ANORA アノーラのレビュー・感想・評価
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ボルテージマックスでオープニングを迎えて興奮状態そのものの雰囲気か...
ボルテージマックスでオープニングを迎えて興奮状態そのものの雰囲気から、エンドロールでは全くの無音になって鎮静化された心地になる、全くすごい映画だなと思った。
乱痴気騒ぎの場面は時間もテンポもどんどんカットされて勢いよく進んでいくから、特に内容がないことがわかるように見せているのに対して、後半部分は、一般的な映画では切り取られるであろう細かいやりとりや手続きを省かないで撮り続けるから心の動きが少しずつ丁寧に伝わっていく。途中の口論のシーンの長さが多分その蝶番をしているのだと思う。だから、始めと終わりで全く違う温度になっているが、観ている方はシームレスに違和感がない。
こういうのが映画体験なんだろうなと思った。
前半のパリピシーンがとにかく長くて退屈だが、中程にスクリューボール...
生きる女性
喜びも辛さも経験してきた女性を通して描くシビアな現実社会での生き方。
どの世界にもあるだろう詰みそうな人生(盤上)からの起死回生の男と信じて進もうとする姿、そして自分を見失わずもがくことで活路を見出していく女性の生き様が素敵でした。
そしてシリアスかと思いきや、かなり派手なやり取りや笑えるシーンもあり良かった。
キャストの演技は良いが、それ以外は普通
教養のないアニー、甘やかされたボンボンのイヴァン、中間管理職のトロス、ヘタレチンピラのガルニク、寡黙なイゴール、冷酷な母親であるガリーナ等、演じる俳優はそのキャラクターにバッチリハマっている。しかし筋書きは終始ドタバタ劇で視聴者の予想範囲内から外れず意外性がない。演出も特段秀でているわけでもなく、楽しめない映画ではないが期待しすぎると肩透かしを食う。
喜怒哀楽の「発露」
面白かったです。
前半のシンデレラストーリーは全く輝かしいものであり、映像を通しても華やかでした。
特に、二人がイチャイチャするシーンでは本当にカメラを意識させない自然体なお芝居が印象的でした。
一転、後半はドタバタ劇として映画館で声を出して笑えてしまうほどの内容のものでありながら、物語は失踪した夫を探す新規軸がきちんと整備されており、彼がどこにいるのか、なぜ彼が失踪したのかというサスペンス性をも内包していた点が集中力を欠かせない大きな要因であったように思いました。
また、終盤の口論にしても物語の帰結にしても、アノーラという女性の強さと弱さの両面を激しさと静かさをもって映し出している点においても素晴らしく感激しました。
ラスト、あの表情のアップショットのカットバックは息を呑むほどの瞬間瞬間が刻まれていました。
カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞したアメリカ現代のシンデレラストーリー
映画好きの友人に誘ってもらって映画館で観ました。
終わった後の感想は、「面白かった!」
140分という短くはない時間でしたが、描写が切り替わるスピードが早くてあっという間。
憧れではなく、現実、と書かれているように、本当に現実で、ジェットコースターのように一瞬の出来事で、圧巻でした!
個人的には、主人公アノーラが、どんな状況に置かれても、
誰に対しても、自分を貫こうとする姿勢に感動しましたし、
その努力が叶わなかったと気付いた時に流した涙に、私も涙が出てきてしまいました。
マイキー・マディソンが凄すぎる!
シンデレラストーリーにしては危ない橋を渡るなぁとヒヤヒヤさせられ、
長期的にみたらイゴールの言うとおり、一族に入らなくてよかったと思いましたが、
めいいっぱい情を尽くしてきた本人としては悔しいだろうなと感情移入してしまいました。
ショーン・ベイカー監督の他の映画も気になるので、観てみたいと思います。
機内上映で見ていい作品だった??
なんだかんだ心に残る映画
鑑賞後1ヶ月以上経ってしまいましたが、ラストシーンの余韻が今も残っています。
「プリティ・ウーマン」を引き合いに出していたのですっかり騙され、途中までくだらない映画だと思いながら見ていました。2人に愛がないのは明らかで、勢いで結婚したバカップルの話なのか、と。
その後の珍道中も個人的には楽しめず、どう終わらせるのかと思ったところへあのエンディング。音楽の無いエンドロールも相まって忘れられない1本になりました。
性の奉仕でしか感謝を表現できず、イゴールからのキスを拒み泣き崩れる姿が哀しい余韻を残しました。
鑑賞後にポスターをよく見ると、カップルではなくアノーラにフォーカスした構成なんですよね。そして下部には不穏なひび割れ。ポスターからして「プリティ・ウーマン」とは全く違いましたね。
喜怒哀楽ジェットコースター成人映画
脚本演出撮影演技、高い芸術性
そして娯楽性が両立した類まれな作品
昔の映画からたくさん研究し、学んで見事にアップデート!
