ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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〇〇がキーパーソン
途中からイゴールがキーパーソンになっていたとは...
イヴァンが脱走したあたりの中盤シーンから、アノーラと一緒の画角に常にイゴールがいるんだけど?と思っていたらやっぱりキーパーソンだったかおぬし🔑👨🦲
イゴール...良い奴すぎない?笑
終始無表情😶の、感情出さない系男子。
それがまた私には逆にインパクトがあり人間味がない感半端なかった、けど、ばり優男(笑)
最後のなに?💍アノーラにこそっと返却するとか痺れたんですけど。カッコ良すぎない?その時も無表情イゴール笑
「イヴァンは謝ったほうがいい」
サラッとナチュラルに無表情で発言するイゴール。かっこいい。
おばあちゃん👵から譲り受けた物を大事にするイゴール。かっこいい。
「助けようか?」とアノーラに言うイゴール。かっこいい。
アノーラが寝に2階へ上がったあともアノーラのベッドに行かないイゴール。かっこいい。
寒そうなアノーラに「首元は温めたほうがいいよ」というイゴール。かっこいい。
飛行機✈️に乗ろうとしないアノーラとイヴァンの母がマウントとりあい口論するシーンでアノーラの方を向き、アノーラの発言を相変わらず無表情で聞くシーン。かっこいい。
この親にしてこの子あり
親はバカ息子と言って息子はバカ親と呼んでいたが...
私からするとバカ親でありバカ息子のバカ親子だと思う。
イヴァンは俗に言う“王子”?
御曹司ってことは王子か。
イヴァンはクズにも程がある🤮
イヴァン役の人、ちゃんとクズ感が出てて引き算の演技が素晴らしかった👏💓
ナチュラルにすごく自然にクズを演じきってらっしゃるのが素晴らしかった👏
生きていることこそが素晴らしい
面白く観たのですが‥
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっていたので数行で短く)
結論的には今作の映画『ANORA アノーラ』を面白く観ました。
ただ今作は、アメリカアカデミー賞・作品賞とカンヌ映画祭・パルムドールをダブル受賞していて、期待値が高過ぎたのもあり、残念ながら私的事前の期待値は超えて来なかった印象は持ちました。
理由は、ストリップダンサーの主人公・アノーラ(マイキー・マディソンさん)は、高額の愛人契約を結んだ後にロシア人のイヴァン(マーク・エイデルシュテインさん)と結婚するのですが、その後のイヴァンの両親が差し向けた手下からのイヴァンの失踪や以降の展開が、主人公・アノーラの生活近辺で完結するなど、そのスケールの小ささにあったとは思われました。
ロシア人のイヴァンの両親の振る舞いも、現実のロシアのメタファーにも感じましたが、現実のロシアのプーチン大統領やその周辺で起こって来た何百人にも及ぶ怪死や殺害事件を思えば、現実を超えられておらず、映画としてのインパクトは残念ながらなかったとは思われました。
そう私的思われた要因の一つに、今作が、日本の邦画で良く観るスケール感とストーリー展開に似ている点もあったと思われます。
逆を言えば、このスケール感は欧米の人にとっては新鮮さがあったかもしれず、日本の邦画も今後、評価される可能性が開かれているとも思われました。
ただ、今作ラストの、ロシア人イヴァンの両親の手下の部下・イゴール(ユーリー・ボリソフさん)に指輪を返却された時の、主人公・アノーラの行為と涙は、相手への感謝の気持ちをその行為でしか表せない彼女の現実と自覚を表現していて、このラストの涙の着地だけで今作が優れている事を証明しているとは、一方で僭越ながら思われました。
少し期待しすぎた...
