「It can be said, a modern version of Pretty Woman.」ANORA アノーラ K2さんの映画レビュー(感想・評価)
It can be said, a modern version of Pretty Woman.
But ⅰt's not a Cinderella story. More realistic, charming, and but really sad. Anyway, I like it!
現代版プリティウーマン、またはマイフェアレディと言えなくもない。しかしリチャード・ギアもジュリア・ロバーツも、ましてやオードリーヘップバーンも出てこないし、終始現代的、現実的なストーリーにおとぎ話要素ほぼゼロ。しかし、観客はとにかく頑張るアノーラを応援したくなる。
アカデミー主演女優賞は確かにわかる。しかし作品賞に相応しいのか?(ちょっと心配) そういう風に持ち上げて美化(?)してしまうには、この映画が描く(主人公の)現実世界はダークすぎるかも
前半はシンデレラストーリー、中盤はドタバタコメディ、そして終盤は...。139分と短くはない映画ですが、テンポよく進むストーリーと個性的な、そして憎めない登場人物達に引き込まれ、一気にエンディングまで退屈せずに観られます。
中盤から暴力シーンが少なからずあるものの、コメディの域を出ないドタバタに留めて"バイオレンス"にはならない絶妙な仕上がり。この映画全体の印象を軽やかにして、"ロマンティックコメディ"(中身は全然そうじゃないけど)を上手く成立させています
「ロシア人大富豪の放蕩息子が勢いでNYのストリップダンサーと結婚」という設定が"現実的"かどうかはさておき、登場人物のキャラクターやプロットがしっかり作り込まれていて、シチュエーションごとの言動や出来事にリアリティが感じられます。まさに、よくできた映画という感じ。
ラストシーンは好き嫌いが別れるかもしれませんが、私は気に入りました。主人公の境遇や人格、人生を否定も肯定もせず、ありのままに描いているように見える。それが悲しくも美しい(と言えなくもないような...)。