「エミリアはお父さんの匂いがする」エミリア・ペレス アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
エミリアはお父さんの匂いがする
メキシコには行ったことはない。まぁまぁの中所得国で陽気で明るい国民性だが、貧富の差もあり犯罪発生頻度は高く特に麻薬関連の犯罪が多い国のイメージである。なのでメキシコを舞台にした映画やドラマは麻薬とそれに絡む銃撃戦ばかりが描かれる。
この映画も元麻薬王が主役だが、そのテーマは異なる。悪の限りをしてきたマニタスは2年前から密かにホルモン注射をし女性になる準備をしており、弁護士のリタをスカウトし彼女の完璧な計画により性転換と自身を死んだと見せかけ生まれ変わることに成功する。これだけで展開力だが抜群だが、それを更にミュージカル仕掛けで観せる。そして4年後、ビジネスが成功してるように見えるリタの前にマニタスからエミリア・ペレスになっていた「彼女」が現れる。生まれ変わったとは言え家族が恋しくてたまらないエミリアはマニタスのいとこと嘘をつき妻と子供と同居する。何とか秘密がバレませんと思うが、息子はエミリアが懐かしいお父さんの匂いがすると言う。さらにエミリアはかつての自分の罪を償うように慈善活動に邁進する。そしてその後、色んなことが起きて、遂にはかつての妻と悲惨な末路に、、。
自業自得の最後だったのかとも思うが、エミリアがもっと心も体も別人になり奇跡のファンタジーの世界に入っていってもよかったのかと思ってしまいます。
オスカーは「アノーラ」が獲ったが、断然この「エミリア・ペレス」の方が良かったなぁ、。
humさん、コメントありがとうございます。そうですね。大好きな子供に自分の存在をわかってもらえた瞬間だったんですね。ラストも結局、妻に2人の思い出を話してましたしね。
talismanさん確かに「アノーラ」「エミリア・プレス」「サブスタンス」はどれもぶっ飛んだ映画でしたね。逆に「教皇選挙」「名もなき者」は王道の映画。どっちのジャンルも好きですけどね、。
「アノーラ」公開が先だったので「アノーラ」が沢山の賞をとって嬉しかったし今でも好きな映画です。でも「エミリア・ペレス」は今までのミュージカルとも異なる新しいジャンル映画で、かなり感動しました。この映画と「サブスタンス」にはぶっ飛びました!