劇場公開日 2025年2月28日

「ポップでキュートでゴージャスでビター」ANORA アノーラ まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ポップでキュートでゴージャスでビター

2025年3月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

現代版「プリティーウーマン」リアルバージョン、爽快でハイテンションでビターでした。

突然娼婦から大富豪の妻になるシンデレラストーリー、現実はそんな上手くいくわけねーだろと言われた感じ。アニーはとても魅力的だし頭も良いけど、やっぱり普通の若い女の子で、そりゃ舞いあがっちゃうし冷静ではいられなくなる。多分、頭では分かっていたけど、認めたくなかったんだろうな。
本作は予想よりもポップでユーモアたっぷりで、娯楽作品として楽しかったです。全ての元凶であるイヴァンのチェリーボーイ感たっぷりのバカ金持ち息子っぷりや、ガルニク&トロスが社畜過ぎてどんどん不憫に思えてきたり、イゴールが一歩引いて第三者の感覚で見ていて激情するアニー達に冷静に対応しようとして逆に罵声を浴びせられる感じとか、ラストのご両親登場(特にママ)のいかにもな感じ。全部絶妙で、何やってんのと思わず笑っちゃいました。

そしてアニーの表情もまた勿論素晴らしかった。序盤のセックスや会話での全然楽しくなさそうな笑顔とか、プロポーズされてからの「マジで玉の輿イケた?!」的な半信半疑の浮かれ方とか、絶対逃さないとブチギレてイヴァンを探すも電話に出もしないことから色々察して夢から覚めていく陰り方とか、全てがリアルで共感できるものでした。

若くてキラキラ輝くアニーは可愛くて美しくて魅力的だけど、男性に奉仕してお金を得るセックスワーカーが故の、無条件に優しさを受け取れない様が哀しく憐れで、なんとも言えないラスト。でも、同時に納得感もある。イゴール…頼んだぞ。

まだまだぼのぼの
momokichiさんのコメント
2025年3月2日

>男性に奉仕してお金を得るセックスワーカーが故の、無条件に優しさを受け取れない様が哀しく憐れで、なんとも言えないラスト。

なるほど、確かに。。。響きました。
悲しい。。

momokichi