傲慢と善良のレビュー・感想・評価
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人間の表層と深層
奈緒はさほど美形ではないけれど、演技力が有り、主演に必要な華も有る。
奈緒主演の作品ということだけで、観賞を決めた。
【物語】
架(藤ヶ谷太輔)は30代で、小さいとは言え会社の社長。収入にも容姿にも恵まれている架は異性に苦労することは無かったが、長年付き合っていた恋人に予期しない別れを告げられたところから、歯車が狂い始める。マッチングアプリで婚活を始めて多数の女性と会うが、満足できる女性には巡り合えず、婚活にウンザリし始める。 そんなとき、真実(奈緒)という女性と出会い、交際を始める。
真実と1年間交際した頃、架は真実からストーカーの存在を告白され、その直後に恐怖におびえた声で助けを求める着信を受ける。真実を守る使命を感じた架はそれをきっかけに結婚を決意。ところが結婚の直前に彼女は忽然と姿を消す。
真実の行方を追う架は、彼女の両親や友人、過去の恋人などのもとを訪ねるうちに、真実の過去とうそが明らかになって行く。
【感想】
ある意味ピュア・ラブ・ストーリー。
ピュアというと、普通は“美しい恋愛”を連想してしまうが、本作は人間の負の部分に焦点が当たっている。
普段自分は気付かないが、他人からは見える“傲慢”。他人から見える“あざとさ”、“薄汚なさ”が、当人の心情を深く理解したいときに「そんなに非難されることか?」に変わる。
人間の表層と深層。人を表面だけで理解するか、深くまで理解しようとするか。 架の女友達は真美の行為の表面を見て嘲笑の目を向ける。しかし、彼女達の見立ては間違っていなかったし、彼女達の言動もまた真美の視点で見れば酷いが、彼女達の目線で言えば「そんなに非難されることか」になると思う。
人生で出会う人の99%の人は表面しか知り得ず、深く理解するなんて不可能。いや、夫婦でさえ、完全には理解し切れないのだから、99.99%の人は表面しか知り得ないと言って良いのかも。そう考えると、出来ることは他人の深層まで知ろうとすることではなくて、知っているごく表面の言動からその人を“決めつけない”、ってことか。
そんなことを考えた作品だった。
落ち着いてじっくり観賞できる作品で脚本・演出・役者とも良かったと思う。
あゆちゃん
予告動画と思ってたのと違うけど
登場人物の性根が薄っぺらすぎた
画面が綺麗で、カップルが綺麗で、綺麗事いっぱいだな、と思ったら幹事会社がエイベックスだったから仕方ない。
ボランティアリーダー(倉悠貴)、飲み屋のママ(西田尚美)、結婚相談所の所長(前田美波里)の3人以外はどいつもこいつも悪人というか、人間が薄っぺらすぎて、「どーでもいいや」という展開で辟易。
特に男主人公(架)の女友達ら(勝ち組っぽいキャラたち)が醜悪で、早く死ねばいいのにとしか思えずイライラ。
まぁ、今の30代前半くらいの世代のリアルと言えばリアルなのかもしれないけども。
ポイント無料で観てよかった。
あと、『朝が来る』『ハケンアニメ!』『かがみの孤城』辻村深月なら、もっと深い心理描写があるはずなので、逆にちゃんと原作小説を読みたくなりました。
傲慢と善良な映画
原作物ですが未読。
予告で彼女が失踪、というワードをみてミステリーなのかと思っていたらそうでもなく、社会派の恋愛映画でした。
原作を読んでいないため、全くの映画をみただけの感想ですが、私は真実の行動は普通のことだと思いました。みんな恋愛において、ある程度の駆け引きはしているはず。煮え切らない架も婚活アプリで出会った彼女にイマイチ本気になれない気持ちが見え隠れしてしまう。
これってすごくリアルではないのかな?
