「辛口です」ANORA アノーラ rul2kさんの映画レビュー(感想・評価)
辛口です
クリックして本文を読む
色々あって見事繰り上げ当選を果たした本作
夫はもう1人の主人公だ、みたいなズレた意見は置いといて(ツーショットシーンでのピントの置き方やあまりにもステレオタイプなキャラ造形でそこに意識は置かなくていいよ、という意図がわかる)、主人公は最初は割と受け身の大人しい印象だったのが、玉の輿のチャンスに喰らいつく行動力を見せ始めてから印象が変わります。
夫のお目付け役達が来てピンチになってからもその行動力を見せるのですがあまり状況が良くならず、これも意図的なのかもう1人の主人公とも言える若いお目付け役の青年に意識が向くようにしています。
言われた任務はこなすが割と傍観者的なこのキャラクターを通して主人公を観ると、憐憫とも尊敬とも取れる複雑な感情で見える様になってきます。
最後は結局事態が好転せずハッピーエンドにならないのですが、音楽無しのスタッフロールで鑑賞者に君はどう思う?みたいに考えさせるようにしています。
多分監督の考えはラストシーンのお目付け役の彼の行動が全てだったのだと思いますが、女性から見てこの映画はどうだったのか気になるところです。
私は締め方が良ければ全て良しのタイプなので音楽無しのエンディングがあざとくて冷めちゃいました。
お目付け役の人はロシア映画では主役級の割と有名な人なんですね。
コメントする