求めていく。痛々しいくらいに。
あんな男のどこがいいか、というのは、もはや問題じゃない。依存対象が急に消えるというのは、自分の精神の危機。
もっと言えば、セックスワーカーとして働いてきた自分を一瞬で全否定されるかもしれないという、尊厳の危機。
それをとにかく何とかしたくて、必死にイヴァンを探し、彼との結婚を望み、でも誰一人味方になってくれずに終わる。
アノーラの強いところは、最後、仕事をバカにされて、ふと気づくところ。謝らないイヴァンを見て、相手の本質に気づくところ。
強くて賢い女性だった。
そして最後、結婚指輪を取り返してもらえたのは、やっぱり嬉しかったんだろう。
でも対価としてセックスを差し出すしかないのが悲しい。
そしてその悲しみを理解され、イヴァンに求められなかったキスを求められ、そこではじめて、人としての尊厳を守られることの安堵を感じて泣きじゃくる。
恋愛でぼろぼろに傷ついたことのある女性には、あのアノーラが自分に見えるんじゃないかな。私は見えた。
子供みたいに泣けるのは、ある意味幸せなこと。
強くて賢いアノーラが、この先の人生で幸せになれますように、と心から願いながら帰った。
めっちゃコメディじゃん!!
やっぱり…
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