ただリアル過ぎてちょっと盛り上がりにかけるように思いました。
架の女友達が全力で嫌なヤツだったので、他の普通の人たちの間でめちゃ浮いてるように感じました。このデフォルメした感じで全編演じてくれればもっとエンタメ色が強くなったかも。
でもそうすると原作と違っちゃうのかな。
役者さんは全員いい感じでそれぞれにはまっていたように思います。
善良な映画でした。
やはり藤ヶ谷太輔はいいんじゃないだろうか
原作は未読。去年「そして僕は途方に暮れる」で初めて主演作を見て、「もしや藤ヶ谷太輔はいい俳優では?」と思うようになり、見に行った映画です(ちなみにファンではありません…といちいち書かないといけない気持ちになるのは出自が“アイドル”な人だからかな)。
恋人がある日消え、探すうちに彼女の秘密が見えてくる、というのはもはやよくある設定だなと思います。宮部みゆきの「火車」とか、少し前に公開された「市子」もそうですよね。ああ、「スオミの話をしよう」もそうだったっけ。
そこに“婚活”というキーワードがからんでくるのは新しい視点かもしれない。それと主人公の周りの女友達がエグい。こいつらあわよくば自分が架とと思ってるのに「傲慢」で自分からは何もできず、結局周りで牽制し合ってるだけなんですよね。
とはいえ、過去の同様の設定の作品と比べると彼女の秘密はわりと小さく、ある意味現実的で、まとまり方も割とベタだと思いました。
それでも★3つくらいかなと思ったのは、正直、藤ヶ谷ポイントが0.5くらいあります。
奈緒さんがうまいのはもちろん折り込み済みですが、その上でやはりうまいと思います、藤ヶ谷さん。
「そして僕は…」の滑稽で悲しくて、憎めない主人公もそうだったけど、その人物のダメな部分が出たときの微妙な表情が特にいいです、この人。ホームのシーン、「パシッ」「パシッ」と2度にわたって動きを封じられる時の声とか表情なんて、最高。
アイドルキラキラではなく、地味な映画に出て、ありふれた人物をやり続けてほしい。そしたら追いかけます。
あと桜庭みなみがいい仕事をしていました。
劇伴は面白いなと思ったけど、エンディングテーマはちょっと違うと思いました。
みかんをクラフトビールの材料にできるんだ。
藤ヶ谷太輔演じる架(かける)は、クラフトビールを作る会社の社長。若って思ったら父親の後を引き継いでいた。ん、お父さん亡くなったのかなぁ?ま、ストーリーには関係ないので気にしなくてよかった。しっかり働いてる架は、彼女にふられて、婚活をしていた。自分は婚活なんてした事ないから、動機が分からなかった。最近の若者はアプリで出会いを作るのがメジャーなのかな?そこで出会った奈緒演じる真実(まみ)、2人が付き合って一年後、架が結婚話しをしようとしたら、突然いなくなった真実。あれ?嬉しそうにしてたのに何でだ?彼氏の女友達が嫌いだから、別れるの?嘘をついてた事がバレるのが嫌だったのかなぁ?でも、それが別れる理由になるの?ずっと真実の気持ちが分からずモヤモヤ。まるで自分が架の立場になったみたいで、モヤモヤ。あら?別れてもう1年経ってるの?こりゃ真実の新しい恋人の誕生かな?倉悠貴演じる耕太郎の印象が凄く良かったもんな。ラストは予想してた通りになったんだけど、途中までは想像と違ってた。あんなにいい娘なのに、ほんと女の気持ちは分からないな。ずっとモヤモヤできてとても楽しめました。
現代の恋愛市場において、、
原作読了済み。
うまくまとまっていたように思う。
マッチングアプリの成熟により、特に女性側としては売り手市場になる事が多くいいね数の多さで幻想的に自己評価だけ高めていく人も増えた。
女性のほうが勝ちやすいと言えると思うが、ただ女性にとってこれはこれで例えば選ぶに選べないといった悩みなどもでてきている。
また出会いが限定されていたクラシカルな時代と比べると、男性側には比較的あらゆる点でハイレベルが求められるようになり西澤架のようないわゆるハイスペ男子の上位層だけに女性が群がる二極化時代にもなっている。
→ハイスペ男子にとっても手軽な出会いで婚活がルーティン化している。
このような本来の価値が見定めづらくもなった現代の恋愛市場の側面も前提になり物語はキラーワードの傲慢とは?を軸に展開されていく。