最初の30分ほどはスピード感があって良かったけど、しょうもないドタバタが長い。娼婦がどうこうよりも、金持ちの描き方が典型的。
俳優たちの演技には迫力があるが、本当に面白みがわからなかった。
振り回されて、信じた自分もバカだったってぶん殴りたくなるような話。だから最後のシーンは印象に残る。
純愛になるのかと、少し展開を期待しながら観てしまったが、本当にただのバカ息子だった。
バカとかどうこうより、若いね、って感じ。
吹替はおすすめしません
ふーん、これが受賞ねえ。もっと他にいい映画あったと思う。
笑える?笑えない。泣ける?泣けない。切ない?そうでもない。
と、全くはまらなかった私。
吹替でみたら主人公の声の人がひどくて、いままでもありましたよね、こういうパターン。
プロの声優さんで観たかったです。
これまでのショーン・ベイカー作品と比較して、話の筋としては分かりやすい映画だなー、と思ってたら、やっぱり意外なところに着地する、まぎれもなくベイカー監督の現時点での集大成的な一作
これまでのショーン・ベイカー監督の作品と同様、アノーラ(マイキー・マディソン)をはじめとする本作の主要な登場人物たちは、「お上品な」方々が眉を顰めるような仕事をしてるし、その上人間性も割とアレな場合が多いんだけど、でもやっぱり力のある者にいいようにされるがままでは終わらない、という意地と誇りを持っています。
もちろん様々な読み取り方のできる作品なのですが、そんな「人間としての尊厳」への確信が、確かに本作にはあります。
アノーラを中心として展開する物語は、『タンジェリン』(2015)や『フロリダ・プロジェクト』(2017)などの既存の作品と比べると、比較的物語の枠組みがつかみやすく、なんだったら少しくらいなら先を読んでしまえる話、でもあります。
で、まぁそうなっちゃうよね、という展開を経て結末近くに差し掛かったところで、語り手の視点は急速に、アノーラとある登場人物の関係に焦点を絞っていきます。
展開としてはやや予想外、ではあったのですが、ベイカー監督がこれまでの作品で繰り返し語ってきた人間観を考えると、この描写には強い必然性を感じました。
その意味で本作は、間違いなくベイカー監督の現時点での集大成的作品だし、パルムドールやアカデミー作品賞を獲得するにふさわしい、軽快だけど深みのある作品でした!
なお、『タンジェリン』でも登場した、口論していく中で、失言、言葉尻の取り合いでどんどん状況が悪化していくという、笑っちゃうんだけど地獄のような居心地の寸劇的場面が入るんだけど、作劇としては一層巧妙になっていて、やっぱり苦笑い!
相性が良かっただけの話
ショーン・ベイカーによる格差社会の描出
ロシアの超富裕層大金持ちの息子イヴァンと貧困層セックスワーカーのアニーとの関係性を描写した映画だ。
イヴァンとアニーは風俗店で知りあい、アニーはイヴァンを単なる金持ちの客としか思っていない。プライベートで指名され性行為をしても、なんら感情の変化もなく表情を崩さず、あくまでも金を得るための仕事という割り切った態度を一貫してたもっていた。
しかし高額な金額での一週間の専属契約をして豪華な洋服を買ってもらい、贅沢な食事、高価なお酒、ラスベガスまで行っての豪遊、連日のバカ騒ぎパーティー、まさに夢のような一週間を満面の笑みで過ごした。その間の肉体関係においてアニーに快楽の表情があらわれ、まるでイヴァンを愛しているように変化していく。
専属契約が終わろうとしたラスベガスでの最後の夜、イヴァンは突然アニーにプロポーズする。アニーはすぐ同意し結婚をする。アニーはイヴァンを愛していたし愛されていると思っていた。
二人の前にイヴァンの家族から結婚を認めないと断言され、イヴァンのお目付け役トロス、ガーニック、イゴールの3人が、イヴァンとアニーを監視しようとする。イヴァンはアニーを置いて一人逃げていく。アニーはイヴァンを追いかけようとするが、イゴールとガーニックに阻止される。暴れるアニーの手首を縛るイゴール。アニーはイゴールに悪態をつく。しかしイゴールは暴力を振るわないし、アニーに対する優しい眼差しを向け続ける。イゴールのアニーへの視線はアニーと自分に向けられている。同じ貧困層にしかわからい悲哀の視線で。
トロス、ガーニック、イゴールとアニーの四人は、イヴァンの行方をとにかく追跡する。イヴァンのスマートフォンに電話してもつながらず、彼が行きそうなところをしらみつぶしにあたっていく。イヴァンドタバタ追跡劇は、悲しい「コメディ映画」の様相に変化する。アニーは愛しているイヴァンが自分を置いて逃げたことに怒りを持って探している。トロス、ガーニックは、自分の保身のためイヴァンを確保するために探している。そしてイゴールはアニーをひたすら気遣う。追跡する目的がそれぞれ完全にバラバラにズレてるから悲しい喜劇にしかならない。
