エミリア・ペレスのレビュー・感想・評価
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ゾーイ・サルダナが主役でいいんじゃないでしょうか
ミュージカル映画だけど無理やり歌う感はなかった。
自然に歌い出している感じがあったと思う。
この映画カルラ・ソフィア・ガスコンが主役でアカデミー賞も主演女優賞に
ノミネートされたけど助演女優賞受賞のゾーイ・サルダナが主役と言っても
過言ではないほど飛び抜けていた。
と言うかゾーイ・サルダナが主役でいいんじゃないでしょうか。
すごい立場になった弁護士を熱演し歌も素晴らしかった。
それにしてもメキシコってやっぱりヤバいですよね。
すごい国だと改めて認識しました。
最後にセレーナ・ゴメスってこんなもんでしたっけ?
MY Oscar goes to.....
女性の一生
悪事による大金を稼いだ人間が、
本当の自分を求めて肉体改造して新たな人生をはじめ、
それでも家族との生活も求めたり、
以前の悪事を悔い人のために活動したりしながら、
惹かれる存在に出会ったり家族のなかにジレンマが生じ、
「私が感じるものが私」なんて気付きながらも、
譲れない想いに抗ったために、
「偶然」とは言えない人生の終焉を迎える、
そんな一生を軽快に、ドラマチックにみせられました。
・マニタスが手術を終えたとき
・リタが一旦依頼をやり遂げたとき
・エピファニアが夫の死を知らされたとき
・リタが最後にエミリアの子を抱きしめたとき
それぞれで女性たちがみせた泣き笑いが印象的でした。
また、見た目は変えられても匂いは変えられない、その匂いにジェシーが気付けていたら、なんてことに考えさせられました。
同じく、女性の自分探しを描いた「アノーラ」とも重なりましたが、ストーリーとしては本作の方が上だったかなーと評価しました。
作中の歌唱、音楽も良い雰囲気をつくってくれていました。
助演女優賞?
フランス映画とは思えない
もし◯◯組の組長が…
意外性の連続の展開がプラス➕ポイント
炎上騒動まで巻き起こした、“注目され過ぎた一作”
【イントロダクション】
メキシコの麻薬王が、性転換手術によって女性として生きる姿を描いたミュージカル映画。
監督・脚本には『ディーパンの戦い』(2015)で第68回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞のジャック・オーディアール。
主人公エミリア・ペレス役には、トランスジェンダー俳優のカルラ・ソフィア・ガスコンが、性転換前の麻薬王マニタスと2役を演じる。
第97回アカデミー賞最多12部門13ノミネート。助演女優賞(ゾーイ・サルダナ)、歌曲賞受賞。
【ストーリー】
メキシコで弁護士として働くリタ(ゾーイ・サルダナ)は、職務上明らかに有罪である人物も弁護せねばならず、裁判で勝訴するだけの日々に疑問を抱いていた。妻殺しの犯人に問われた人物を弁護し、明らかに他殺である事件を事故と主張。見事勝訴を勝ち取ったが、自らの行為に疑問を抱き、マスコミの取材を受ける当事者達を避けてトイレに逃げ込む。
ふと、リタのスマートフォンに着信が入り、新聞屋台を待ち合わせ場所に指定する。怪しみつつ屋台に向かったリタは、突如背後から黒い布袋を被せられて拉致される。
拉致された先で彼女を待ち受けていたのは、麻薬カルテルのボス、マニタスだった。彼は、幼少期から女性としての性自認を抱えており、しかし麻薬カルテルの世界に身を置かざるを得ない境遇から、愛する家族にさえ、その思いをずっと隠し通して生きてきたのだ。彼は2年前からホルモン療法による性転換手術の準備を進めており、リタに性転換手術の手配をして欲しいと依頼する。200万ドルの報酬と引き換えに、リタは弁護士業の傍ら、各国を回って担当してくれる医師を探した。
無事に担当してくれる医師を発見し、リタは医師と共に帰国。マニタスは女性となる準備を整え、息子2人と妻のジェシーには「身に危険が及ぶから」という理由でスイスに移住させる。
手術は無事成功し、マニタスは女性としての人生を手に入れる。
「私は、エミリア・ペレス」
4年後、イギリスで新たな人生を歩んでいたリタの前に、マニタスはエミリア・ペレスとして現れる。彼女は、離れた家族と再び一緒に生活する為、再びリタに手配を頼みに来たのだ。
リタは、エミリアがマニタスの親戚だという事にして、マニタスの家族を再びメキシコに連れ戻す。ジェシーはエミリアが夫のマニタスだとは気付かず、突如として現れた彼女からの待遇に不満を抱きつつ、新しい生活をスタートさせる。
ある日、リタとエミリアは街で行方不明となった息子を探すビラ配りをしている女性と出会う。マニタス時代に犯してきた罪に心を痛めたエミリアは、リタの協力を得て行方不明者を捜索する組織を立ち上げる。エミリアは一躍、民衆のヒーローとして称賛されていくのだが…。
【感想】
本作を表すに相応しい言葉は、“運命”だろう。それは、リタの前にエミリアとして現れた彼女の言葉にも象徴されている。