一見可愛らしい真実のような子が、厳しい家庭で世の中の正解のみを見て善良に育てられただ恋愛市場では傲慢に自我が出て何が自分の求めているものなのかはっきりしないままなんか違うと何人もの男を切り落としていること、そのような子がたくさんいることを知られるだけでも一見の価値あり。
他にも真実を批判する女性陣らの会話も面白かった。
本作としてはお互いに闇から抜け出して価値を見いだしてハッピーエンドとなる。
いい時代になったのだと思うけれど、謙虚さも忘れずに本来の価値を見誤らないようにしっかりとビジョンも持つようにしたいと思えた作品でした。
PS:
藤ヶ谷くんの演技はいい意味であのレベルだから出る素朴さが上手く物語に合っていた。
ただクライマックスではここだけは垢抜けるべきなのに奈緒さんの演技の良さもあいまって味がなく見えてしまった。とにかくセックスしたいシャバ僧のままだった。
藤ヶ谷さんの起用はおそらく味無く見せるためでもあったと思うがクライマックスのためにももう少し演技派よりを起用してほしかった。
→また原作読者はおそらく藤ヶ谷くん起用で「この原作でジャニ起用かよ」と見ないようにしたかたも結構いらっしゃると思うので。
現在の婚活事情。
今の疑心暗鬼な時代において初対面の人との普通の会話でも緊張するのにマッチングアプリで出会い交際し結婚に到るなんて私自身には到底無理な話ですが、会社内でもそういう出会いで結婚した人をちらほら見るようになりました。
ひと昔前のお見合いなら、父母の信頼出来る親戚や友人等からの紹介があり、自身の経歴や職業等を記した「釣書」をお互いに交わすので相手方の素性はある程度担保されていることになります。
しかし、マッチングアプリの場合、相手の素性が担保されていません。はったりな世界な訳です。嘘をついてもOKな訳です。
そもそも、主人公の西澤 架(かける)はクラフトビールの会社の二代目社長でルックスも良いのだからマッチングアプリを使わなくても仕事の関係でいくらでも出会いはあるだろうに…と思ってしまいますが。
冒頭で架がマッチングアプリで女性と出会いを重ねるシーンで相手の女性は必ず架のロレックスの腕時計を見ています。架も黒地に金文字の凄い名刺を女性に差し出したりします。そこで初めて女性は架の素性を確認するって具合です。
西澤 架と坂庭 真実(まみ)はそんなマッチングアプリで出会い交際を始めます。
架と真実は交際1年後に結婚することになります。しかし善良に見えた真実が架の気を引くため嘘を重ねていたことが架の女友達2人にバレて、真実は失踪してしまいます。
架の方も元カノが忘れられなかったり、真実のことを70点と言ってみたり(実際は言ってませんが)、体の関係もあるのに、交際1年経っても態度をはっきりさせなかった傲慢な男です。(天然キャラで悪い男ではなさそうです。)
架は真実を探すなか真実の過去を知ることになります。失踪後の真実はボランティア活動の為佐賀県に居ました。そこで架と再会し、お互いに心を開いて再度やり直すことになります。
しかしまあ、女性は怖い。架の女友達2人は真実を冷静に、かつ冷徹に、観察し真実の嘘を見破ります。見破った事を真実にわざわざ伝えるなんて怖すぎです。恐らく二人とも過去に架に相手にされなかったのでしょうね。その恨みと妬みもあるのでしょうけど。
真実は真実で、失踪しながらもインスタで自らの足跡を残したり、ボランティア先で西澤姓を名乗ったり、何かあざとく感じてしまいます。
傲慢さと善良さは誰しも持ち合わせているもので、傲慢な瞬間だったり、善良な瞬間だったり、傲慢な一日だったり、善良な一日だったりします。男女の関係においてはその傲慢さと善良さとのどこでお互いに折り合いをつけるのかでしょうけど。まあ、当たり前ですけど。
仕事関係であれ、プライベートであれ、日々自然な形で接するなかで恋愛関係に発展するのがやはり適当ではないのかなぁ。やはり、アプリはちょっと…。
架と真実の場合だと結婚後にもまた何か出てくるんじゃないかと思ってしまいます。結婚した(契約した)後ではもう遅いけど…。(ToT)
奈緒ちゃんが良い!!
