「タイトルなし(ネタバレ)」エミリア・ペレス りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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メキシコの麻薬王マニタス(カルラ・ソフィア・ガスコン)は、妻ジェシー(セレーナゴメス)とふたりの子どもがいる身である。
しかしながら、彼は子どもの頃から自分の性に不満を抱いていた。
心情的には女性であるのだが、周囲の環境からそれでは生きていくことができず、麻薬の世界・暴力の世界に身をやつすしかなかった。
が、地位を築いた現在ならば、麻薬王の自分を葬り、元の女性になりたい、そして、それが叶うと信じた。
そのために働く者として指名されたのが、女性弁護士リタ(ゾーイ・サルダナ)だった・・・
という物語を、なんとミュージカル仕立てで描いています。
なんとも強烈なルックの作品。
特に前半は面白い。
が、性転換に成功し、エミリア・ペレスと名乗って行方不明者捜索のNPO・NGOを立ち上げてからが、意外とツマラナイ。
元の麻薬王の自分は葬り、家族をスイスの湖畔に疎開。
そこまではよかった。
だが、家族恋しの思い募って、正体を隠して家族を引き寄せてからが、どうも行動的には元の暴力の世界の行動に戻ってしまう。
身体は女性になった。
心も女性になった・・・はずだった。
でも、暴力の世界で生きて来た身は、最終的には暴力の論理で行動してしてしまう。
極端に言えば、「善行積めども、悪党は女になっても、やることは悪党」みたいな感じ。
可哀想、哀れ、といえばそうなんだけども・・・
どうも最終的に、わたし的には、ジャック・オーディアール監督の暴力志向(良いと思って志向しているわけではないだろう)が、悪目立ちした感じがして収まりがわるかったです。
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