「あの子たちにはまっとうに自分らしく育ってほしい」エミリア・ペレス sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
あの子たちにはまっとうに自分らしく育ってほしい
もしミュージカルじゃなかったらどうだったかなと鑑賞中不遜にも考えていました。
ミュージカルシーンは斬新にいろいろ工夫されていたし、パフォーマンスも良かったのですが、非ミュージカル部分で高まった緊張感やテンションが、フッと緩和されてしまうというか、ちょっと冷却されてしまうように感じました。
素材としては充分刺激的なものだし、名匠ジャック・オーディアールを持ってすれば、ドラマとしての更なる掘り下げでワンランク上の傑作に仕上げられたのではないかなあ。
ゾーイ・サルダナはアカデミー賞に値する素晴らしい演技とミュージカルパフォーマンスでした。真面目で有能そうな立ち振る舞いにプラスして、あの少し憂いを含んだ表情がなんとも良いですね。
ただ、ラストのエミリア奪回のシーンの武装組織の精鋭を集め先端の銃器を揃える強めの描写が、結局は「力には力で」と私には映ってしまい、少し興醒めしてしまいました。勿論リタも大好きなエミリアを何としても助けたく、そういう描写にせざるを得なかったのでしょうが。
以上いづれもあくまで個人の意見ですのであしからず。
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ノーキッキングさんのコメント
2025年4月10日
リタの変節を言っておられると思うのですが、私の理解では、『ラテンの血はモラルより濃い』です。
その昔、サッカーワールドカップでブラジルが負けた時、ショックを受けた母親が乳飲み子を窓から放り投げて殺してしまった。そして裁判の判決は、無罪! 理由は『ブラジルが負けたんだからしょうがない』でした。