50年代のクラシック白黒ドラマ劇作、70年代ニューシネマのロケーション夜間撮影、いいとこどり!
裸のままシーツにでんぐりがえりして入る!
この粋な表現たら!
ところどころに洗練されたものが光る
しかし、実際存在するワーカーさんを傷つけないため、
今村昌平みたいに、綿密なリサーチに基づき作られたらしくかなりの社会派作品です
フロリダプロジェクトもそうでした
背景地理場所で起きてもおかしくないこと、リアリティ
ですが、映画の面白さ、虚構性を忘れてはいません!
そして、田中登の㊙️色情めす市場の芹明香のような
ヒロインのまぶしいばかりの魅力!
映画は、強烈なアクトレスがひとりいれば
あとはどうにかなるものですが
対する男たちもなんのその
味わい深く、おかしく、かなしい、愉快な奴ら!
ワンダとダイヤと優しい奴ら、
カサヴェテスなどなどありますねー
滲むのは、おおらかな父性
母性だけでは、女がつらいよ、悲しすぎて
ショーンベイカー監督は、女囚さそりだけでなく
日活ロマンポルノ、結構観てそうな感じがします
”ファニーな3人組”
2024年制作(アメリカ) 監督:ショーン・ベイカー 点数:4.0
< あらすじ >
ストリップダンサーとして働いているアノーラ(愛称:アニー)は御曹司イヴァンと出会う。アニーはイヴァンと店外でも会うようになり、1週間の彼女になることを契約、ラスベガスでの旅行を経て結婚するに至る。
しかし、イヴァンの両親にそのことが知れ、結婚をなかったことにするために男たちが送り込まれる。両親もアメリカから来ることになり、両親から逃げるイヴァンと彼のために振り回されるアニーと男たち。結果、2人の結婚はなかったことになり、アニーは短い夢に涙する。
< 感想 >
鑑後感はスッキリとしたもので、面白かったと思える作品だった。
特にトロス、ガルニク、イゴールの3人組が振り回される様がファニーで最高だった。
過剰すぎるくらいに間抜けで強引ではあったけれども。
ただ、アニーがイヴァンと結婚するのを決めるシーンにはあまり納得がいかなかった。
イヴァンを金づるとしてしか見ていないと思っていたのに、アニーにとって、彼女契約を結んだ1週間は結婚してもいいと思うほど幸せだったのか。
最後のシーン、イゴールに体を預けるアニーの心情は正直あまりピンとこなかった。
終盤での悪態をつきあいつつも仲よさげな2人の関係性は良かったが、ラストシーンにモヤモヤが残る部分があった。
うーん🤔
ラスベガスもロケ地に出てくるから、けっこうハイテンションで激しい話し?とは思っていたけど、たしかにハイテンション、あり得ないような豪邸に暮らす彼氏。典型的なお金持ちのボンボン息子ではあった(笑)お金持ちゆえに、ほんとに女性に惚れるとかはなさそうだし、寂しいからゲーム?実際ゲーマーだし、それで契約結婚した感がした。たしかにお金は大事よ。けど彼女置いて逃げ出した時点で弱いでしょ。
あっさり捨てんのね。そして最後に車の中で泣く、あたし何やってんだろ?悲しくはなるよね。送ってくれたこの人とは⋯親しくなることもないか⋯
この映画にコメディは必要なかったのでは?
三谷幸喜?
アカデミー賞作品賞が気になる人におすすめ
私には理解できない作品だった。
アカデミー受賞作品なので期待して観たが、どこが受賞するに値する映画なのか、最後まで分からなかった。
要するにロシアの新興財閥(おそらく)の親に甘やかされて育ったぼんぼん馬鹿息子に、ストリッパーを含め周囲の人間が振り回されるだけの物語ではないか。どこが評価されたのだろう。私には理解できない映画だ。主演女優の熱演はわかりますが。
まぁ、アメリカのストリップバーの実情が知ることができて、その部分だけ0,5加点した。
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