「底の浅いドタバタ劇と安っぽいメッセージの組み合わせ」ANORA アノーラ ブレッツェルさんの映画レビュー(感想・評価)
底の浅いドタバタ劇と安っぽいメッセージの組み合わせ
全然おもしろくなかった。前半、登場人物の描き方がステレオタイプ過ぎて興味を惹かない。彼ら彼女らの行動の心理的な必然性が弱いので、理解も共感もできず、物語に入り込めない。主人公は単に金目当で大金持ちのボンボンとくっついたとしか受け取れない。
途中からドタバタ劇になるが、みな大声でわめき続けるワンパターンな展開でしらけるだけ。わめけば問題が解決すると皆思っているのか? ユーモアのかけらも感じられない。
最後は一転してシリアスな終わりかたをするが、取って付けたようにしか感じられなかった。描き方もどこかで見たような既視感のある演出。
総じて、脚本、演出、美術、演技、音楽、どれも私にはまったく合わなかった。
コメントする