またアニーとイヴァンのズレも明快だ。アニーが知っているイヴァンは、金持ちの息子で一緒にいて楽しいだけで、それ以外のイヴァンの本性を知らない。確かなのはアニーは、自分だけ逃げようとしてアニーのことをつゆとも考えずイヴァンに放置されたことだ。ここにアニーとイヴァンの愛に対する完全なるズレが生じ、放置されたアニーの悲劇にしかならない。
ショーン・ベイカー監督はこの映画でどんなメッセージをなげかけたのか。それはまさに格差社会の実態の描出である。金さえ出せばなんでも許されてしまう超富裕層の大金持ちの社会と、セックスワーカーのような貧困層から這い上がることが難しい社会の対比をしている。このまったく異質な階層を同列に描写するとしたら、シンデレラストーリーしか手立てはなかったと感じる。
ショーン・ベイカー監督は、このシンデレラストーリーに三人の人物像を浮き彫りにした、イヴァンは、金持ちの単なる息子でしかない。彼は何も生み出していない。イヴァンを徹底的にバカ息子扱いすることによって、結婚すら金持ちの道楽にしてしまった。それはイヴァンが母親に「彼女は俺のエスコート嬢だ。ちょっと遊んで何が悪い」と言い放つシーンに集約されている。
一方アニーに対しては、夢見た女性像にしている。貧困のどん底から這い上がれる千載一遇のチャンスに賭けた。純粋にイヴァンを愛して。しかし男を見る目がなかった。貧困のどん底から天国へ駆け上がりまた貧困のどん族にまいもどってきた女性として描写している。
そしてイゴール。彼はアニーと同じ貧困層に生きる人間として、アニーの悲劇を優しいまなざしを向け続けるまさに庇護者として描写している。
セックスワーカーをヒロインにするために、ショーン・ベイカーは。思い切った性行為の描出を余儀なくされた。それを全身全霊で応えたマイキー・マディソンの演技は、素晴らしく輝いていた。彼女の演技なくしてこの映画は成立しなかった。性行為だけでなく、とことん気が強く、イヴァンの母親にぶつける強烈な皮肉は、彼女の勝気さとプライドの表出である。そして自分自身の行為の愚かさと、現実社会のぶ厚い壁に押しつぶされた限りない弱さを隠していた。
ショーン・ベイカー監督がもっともマイキー・マディソンに託したのは、この隠していた弱さの表出であり、アニーという殻から抜け出しアノーラからただよう切なさとともに、かぎりない美しさにあふれたラストシーンに結実していた。
理不尽さを描いてるけどそこまで悲観的じゃない
ほろ苦い現実。
よくみるとポスターのガラスはひび割れているんですよね。
前半のシンデレラストーリーから(のっけから行く先不安しかないが)、一転ロードムービー風になる。一見、なんの共通点もなさそうな四人の珍道中になるが、この四人は「誰からも省みられない」立場にあるという共通点があるのではと思いました。
ちっぽけなプライドにひびが穿たれ、そこから痛みがじわじわとくる感覚。
世の中の理不尽さに社会すべてに憤り、アノーラという仮面をつけて、全身全霊で、がつがつとぶち当たりに行く姿に共感した。
アノーラは、職業人としてイゴールに奉仕したけど、イゴールはアニーの心を求めた。
二人に未来があると信じたい。
涙が止まらない
予告と公式のあらすじを見て思い描いていた映画とは、
3つの点で大きく違った。
まずは、全体のつくり。
環境音以外の音楽は、最初から最後まで一切ない。
つまりは、ドキュメンタリー風味。
カメラも手持ち多し。
次に、構成。
第1部から第3部までに勝手に分けちゃうと、
第1部は「アニーのお仕事編」。
その詳細が緻密に描かれる。
「あの行為」の客観的に見た時の滑稽さがわかるほど、
ベタつきなく描かれる。同時に、アニーが(やむなき)「プロやなあ」ということが分かる。
3つめは、ストーリー展開。
第2部で、まさかあんな展開になるとは、
思ってもいなかった。
そしてこの第2部が、
ワタクシには大好物で、
終始クスクス、ワハハと笑いどおし。
ここから先は、
ネタバレ気味。
* * *
「親バレ」後、
お坊ちゃま君がいきなり家出したあとの、
長年子守役をしてきたおっちゃん及び
その手下のボディガード2人対
アニーの「たたかい」(ここはカギ括弧をつけたい)と、
なぜかそのあと呉越同舟で
お坊ちゃま君を探すロードムービーが、
一挙手一投足、台詞のいちいち、
隅から隅まで面白くって。
さらには、
お坊ちゃま君の両親が自家用ジェットで駆けつけた第3部。
母親との闘い(ここはまさしく「闘い」)の推移(と周りの対応)がまた見もので。
そしてそして、
あの彼の台詞と行動、
途中からある程度予想はついたけど、