「これは偶然ではない」
自らの死を偽装し、一度は永遠の別れを告げたはずの家族を再び求めてしまうのも、かつての罪から慈善事業を行うのも、かつての妻と衝突し、その果てに命を落とすのも、彼女の人間的な「弱さ、脆さ」が招いた運命に他ならないのだ。
また、マニタスとして麻薬カルテルを率いてきた以上、例えエミリアとして新しい人生を得、かつての罪と向き合うかの如く行方不明者捜索の組織を立ち上げようと、正しい法の裁きを受けずに行う慈善事業は、自らの罪を清算する事にはならないのだ。悪人が善人の皮を被ろうと、善人になれるわけではない。狼は狼なのだ。これは、トランスジェンダーとは無関係の問題である。
そんな本作で描かれる末路に、私はあまり新鮮さや魅力を感じなかった。「実際のトランスジェンダー俳優を起用する」という話題性こそ十分かもしれないが、その強烈なフック以外は凡庸な物語の域を出てはいなかったように思う。
エミリアが、男性性と女性性、2つの性の狭間で苦悩する中盤以降の展開は理解出来る。ジェシーに女性らしい振る舞いで探りを入れる瞬間の、裏に確かに存在する男性、夫としての嫉妬心は本作ならではの名シーンだろう。
しかし、その末路が単なるボタンの掛け違いによる破滅に収まってしまったのは残念でならない。
但し、中盤でエミリアがエピファニアとの不倫関係を始める直前のやり取りには大いに笑わせてもらった。
行方不明となった暴力的な夫との再会を恐れるあまり、鞄にナイフを忍ばせていたエピファニア。彼女の苦労を察知し、再会を約束して返す際の「本当にナイフ持ってるの?」というエミリアの問いに対して、ナイフを見せるエピファニア。すかさず、エミリアは懐に忍ばせたシルバーのゴツい銃(デザートイーグル?)をチラ見せする。
コメディチックながら、あの瞬間にこそ「結局、長い年月によって育まれた人間性は変わらない」という皮肉が満ちていた気がするからだ。
自身の人生や仕事に疑問を抱きつつ、マニタスとエミリアに協力し、「私はもう40歳。(エピファニアと不倫関係を持つエミリアと違い)まともに恋愛すら出来る状況じゃない」と発言したリタが最後まで報われないというのは、あまりにも不憫だ。
ただし、そうしたリタの末路とは裏腹に、演じたゾーイ・サルダナがオスカーを受賞した事はめでたい。
マニタスが女性に変わるまでの展開は、コメディチックに描かれており、ミュージカルパートの開始を告げる瞬間の、ラップミュージックのようなアップテンポで畳み掛ける台詞回しも独特で面白かった。
ただし、「ミュージカルとしてのクオリティーは高かったか?」と問われると、特段優れたミュージカルではなかったように思う。
それは、歌曲賞を受賞した『El Mal』を使用したミュージカルパートについても同じである。エミリアが始めた慈善事業の表彰パーティの参加者が、曲の展開に合わせてロボットのように精密な動きをし、停止するというビジュアル的な面白さはあったが。
ところで、歌曲賞を受賞した『El Mal』だが、YouTubeの公式動画のコメント欄では、「まるでGoogle翻訳で作詞したかのよう」「これが本当にアカデミー賞?」といった具合に大いに荒れている様子。
【考察】
では、何故本作がアカデミー賞の最有力候補にまでなれたのか?
それは恐らく、近年のアカデミー賞が掲げる「多様性」への配慮に他ならないだろう。
主演のカルラ・ソフィア・ガスコンが、作中のマニタス=エミリアと同じ“トランスジェンダー俳優”である事、メキシコの抱える麻薬問題とそれに関連した行方不明者を扱った社会風刺という“政治的な側面”、ガスコンをはじめ、ゾーイ・サルダナやセレーナ・ゴメスという“女性中心のストーリー”と、賞レースで注目を集めるに十分な要素が詰まっているのだ。
ガスコンが主演女優賞を受賞すれば、「史上初のトランス女性の受賞」としての話題性も抜群だ。
事実、アカデミー賞の前哨戦とも呼ばれるカンヌ国際映画祭では、審査員賞、女優賞、サウンドトラック賞を受賞。続くゴールデングローブ賞では、作品賞をはじめ最多4部門受賞の快挙を成し遂げていた。
しかし、アカデミー賞のノミネート作品が発表された直後の1月下旬に、事態は一変する。他でもないガスコン自身による、Xでの過去の不適切発言の数々の発覚によって、炎上騒動が巻き起こったからだ。ガスコンはアカウントを停止し、いくつかの場で謝罪したが、アカデミー会員から手のひら返しを食らうには十分だった様子で、結果は2部門受賞に終わった。
アーティストや俳優に、必ずしも崇高な精神性を求めるものではないとは思うが、近年のアカデミー賞の傾向からすると、この騒動はあまりにも看過出来ない事態だったのだろう。
また、アカデミー賞の受賞には、それまでの映画祭での製作陣・俳優陣による投票者へのアプローチも重要視される。
先述した通り、私は本作がアカデミー賞最多受賞する可能性があったとは思えないのだが、もしかすると、「ノミネートまではさせるが、受賞するほどの作品ではない」と、騒動前から思っていたアカデミー会員も一定数居たのかもしれない。