番宣と予告編をみて興味を持ち、迷いつつも原作未読のまま鑑賞したけど観て良かった!終わった瞬間から原作も読みたくなるほどこの作品に引き込まれたし面白い。
なによりも奈緒ちゃんのお芝居がずっと良い!
ひたすら彼女に魅了されて目が離せないし、藤ヶ谷さんとのコンビネーションも抜群の安定感で良き。
ただの恋愛・婚活やミステリーものではなく、あくまでも人の心理や人間そのものが描かれている印象。前半と後半のコントラストが象徴的。
善悪つけ難い心の葛藤や、見えない心の奥底など、痛い所を突かれるような重たさがありつつも、それが露わになった先にある景色になんとも言えない爽やかさが残る。
本当の善良ってなんだろう、どこからが傲慢なんだろう、ぐるぐる考えてしまう。何かを選択すること、人と関わる上でどこまでもついてくる「傲慢と善良」。向き合うのは決して楽ではなく、でも生きてる限り逃げられないテーマなのかもしれない、、
小説読みました
去年読んだ小説が素晴らしかったので楽しみにしてました。再現度は高いと想います。キャストが奈緒さんなのはぴったり、藤ヶ谷さんもいいと思いました。欲を言えば瑛太。結婚相談所の前田美波里さん、オーラがありました。ばってんとか言ってたので熊本かなぁと思ってたら佐賀(肥前)だったんですね。架君の時計、最初GMTマスターだったのがサブマリーナに変わってましたね。架君の愛車はゲレンデだとセレブ過ぎるのでボルボXC60とかにすれば良かったのでは。
人間くささをよく表しているが、映画としては70点
奈緒さんみたさに久々の恋愛映画を鑑賞した。
なかなかに心の矛盾をはらんだ複雑な映画であるが、平凡な人間の人間くささがよくでていて、わからなさが逆に心地良い作品である。
マッチングアプリを使ったことあるかで共感がわかれ、すんなり結婚した人には二人の気持ちはわからないかも。自分は前者でよくわかる。
原作の良さというところと、奈緒さんの演技で魅入ってしまうものがあった。裏表があるかないかわからない役というのをよく演じている。
ただ、映画としては、もう少しがんばれたのでは。
ところどころの軽すぎる劇伴、花などのいささな分かりやすすぎる演出、そして原作に頼りすぎているのか、一つ一つのシーンが必要最低限ですすみ、奥深さが出ていない。
玄人むけにもっと凝って欲しかった。
藤ヶ谷さんにはあまり期待はしていなかったものの、役としてはピッタリ。キザになりすぎず、控えめすぎず、純粋で不器用さがちょうど出ていた。最後の山バックのショットは、この映画唯一の印象に残るショットだった。
大枠満足できたが、映画としては原作というステータスに頼った、普通の作品に落ち着いてしまっている。
お前らが言うなッ!!!!!
