「様々な要素がてんこ盛り でも根っこにあるのは愛の物語」エミリア・ペレス Freddie3vさんの映画レビュー(感想・評価)
様々な要素がてんこ盛り でも根っこにあるのは愛の物語
メキシコの麻薬王が性転換して女性として生き直す物語にてミュージカル。いったいどんなジャンルなの、となるし、まあ、いろんな要素が詰め込まれておりましたが、オーディアール監督が名ジャグラーよろしくきれいにさばいてみせます(いったい何個のボールを回していたのやら)。
でも、この作品の本質は様々な形の愛を描いた愛の物語だと思っています。エミリアの子供への愛、エミリアとエピファニアの間の愛、ジェシーの実は変わらぬ夫への愛……そういった中でも私が気に入っているのはエミリアとリタのシスターフッド、姉妹のような愛と信頼関係です。リタとエピファニアの初対面のシーンは、双方に「お噂はかねがね」みたいな感じがあって本作屈指の名場面だと思っているのですが。
あと、リタを演じたゾーイ•サルダナはやはり助演なんでしょうね。物語を引っ張ったのは、信じられないほど特異な人物であるエミリア•ペレスで、これが主人公、リタはその紹介をする語り手といったところでしょうか。このパターンは結構あると思います。とりあえず思いついた例は『華麗なるギャツビー』で怪人物ギャツビーを語るニック・キャラウェイです。
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