「秀逸なる脚本とずば抜けた演技に魅了!」エミリア・ペレス ヘマさんの映画レビュー(感想・評価)
秀逸なる脚本とずば抜けた演技に魅了!
作品内容だけでなくポスターのキャッチコピーすら見もしないで鑑賞したものだから、聞き慣れない外国語(スペイン語)が飛び交っての、シリアスな社会法廷劇と思いきや、いきなり女弁護士が踊りだすミュージカル演出が差し込まれ、さらにマフィアのボスに拉致されてのクリミナルサスペンスに展開していき、作品の土台がわからず(まーこれは自業自得)、冒頭から翻弄されまくり。
ところが、そのマフィアのボスが「性転換をしたい」という設定が出てきてからの、怒涛の展開が面白くてたまらない。
大事なのはコメディータッチではないこと。
「トランスジェンダー」の苦悩をしっかりと描きながら、テーマの重さをミュージカル調の演出で軽やかに伝えていく。
さらに舞台となるメキシコの「麻薬戦争における大量の行方不明者」の社会問題にもスポットを当てて、果敢に切り込んでいく剛腕な脚本に、心底痺れました。
なるほど、主役のひとりであるカルラ・ソフィア・ガスコンさんはトランスジェンダーなんですね。どおりで女性らしさが見事なはずだわ。
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