「頑張れ、アノーラ‼️」ANORA アノーラ 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
頑張れ、アノーラ‼️
ニューヨークでストリップ・ダンサーをしているアノーラは、職場でロシアの富豪の御曹司であるイヴァンと知り合い、「契約彼女」として彼と過ごすうちに、衝動的に結婚してしまうが・・・‼️「プリティ・ウーマン」のようなシンデレラ・ストーリーかと思ったのですが、全然違ってました‼️この作品は、一人の女性が己の幸せを勝ち取るため、様々な障害を前に全力で奮闘する映画‼️そしてそんな主人公アノーラを全力で応援したくなる、人生賛歌な映画‼️映画はアノーラとイヴァンが知り合い、二人でパーティー、ショッピングなど贅沢三昧の末に衝動的に結婚してしまうまでの前半と、イヴァンのアメリカでの世話役や両親たちなど、二人の結婚に反対する者たちとのドタバタが展開する後半に分けての構成‼️前半はアノーラの仕事ぶりや、イヴァンとの贅沢三昧の日々が、音楽や華やかな映像でPOPに展開‼️ギリギリの生活をしながらも、活き活きと人生を楽しんでるアノーラがホントに魅力的ですね‼️そしてイヴァンとの出会い‼️最初は明るく誠実なキャラだったイヴァン‼️ところが後半、両親がアメリカに来ると知ったイヴァンの変貌ぶり‼️甘やかされて育ったワガママなだけのクソガキだと分かった時、アノーラはイヴァンとその両親、そしてその腹心らを相手に、自らの幸せを摑もうと宣戦布告‼️階級差別や職業差別、偏見といったモノに必死で抵抗するアノーラ‼️物語の根底には、そんな深ーいテーマがあって考えさせられます‼️そしてそんなアノーラに寄り添う腹心の一人、イゴール‼️アノーラは、愛、不信、怒り、裏切り、戸惑い、安らぎといった様々な感情を経て夢破れる‼️ラスト、車の中でイゴールに跨がって泣き崩れるアノーラの涙は夢破れた涙か⁉️それともイゴールという存在を意識し始めた涙なのか⁉️アノーラの夢が別の形で実現するんじゃないかなぁと思わせられるステキなラストでした‼️
あの終わらせ方、観客に自由に作品を解釈させる楽しみも感じることができました。あまり周りにいないタイプのキャラですが、自分の中の差別意識とか規範意識とかを赤裸々にする作品でした。
イゴールはいい奴だと思います。アメリカのあの豪邸ももともとはイゴールの祖母の家だったとかなんとか言ってませんでしたっけ?紆余曲折あり苦労している30歳の男性。「昨日が僕の誕生日」だった、とポツンと言うところ、よかったです!