昨年話題になりました、辻村深月による同名大ベストセラー小説の映画化でございます。
本当はこんだけ話題になったわけだし、しっかり原作を読んだ上で臨もうも思っていたのだけど、かなり好き嫌いの分かれるタイプの作品らしく、そのうえ読んだ人の感想を聞いた限り、とても自分が好むようなものではなく、むしろチョー苦手なタイプの物語だったから、結局見らず、一先ず映画からと思い鑑賞。ただまぁ、90パーセントの確率で自分が受け入れられないだろう映画を見るのはなかなかキツイもので、期待値はあまりに低かった。というか、自ら下げきっていた。
そんなこんなでの映画だったわけだが、一寸たりとも期待していなかったおかげか、意外にも悪くないと思える作品で、恋愛観とか結婚に対する向き合い方とか、ストーリーに共感は全くと言っていいほど出来なかったんだけど、「ブルーピリオド」の萩原監督による演出はやはり確かなもので、映像作品としてはなかなかいいものだった。
原作からどれほど改編されているのかは読んでない自分には解説しようがないけれど、少なくとも監督は本気で向き合っているように伺えたし、映像や全体的な空気感なんかは辻村深月だなぁと、上手く言語が出来ないけどそう感じさせるものがあって作りはしっかりしていた。
ただやはり、価値観に共感できないというのが高評価にならない一番の理由で、婚活アプリどころか婚活そのものをしたことがないから境遇がかけ離れているのは大きいけど、自分ならこんなことにはならないだろうなぁと思ったし、全編すごく客観的に見てしまった。どうしても主人公2人のことが好きにはなれないし、とてもじゃないけど理解し難い。なんでこうなるかが分からない。
そもそも登場人物が2時間に収めるにしては無駄に多くて、原作ではキーパーソンとなっていただろう人物もこれといった活躍がなく、結果的に要らない余計な存在になってしまっている。それであんた、何がしたかったの?何が言いたかったの?
あと、話に関係ないっちゃないんだけど、架の女友達がはらわた煮えくり返るほどイッライラする奴で、もういてもたってもいられなくなった。いや結局居たんだけど。そう思わせるってことは演じた2人の演技も演出も上手いってことだから、まんまと監督の思惑通り、手のひらの上で転がされているわけなんだけど、とても同じ人間とは思えない所業で、映画であることを忘れてしまうほどストレスが溜まってしまった。なんかでも、原作は多分こんな風に描かれていないはずだし、こうなっちゃうと結末での感じ方が結構変わっちゃうんだよね。いちばん傲慢なのはお前らじゃん、って話になるもの。
しかしながら、奈緒の演技には「先生の白い嘘」に引き続き、今回もまた魅せられてしまった。真実(マミ)に関しては奈緒の迫真の演技のおかげで、原作よりも深みのあるキャラになっているんじゃないかと推測できる。やっぱりすごい女優。
ただ一方で、藤ヶ谷太輔はダブル主演とは言いながらも、出演バランスが6:4か7:3くらいだったこともあり、奈緒に比べるとあまりインパクトは残らなかった。脚本もかなり真実に寄ったものになっていて、架の傲慢っぷりはさほど描かれておらず、藤ヶ谷太輔も限られた中ではよくやったと思うけどあまりクズ男感がなくて、役者としてはまだまだこれからだなと。だけど、この人が普段めちゃくちゃ優しくていい人だってことは、この映画を見てすごく感じたけどね笑
「傲慢と善良」というタイトルにも関わらず、傲慢描写と善良描写に差が生まれてしまっているのも、本作の問題点。しかも傲慢→善良→傲慢→善良と、2往復くらいしかしないから結構単調でタイトル回収し切れていないように感じてしまう。
そもそも現代の恋愛観を問うみたいな、かなり壮大で壮絶なものをテーマにしているってのに、結局行き着くところはそこかい!とげんなりしてしまう。ネタバレになるので明言は避けるが、やはりタイトルは最初から最後まできちんと活かして欲しかった。こういう恋愛がしたいよね、結婚観でいたいよね、みたいなそういう雰囲気は別に求めてないし、後半にかけては特に色々と納得できないところが多すぎる。
