劇場公開日 2025年9月5日

「いい映画でした。観終わった後爽やかな気分になれます。」バード ここから羽ばたく snowwhiteさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 いい映画でした。観終わった後爽やかな気分になれます。

2025年8月30日
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鑑賞方法:試写会、映画館

試写会で見せて頂きました。

いい映画でした。観終わった後爽やかな気分になれます。

大人に成り切れない子供っぽい父親と兄と暮らす12才の少女ベイリー。

父と離婚した実母は再婚して近くに住んでおり父の違う妹が2人いる。この母親はネグレクトで時々ベイリーは妹たちの世話をしにいくヤングケアラーだ。

ある日父が1週間後に結婚をすると女性とその子供を連れてくる。再婚どころか父に恋人がいる事すら知らなかったベイリーは驚きショックを受け事態を受け止めきれない。

父はまともに働いておらずお金も無いのに出会ったばかりの人と結婚するという脳天気な父。発想が何処までも子供っぽい。

自分の事など忘れているかの様な父に疎外感を感じるベイリー。反発して家を飛び出したベイリーが出会った謎の男。
2人の関わりがいい。

この映画、欠点だらけの人が出てくるのだがとことん悪人には描かれていない。父親もとんでもないお父さんなのだが明るくって屈託なくって何よりもベイリーを愛している。だから何処か憎めない。

ベイリーの周辺の人が皆そんな感じで描かれており「人間はみんな欠点があるんだけど、どんな人にでもいい所もあるんだよ。」と教えてくれているようだった。

誰かの悪い所を見つけると徹底的に叩く様な風潮が最近の世の中にはあって悲しい限りだけれど「完璧な人なんて世の中には存在しないし、どんな人でもいい所と悪い所があるけれど、いい所をちゃんとみようよ。」と思わせてくれる映画でした。

前半は貧困や辛いことが出てきますが観終わった後、爽やかな気分になれます。オススメです。

『salutburn』での怪演が面白かったバリー・コーガンが父親役。実年齢32歳なのに子供みたいに見えて素晴らしい演技。彼なくしてこの映画は成立しないと思う。また、ベイリー役のニキヤ・アダムスは演技未経験とは思えない好演。更に謎の男役のフランツ・ロゴフスキが元ダンサーの身のこなしで美しく浮遊感がありこれまた素晴らしい演技でした。

「フィッシュタンク」「アメリカン・ハニー」のアンドレア・アーノルド監督は厳しい現実の中でもがきながら成長していく少女を描くのが実に上手い監督だと思います。本作もとても良かったです。
いい映画でした。

snowwhite