「2025年度アカデミー作品賞!」ANORA アノーラ Alejandro Gillickさんの映画レビュー(感想・評価)
2025年度アカデミー作品賞!
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アノーラ役のマイキー・マディソンの演技が凄まじい。アカデミー主演女優賞も納得の好演だった。
イゴール役のユーリー・ボリソフも好演を披露。映画を観た誰もがイゴールを好きになると思うほどに魅力的なキャラクターを演じ切った。
中盤の長尺に渡る怒号の応酬はコミカルで引き込まれるし、アルメニア人たちもみんな個性的でモブ感がないのが良かった。4人で街にイヴァンを探しに行く展開はロードームービーっぽいし、アノーラを時折気にかけるイゴールが可愛い。
〜ラストシーンの個人的な解釈〜
今まで客としてしか男性と接して来なかったアノーラは、イゴールからの見返りを求めない優しさに困惑してしまう。性的な快楽を与えることでしか男性と関わりを持ったことがなかった彼女は、イゴールに対してもそのようにして好意(もしくは感謝?)を表現しようとする。しかし、彼にキスを求められると、彼女は男性からの優しさや愛といった未知なるものへの恐怖からか、はたまた今まで目にしてきた男性の醜い欲への嫌悪からか、それを拒絶する。そして、我に返ってそのことを自覚し、真に心を許せる男性の胸で感情を爆発させる。
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