映像的な部分や奈緒を中心とした俳優陣の熱演、そしてバッチリ合っているなとりの主題歌などなど、個人的にいいなと思えるところは多かったし、不満大爆発みたいなそういうことは全くなかったんだけど、結果的に自分がこの作品で評価しているところって、映画になったから生まれた部分であって、元々この「傲慢と善良」という作品が持っていたストーリーやメッセージについては全然ハマれなかったし、総じてこのくらいの点数しか上げられないと思ってしまった。それでも期待していたよりは良かったけどね。
ただまぁ、冒頭でも書いたようにそもそも原作が好き嫌いハッキリ分かれる作品だから、本作を大好きだと思える人もいれば、自分のように受け入れられない人もいるはず。恋愛観、価値観に着いての話だからこんな風に感想に差が出るのは当たり前。たまたま自分は理解できなかったよってだけで、同じ境遇にある人、または経験したことのある人なら頷き疲れるほど共感するのだろう。
そういった観点からも一度見て欲しい。そして、この映画を見てどんな感想を抱くのか。それで結構自分がどんなことを考えて生きているのか、なんとなくでも分かるはず。そんな風に考え、そう考えることを狙っているのであれば、すごく意義のある素晴らしい作品なのかもしれない。と、思ったけど、やっぱり自分は無理だな、この2人。
以下、若干のネタバレあり⚠️
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〜余談〜 ちょいネタバレ注意⚠️
ここからはレビューでもなんでもないけど、自分が監督ならあのラストにもうひとカット追加したかった。それは、植え替えた植物のカット。根の枯れた植物を植え替えるという行為は、人間からすると善良な心を持ってしていることなのだと思うけど、俯瞰的に見れば命のサイクルを崩しているとも言えることで、そこで無理くり救出しようとするのは、植物からしてみれば人間の傲慢と捉えられる。
まさに、この作品はそんなようなことの繰り返しで、「あなたのことを思って!」だとか「あの子は善良なんです!」だとか言って、結局高く評価しているのは自分自身。善良な心でいる自分は、なんて素晴らしいんだろうと棚に上げるこの一連の行為こそ、傲慢な心である。だから、ラストには植え替えた植物をクローズアップして欲しかった。これは余談でしかないので、通りすがりの戯言だと思って聞き流してください。
カタルシスのあるドラマはやっぱりいい。婚活のドラマだから、高慢と偏...
カタルシスのあるドラマはやっぱりいい。婚活のドラマだから、高慢と偏見をもじったのだろうけれど、誰が高慢、善良みたいな分析が多いけど読んでてほとんど面白くない。婚活というものにどうしても潜んでしまう物語を恋愛に戻って脱構築した話。女子の友人たちの残酷な仕打ちのお陰で壊れた恋は本当の恋になったわけだけど、それにしてもあの声かけはひどいと思う。嫉妬と彼への想いもあったのだとはいえ。宮崎美子は嫌な役を演じててえらい。そして西田は救い。
警告とメッセージどちらもあいまい
今の時代、
どこにでもありそうな婚活アプリでの「出会い」
一見、良い人そうな人だったが、実は作り話とうそ、、
ここまではいかなくても何らかの隠し事、人にはあるもの。
それを自分で背負っていく覚悟がなければ、
恋愛も結婚もするべきじゃない、
付き合う以上は、しっかりと中身のわかる付き合いをして
結婚する以上は、決心と覚悟、動じない心が必要ではと思う。
映画として伝えたいのは、
婚活アプリでの出会いに対する警告なのか、
出会いが簡単に出来る時代だからこそ、
こうして欲しい、こう向き合って欲しい、というメッセージなのか、
どちらも腹八分、どちらかに比重を置くと
作品として面白くなるのでは、、、と思うが。
奈緒という女優を使い切れていなかったのでは、、
と思うが、
原作読みたくなりました
観てきました
自分の傲慢さに気づくことの大切さ
ベストセラー小説を映画化した恋愛ミステリー。タイトル通りに前半と後半が二部構成になっているかのような雰囲気が一変する展開が面白い。
自分の傲慢さに共感できるような内容でもあり過去の自分と照らし合わせながら鑑賞していました。
2024-163
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