「イゴールの30歳の誕生日は最悪か」ANORA アノーラ Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
イゴールの30歳の誕生日は最悪か
脚本賞、編集賞、監督賞を受賞して何度も登壇するショーン・ベイカー。愛想の良さそうな笑顔を振り撒いていたが、主演女優賞、作品賞も獲って5冠を達成した。
アカデミー賞受賞式の直後に受賞作を観ると言うのもあまり無い事なので、時間がピッタリだった「アノーラ」をMOVIX川口で5部門受賞1時間後に。
NYでストリップダンサーをしているアノーラ(マイキー・マディソン)は、ロシア系アメリカ人でロシア語が判る事から店に来たロシア人の富豪の息子イヴァンの相手をする。ロシア語が通じてアノーラを気に入ったイヴァンは自宅までアノーラを出張させる。
アノーラにハマったイヴァンは、週1万5千ドルで契約彼女にするが、友人達とラスベガスに繰り出し羽目を外した勢いでアノーラと結婚式を挙げてしまう。
アメリカ人の娼婦と結婚したと聞きつけたイヴァンの両親は怒り心頭で息子を離婚させロシアへ連れ帰るためアメリカまで来る。アノーラは抵抗するのだが…。
さて、どんなものかと小雪舞い散る中、川口まで出かけたが、脚本賞、編集賞を獲った割に前半が長い。また、4人で逃げたイヴァンを探す所もテンポが悪い。
結局婚姻は無効とされ、手切れ金1万ドルを受け取ったアノーラは家に戻るが、家まで送って来たロシア人の用心棒イゴール(ユーリー・ボリソフ)の不器用な優しさに触れハグされたまま泣き崩れる。
イヴァンとアノーラを別れさせるために付いて来たイゴールが、イヴァン一家のアノーラに対する扱いを見てアノーラに同情して行く様が切ない。
アノーラは気付いていないが、イヴァン一家にアノーラに謝るべきだと主張したり、黙って酒をついだグラスをアノーラに渡したり、NYに戻る飛行機の中でアノーラにブランケットを掛けてあげたり、2本のタバコに火をつけて1本をアノーラに渡したり。
最後にトロスに取り上げられた4カラットの結婚指輪を「トロスに言うな」と彼女に渡すのだ。
ハグしたままの二人に車の窓に降り積もる雪、ワイパーの音だけで映画は終わる。
助演男優賞にノミネートされたユーリー・ボリソフが印象的だったが、彼だけ受賞出来なかったのが残念。どこかで観た顔だと思ったら「コンパートメントNo.6」の男だった。
しかし、18禁でアカデミー賞5冠か。
外は雪混じりの天気とはいえ、キャパ210の劇場に観客は3人だけだった。
おまけ
家に帰って来てチェックしたら3月8日に来日して新宿で監督の舞台挨拶があるじゃないか。売り切れ間近だった。
コメントありがとうございます。
私も、ショーン・ベイカー監督が、見せていたという
「女囚701サソリ」をみました。
関連がまるで分かりませんが・・・。
おっぱいの数だけが似てましね。
前情報を知らなくて、どんでん返しの映画だったんですね。
助演男優賞ノミネートも知りませんでした。
アノーラには共感ゼロです。
性風俗の仕事は精神的なダメージが大きいですね。
梶芽衣子!タランティーノも愛する女優!ドラマ「きのう何食べた?」てしろうさん(西島秀俊)の母親役が素敵です。着物きてお料理が上手でしろうさんの料理好きも母親譲り!楽しい新宿ピカデリーだったでしょうね!
Mr CB2 さんは舞台挨拶、行かれなかったんですか?梶芽衣子、今いくつなんだろwww
でも、あんなにオスカーもらったら、どこかで落としてもわからない…ってこたないですねwww
ホントそうですね。
主演はアノーラですが、一番の存在感があったのはイゴールですね。
おばあちゃんの車ってところにもきっと優しい孫だと勝手に思ってます。
コメントを頂いたりレビューを読ませて頂いてだんだん私の思いが変わってきてレビューに付け加えをしました。
ありがとうございました。
共感とコメントありがとうございます。
イゴールの優しさがとっても良かったですね。
観終わった時はアノーラがどうしても受け入れられなかったのですが、時間が経つにつれ作品自体は良いものだと思えるようになりました。
イゴールがマフラー渡したり
細かい事にめちゃくちゃ気が利きくタイプだったりするし細かい微表情とかも凄かったし演技もホンモノっすね! まあラストの10分くらいのアノーラとの会話のやり取りのあの車のシーンは凄かったっすよ🫡
賞の効果って大きいんですね。今回は私がいいなあと思った映画が受賞してよかったな、嬉しい!ですが。色々な考えもあるでしょうがANORAの「R18」、やめて欲しいです。性的なシーンゆえなんでしょうが、日本の映画では暴力とか大騒音にはすごく甘いですよね。「ロード・オブ・ザ・リング」は確か子どもも見ることできたようですが、ドイツでは何歳か忘れましたが子どもは見ていけない映画指定だと、リング・ファンのドイツ人友達が言ってました
共感とコメントありがとうございました。
昨日、雪で車が渋滞し、全く動かない状況になったのですが、アノーラのラストシーンを思い出して、心穏やかにその状況を楽しむことができました。いいラストシーンでしたね。
あのラストの静けさが、前半の騒がしさを何となく意味のあるものにしてるような気がします。
初めから意図していたのか、編集の時に浮かんだアイデアなのか、単なる偶然か。