騒動があろうと無かろうと、どちらにせよ、本作が成し遂げる偉業は、そう多くはなかったような気がするのだ。
【総評】
極めて賞レース向きな題材、出演者をチョイスしながらも、ガスコンによる炎上騒動含め、悪い意味で「注目され過ぎた作品」だったのかもしれない。
ガスコンによると、ジャック・オーディアール監督は、初期プロットでは“警察の追跡を逃れる為に性転換手術を受ける”という、本作以上にコメディ寄りの作品を想定していたらしく(ガスコンの提言により、軌道修正された)、そもそものスタートからして偉業を成し遂げるには足りないものが多過ぎたのかもしれない。
またミュージカルか
超異色のミュージカル
惜しいなぁ、楽曲がもう少しレベル高ければ…
友人が激しく推してくるので鑑賞しました。
なんといったらいいか
自分の趣味とは少しずれていましたが
かなり凝った作りの映画ですね。新しい。
この「新しい」をベテラン監督が撮ったのはすごいです。
ベースはミュージカルでありながら
ヒューマンドラマでありサスペンスであり
ストーリーが進むにつれ先が読めない作品です。
まだ、整理がついていないのでタラタラ書けないですが
映画ファンなら、ぜひ体験してもらいたいですね。
体感ですが、歌のシーンは全体の3割くらいなので
ミュージカルが苦手な人(多いですよね)も気にならないかと。
1つ不満があるとすれば
ミュージカルシーンの楽曲や演出が
気持ちよく入ってこなかった点ですね。
ここが良ければ★4だったのになぁ。
これネフリ制作なのに日本では劇場先行なんですね。
傑作。大傑作。 アカデミー獲るならこっちだろ! 野心に満ち溢れてる...
惜しい作品
そんなことより、音と映像を愉しむ映画である。
弁護士リタは、メキシコの麻薬カルテルのボス、マニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタの完璧な計画により、マニタスは姿を消すことに成功。数年後、イギリスで新たな人生を歩むリタの前に現れたのは、新しい存在として生きるエミリア・ペレスだった…。過去と現在、罪と救済、愛と憎しみが交錯する中、彼女たちの人生が再び動き出す⸺(公式サイトより)。
ミュージカル映画の醍醐味は、役者に語らせると臭くなったり、興ざめしたりするような科白でも音楽と歌詞なら成立するところにあるが、弱点は、現実で突然歌い、踊り出すことはあり得ないところにある。よって、ミュージカル演出を、だれに/どこに/どうやって挟むかが、めちゃくちゃ重要となる。
高い能力を持ちながら守銭奴の上司のもと、社会正義を全うしきれない女性黒人弁護士のリタや、トランスジェンダーに苦しむ麻薬王のマニタス、麻薬王に支配されて生きてきた妻のジェシー等、声にならない声を持つ登場人物にミュージカル演出にはうってつけである(関係ないが、その意味で、「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」は、ジョーカーもリーも、ミュージカルでなければ届かない「声」の持ち主とは必ずしも言い難いので、いまいち変に感じるのである)。
作中でのミュージカル演出の挟みどころや映像も見事である。1ショットの長回しや照明、音楽、完璧にシンクロしているダンスなど、心の声が巧みに表現されている。特に冒頭のリタの内省や、性転換手術に関してアジア系医師に取材を行う場面、パーティーでリタがテーブルに乗って出席者を糾弾するシーンなどは初めての映像体験と言っていい仕上がりだ。
反面というかなんというか、ストーリー性やメッセージ性、登場人物への共感や投影は二の次である。登場人物が結構わがままで、思いつきや感情のままに突飛な行動に出たりするので感情移入しづらく、ドキドキハラハラや緻密なストーリー展開というわけでもなく、メキシコの社会情勢もあんましピンと来ないので怖い国だな、くらいにしか思えない。そんなことより、音と映像を愉しむ映画である。
ちなみに、主演のカルラ・ソフィア・ガスコン自身が、トランスジェンダー女性であることを公表しており、性別適合手術を受けている。トランスジェンダー俳優として、初めてカンヌ女優賞受賞やアカデミー賞ノミネートを達成する一方で、過去の差別的な発言が掘り起こされ大きな騒動となり、プラマイするとマイナス優勢で終わった。
小気味良いミュージカル仕立てがNICE❣️
トランスジェンダーの麻薬組織ボスが人生やり直す物語😳
奇抜な設定で展開にも少し無理があったけど、中南米の熱い空気感🇲🇽と、小気味良いミュージカル仕立て🇺🇸が楽しめる、フランス色ゼロのフランス映画でした~🇫🇷
様々な要素が混ざり合ってぐちゃぐちゃになりそうでならない、絶妙なバランスの観たことない作品。
皮肉と切なさがある
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