「アホぼんとパワフル姐さんの冒険譚」ANORA アノーラ りいさんの映画レビュー(感想・評価)
アホぼんとパワフル姐さんの冒険譚
お金って素敵の前半、やっば自分で立ち上がるしかないの後半。
ロシア系移民のアノ−ラちゃんはN.Yのイケイケストリップダンサー。
帰国を7日に控えて、楽しむぜ〜とアノ−ラ
ちゃんのストリップクラブにやって来たロシア勝ち組オリガルヒのアホぼん、イヴァンくん。
楽しむぜ〜と楽しませてあげる〜が出会って札束ひらひらゴ−ジャスでワクワク冒険の始まり始まり〜
お金があるって素敵爆発の前半。
ついでに結婚しちゃおうか。テンの黒コ−ト、ダイヤの指輪。
パリピな毎日が続く訳なく、ストリップダンサーと結婚だなんて許さん怒りのイヴァンの両親がプライベートジェットでやって来る後半。
浦島太郎の宴の後の侘しさよ。(あ、例えが古かったかしら)
ここで、身分違いなんだから仕方なしと、しおしお引っ込むアノ−ラちゃんではない❗
イヴァンくんにもご家族にご挨拶はいつできるの?と本気を見せてこの結婚チャンスは絶対に掴みとってみせると意気盛んだったのだ。
板挟みのイヴァンくんはスタコラトンズラ。
(板挟みにトンズラなんて、男あるあるですよね)
置き去りのアノ−ラちゃんと両親軍団との攻防は必見❗スラップスティック・コメディ❗
娼婦呼ばわりに断固立ち向かう。
全身で、掴んだチャンスは絶対に絶対に逃すもんかあ〜叫ぶ吠える噛み付く、イヴァン出て来い❗この結婚は本物だよね❗痛ましい程の抗い。
コレは、もう、お金の問題ではない。
私という人間を認めよとの叫び。
蔑されるべき人間ではないとの叫び。
イヴァンくんにあっさり裏切られ、結婚は破棄に。
カッチカッチと車のワイパー音と敗北のアノ−ラちゃんの嗚咽が重なる冒険の終わり。
くっそお〜
きっとアノ−ラちゃんは立ち上がる。
だってあんなにパワフルだもん。
時間潰しにインディ映画監督の低予算でアカデミー賞受賞との情報のみで映画を観ましたが、パワフル姐さんマイキー・マディソン、アホぼんマルク・エイデルシュテインに出会えて良かったです。
アホぼんを非難する声聞こえるけど、憎めないよなあ。
だって、お金持ってんだぞ的な嫌味な奴ではなかったしね。
親の後ろ盾がなければ生きていけない哀しみもあるってことよね。