「ディスる文化」ANORA アノーラ SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
ディスる文化
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けっこうエグいシーンも多く、映画俳優ってここまでやるんかー、と驚いた。
貧しいながらも頑張ってる主人公が大金持ちと結婚できてハッピーと思いきや、ひどい目にあう、という展開がなんとなく落語みたいだなー、と思った。
この映画は最初から最後まで、お金持ちに対する憎悪をつのらせる展開になっている。
前半では自分自身の能力は何も無いのに、親が金持ちだというだけで調子にのってるボンボンのバカさ加減にいらつき、後半では親の傲慢さにヘドが出そうになる。
この映画って、ほとんどずっと誰かが誰かを罵倒してる。あらゆる立場の人が、自分以外の人を罵り続けてる。金持ちの息子も、親からは馬鹿だと言われ、使用人からも陰口を言われている。その息子も、親のお金で無双状態でいられるのに、親を憎んでいる。でもこれが社会の実相なんだろう。
一人では生きていけないか弱い生物である人間が、集団でお互いに助け合うために社会をつくりあげ、分業した社会の中で互いに感謝しながら生活すべきはずなのに、実際には、エッセンシャルワーカーとか、生産者とか、社会に不可欠で大変な仕事をしてる人ほど給料が安く、お金を運用して資産を守るだけの人が、お金の力を自分の力と勘違いして、贅沢な暮らしをして、エッセンシャルワーカーを蔑む。
いったいいつからお金持ちがエラいってことになったんだろう? このままじゃ人類ほろぶなー、って思った。
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