「結構笑えた。。よ?ね?!」ANORA アノーラ ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
結構笑えた。。よ?ね?!
やっと観たよアノーラ。
ショーン・ベイカー作品なので一応は観るリストに入れてはいたが、フライヤーのビジュアルから想像していたのは、アメリカンドリーム的なお話しかと思っていたので、やや気が進まずにいて。。
未だノーアザーランドの余韻冷めやらぬ状態で、気持ちが追いつかなかった。
(ノーアザーランド、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞しましたね。
これを機に多くの方が目にしますように)
だけどみなさん高評価。
監督も先日来日しましたね♪
パルムドール、こないだのアカデミー賞も多数受賞でしたから、やっぱり行っとくかって事でレイトショー。
私がよく行く家から近くの劇場は、いわゆるシネコンなので、アカデミー賞とかあんまり関係ないのかな?
もうレイトショーのみの上映(°▽°)
(シャラメのディランも1日1回。
春休みになたよー通常通りワンオペ。
行けそうにない( ̄∇ ̄)
で、予想に反して結構笑っちゃったんですけど、だっ!大丈夫ですか?!
たまたまお隣さんが外国の方で、その方と笑いのツボが同じで安心したんですけど、だっ!大丈夫ですか?!
裸ん坊イヴァンのでんぐり返しや、強制終了となったあの時のイヴァンのパンツのシルエット、教会から抜け出すトロスや、彼との電話中からの、みんな勢揃いでアニー拘束の一連のシーンとかねw
屈強な男2人!
ロシア人の用心棒(ギャング)って怖そうだから、イゴール(ユーリー・ボリソワ)とガルニク(ヴァチェ・トヴマシアン)が到着し、イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)も逃げて行った後、トロス(カレン・カラグリアン)の命令でアニーちゃん(マイキー・マディソン)が酷い目に遭うんじゃないかと心配でしたが、逆にあんな事にw
アニーの名セリフからのパパんの爆笑には、こちらもつられ笑い。
2人でゲラゲラやっちゃったw
そんな気が合う私達だったが、でもよ??
私は今日開始30分前、ギリにチケット取ったわけ。
その時点での予約は後ろ側2席だけだったの。
ヨシヨシ♪余裕でいつもの真ん中列真ん中席取って、伸び伸び鑑賞!のはずが。。
入ってびっくりその外人さんが隣ら〜(°▽°)
やっぱり気ぃ合う〜٩( 'ω' )و
いや!!ちがうちがう!!!
何でわざわざ隣りを取るんーー!!
さすが自由の国の人。
わびさびとかナイ。
ワレが見たい席で見るんじゃい。
2リットルコーラ持参で着席してきた!
コラッ!
ソソソーっと2つ移動しましたm(__)m
で、なんだっけ?そうそうアノーラ。
アニーって呼べなのね、了解です!
とにかくね、アニーを演じたマイキーマディソンちゃんがキュートでしたね。
感情をむき出しにするシーンの台詞回しもお見事だったし、豪快な大立ち回り、暴れっぷりも本気!
そして、文字通り身体を張ったシーンは女のワタクシから見てもセクシーで綺麗で魅力的で惚れ惚れバディでした。
この役が、白人のブロンズの、ボン!キュッ!ボン!のグラマラスなアメリカンじゃなかったのも個人的に受け入れやすかったです。
いや、勿論素晴らしいプロポーションなんですけども、いやらしく生々しく見えなかったのも彼女だからだったと思います。
(エマちゃんもそうだけど、あまり肉々しくないのが見やすいわ)
時折りアニーがアジア人っぽく見えたりしました。
で、バカ息子!これぞバカ息子!のイヴァンを演じたマーク・エイデルシュテイン君。
もうバカ息子過ぎてそこだけに目が行きがちで、終始呆れちゃうんだけど、イヤイヤ演技力高い!!!
(個人的には超可愛かったわ〜)
ラリってる時、泥酔してる時の何ともいえない目の演技、表情仕草も巧かった。
ティーンネイジャーでもあるまいし、バカ騒ぎのパーティやホテルでもやりたい放題。
親の金使いまくる。
全くもう。。呆れるのも通り越した感情になったが、実際の(一部の)セレブジュニア達のリアルを見せられているようで、大きなため息が。。
マークお見事!
シラフでゲームに夢中な時の様子なんて、何を言っても聞いちゃいねー!
うちの子を見ているようだったw
まだまだ"ガキ"のイヴァンがアニーに夢中になっていくのもよくわかりましたね。
そして、アニーはイヴァンのお金目当て、イヴァンはアニーとのセックス三昧で、お互いオイシイ7日間を過ごすだけのはずが。。。
結婚しちゃったからさぁ大変!!!
デーデン!デーデン!デデン!!!
ロシアからやってくるぞ父ちゃん&鉄仮面母ちゃん!!!
前半の裸祭りから一転。
後半は厳しい現実が!
これがリアル?!?!