その予想を超えてきて。
と思いきや、アニーは、
やっぱり「プロ」根性というか職業病が抜けなくて。
ここからは、
完全にラストのネタバレ。
* * *
ラスト、
職業病的対応をして、
相手が「心通じたか」と思って反応しようとしたら
職業的反射的拒絶反応が出ちゃって、
でもほんとのラスト、
それを自覚して。
きっとこれで、アニーの、
フロリダ出身で、ディズニーとシンデレラが憧れだったアニーの、
いや、本人は「アニー呼び」にこだわってたけど
「俺は、アニーよりアノーラの方がいいと思う」
と言われたアノーラの、
心のどこかしらが、
ほどけたに違いない。
今思い出しても、
涙。
そこで、タイトルが出る。
アニー、ではなく、
Anora
と。
さらにさらに、涙涙…
「It's a good name.」
前半は、おままごとの時間。時折息継ぎをする様に宙を見つめるアノーラ。対するイヴァンの目は散漫で何も見たくないと訴えている、目を合わせようとすればサングラスの後ろに逃げ込んでいく。どちらも目の演技がうるさく観ていて少し疲れる。親の描き方、アノーラとイヴァンの抱える葛藤、どちらも古典的。だが、葛藤の現れ方が今の時代を上手く表現しているので、荒唐無稽な設定なのに妙に身近に感じる。
後半、使いっ走りの男三人とアノーラがイヴァンを探し回る。何処かコミカルで虚脱的でアキ・カウリスマキやジム・ジャームッシュを思い起こさせる。
そして終盤、2時間程過ぎた頃から漸く物語が動き出す。最後、イゴールに跨ることで気持ちを表現するアノーラ。その姿はとても切なく悲しい。確かに、人はそんなに簡単に変われないよ。それでも、イゴールが隣に居てくれたら、アノーラの未来は決して暗くはないんじゃないかなと思える。無音のエンドロールを見ながら、残響の様にそんな事を考えていた。
結論、戦士イゴールは偉大なり
セレブリティの酷薄さ
ショーン・ベイカー最高傑作
個人評価:4.4
最高に人間味あふれる、ちょっと変わった恋愛ロードムービー。
この監督はどうしてこんなにもキャラクターを描くのが上手いのだろう。
キャンディー屋の老人や、レッカー車の若者など、一瞬しか登場しないキャラクターでも、どんな人物像かが滲み出ており、そしてどこか愛くるしい。
登場人物が全員人間臭く、ドキュメンタリーのように物語を描けており、そこがこの監督の力量である。
またアノーラも素晴らしくキュートでファンキーに描いており、すぐにこのキャラクターの事を好きになっている事に気付かされる。
過去作にも見られるフワフワとした気持ちいい演出が本作にも施されており、まさにショーン・ベイカー最高傑作である。
キュートで凄みのあるマイキー・マディソン。時折、ワンハリ出演時の表情が垣間見え、個人的にはニンマリポイント。
オスカーにも輝き、とてもいい物語でした。
「2024年パルムドール」
ボルテージマックスでオープニングを迎えて興奮状態そのものの雰囲気か...
ボルテージマックスでオープニングを迎えて興奮状態そのものの雰囲気から、エンドロールでは全くの無音になって鎮静化された心地になる、全くすごい映画だなと思った。
乱痴気騒ぎの場面は時間もテンポもどんどんカットされて勢いよく進んでいくから、特に内容がないことがわかるように見せているのに対して、後半部分は、一般的な映画では切り取られるであろう細かいやりとりや手続きを省かないで撮り続けるから心の動きが少しずつ丁寧に伝わっていく。途中の口論のシーンの長さが多分その蝶番をしているのだと思う。だから、始めと終わりで全く違う温度になっているが、観ている方はシームレスに違和感がない。
こういうのが映画体験なんだろうなと思った。
前半のパリピシーンがとにかく長くて退屈だが、中程にスクリューボール...
生きる女性
喜びも辛さも経験してきた女性を通して描くシビアな現実社会での生き方。
どの世界にもあるだろう詰みそうな人生(盤上)からの起死回生の男と信じて進もうとする姿、そして自分を見失わずもがくことで活路を見出していく女性の生き様が素敵でした。
そしてシリアスかと思いきや、かなり派手なやり取りや笑えるシーンもあり良かった。
キャストの演技は良いが、それ以外は普通
教養のないアニー、甘やかされたボンボンのイヴァン、中間管理職のトロス、ヘタレチンピラのガルニク、寡黙なイゴール、冷酷な母親であるガリーナ等、演じる俳優はそのキャラクターにバッチリハマっている。しかし筋書きは終始ドタバタ劇で視聴者の予想範囲内から外れず意外性がない。演出も特段秀でているわけでもなく、楽しめない映画ではないが期待しすぎると肩透かしを食う。
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