前半のドタバタ劇やセックスシーンに目が行きがちですが、そんな中でもしっかりとアノーラの人となり、気持ちの変化が描かれているのが素晴らしい。
そして、イヴァン家の側だったイゴールの、アニーに対する心境の変化もさりげなく見せてくるのがニクい演出。
所々でアニーに対して優しいセリフや行動をとっていましたね。
アニーにサイコパス呼ばわりされていて不憫でしたw
人種・職業差別、移民問題、貧富の差など、社会問題の闇に切り込みながらも、重くなり過ぎていないのは、アニーが自分の意見を誰にでもバンバン言い放っているから爽快で、階級差別に抗う姿が深刻になり過ぎていないからだと思った。
ベイカー監督は、いつも弱者やマイノリティの側にいる人々の人生を切り取って見せてくれるが、単に可哀想な人達という見せ方で終わらせず、美化もしないが見下したりもしない。
そちら側の人達にも優しく寄り添う。
本作も、セックスワーカーを生業として生きるアノーラを、生き生きと、魅力的に描いていた。
きっとどんな人達(職業)の事もリスペクトしている方なのだろうと感じた。
そして、そんな彼女らとは真逆の地位を手にしているロシアの大富豪一族。
お金も地位もある成功者なのだろう。
しかしあの人達は、人として大切なものを何一つ持っていなかったという皮肉。
そんな奴らにやっぱり負けてしまうアニーが可哀想だった。
プロポーズされた時、何度も何度も確認していたアニー。
幸せを掴みたかった。
今の生活から抜け出せるかもと僅かに夢見た希望もやっぱり砕け散ってしまった。
一生懸命に頑張っていたアニー。
悲しい経験にはなってしまったけど、イゴールがいてくれて良かった。
イゴールが人として普通で、側にいてくれて良かった。
イゴールまじいい奴!
さすがおばあちゃんっ子!
大人の余裕も感じたが、昨日で30歳か〜い!
かなり歳下だわ(°▽°)
最終的には、人として豊かなのはアニーの方であって、本当の幸せを掴むのはアニーの方だと信じたいし、そうである事を望む。
あの指輪も売っぱらっちゃいな!
幸せになって欲しい。
私はアニーを応援する。
外は雪が降っている。
車のワイパーの音だけが規則的に聞こえてくる。
そこからあの静かなエンドロールに続く渋さよ!
ここでいちいち野暮なセリフを言わせないのが良い映画!
観客は、これだけで、充分に、アニーとイゴールの気持ちに寄り添う事ができるのです。
余韻を残す素晴らしいエンディング。
すっごい好きなエンディング!!
この10分足らずのシーンだけで、観る価値がある作品でした。
こちらもコメントありがとうございます! 僕もアノーラ大好きです。タランティーノとショーン・ベイカー。俺も含めて基本的に「梶芽衣子を崇拝する」人間に悪い奴はいないと思っています(笑)。
共感、コメント有難うございました!私も映画館でたまたま隣が外人さんのカップルでして。その男のほうが、アニーが飛行機のタラップ(でしたっけ?)のところでイヴァンに酷いこと言われ決定的に振られた際に「ハッハー!」的な高笑いしたのが印象的だったです(笑)。こんなの不幸のうちに入らん、笑い飛ばしたれ・・・と言えるくらいの度量を持ちたいものです。
コメントありがとうございました。
>いやらしく生々しく見えなかったのも彼女だからだったと思います。
これほんとそうでした!細いからでしょうかね。
>重くなり過ぎていないのは、アニーが自分の意見を誰にでもバンバン言い放っているから爽快で、階級差別に抗う姿が深刻になり過ぎていないからだと思った。
絶妙の匙加減ですよね。押しつけがましくない。でも伝わってくる。
>最終的には、人として豊かなのはアニーの方であって、本当の幸せを掴むのはアニーの方だと信じたいし、そうである事を望む。
共感の連打です!
人に簡単に勧めずらい良作品てのが逆にナイスだと思うしアカデミーも懐が広いなとは思わされましたよ!(まだ観てないけど作品の内容とか考えると教皇選挙が最多受賞の確率が高かったんだとおもいますし😇)
コメントありがとうございました。
自分も、ゲラゲラ笑いましたよ😆
ラストで、評価が爆上がりして、席を立てなくなってしまう見事な作品でした。
ワイパーの音が耳に残りますね。
コメントありがとうございます〜
笑えた、笑えた😂
今作もゆきさんのレビューも!
アノーラみた日からなんだか腹筋鍛えたくなった私。(腹筋だけではどうにも足りないんだけどね)
いやホント魅力的なアノーラでした。それまでのクッタクタの喧騒とは別世界のしんしんと降る雪の静寂。際立ちましたね〜。
アノーラのなかの太陽と月をみるような時間でした。
でんぐり返しの時、オ◯ン◯ンも風車のように回るのかと、目を凝らしてしまったのは私だけではないはず!
とか思ったりしたのですが、演出が巧みなので、それまでの描写による若さゆえのおバカな雰囲気にコチラも取り込まれていたのですね。
気持ちよく完敗した気分です。
あの鋭角に尖ったこんもり具合に若さを感じたわ
って、コメントまで18禁になるじゃないのよ❗
私はずっとくすくす笑いでした
ラスボス・ママのど迫力にも笑った。
そして、イゴールに惚れました
アニー、一人でよく頑張ったねって、よしよししてあげたいです
ゆきさんコメントありがとうございます。沢山笑える映画でしたよね!頑張れ~、儲けましょう!楽しいね~、まさか~、仮の幸せ~?、そして怒りと叫びと落ち込みと落ち着きと静けさの涙。ジェットコースター映画とは言いたくない、若い時ってこんなだよ、職業や立場や生まれがどうだって!って思えたかな、私は。監督は細かい所も渋い演出で本当に笑えました💕