傲慢と善良のレビュー・感想・評価
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結婚できない人間を血みどろにしてくる
前田美波里がすっごい刺してくる…
もうやめて……もう…
的確すぎる正論は人を傷つけます………
親とか先生からの評価は「良い子」で、躾がなっていて上品で最低限のマナーが身に付いていて、そういう子が実は…、という部分はさほど意外性もなく「あーいるいるそんな子~何なら私~~」程度なので、あらすじで読んだ時に期待してた実は殺人鬼的なサスペンスはありませんでした。私の期待の仕方がおかしいだけではある。
割と最後の方のヒロインの言い分勝手すぎるだろという思いはありますが、今まで周りの大人の期待に応えて成長しちゃった子供が、初めて自分勝手になった・一人の女性として男性に向き合ったという風に考えればそんなもんかなと思います。
ほんでお前ら超お似合いだよ。おめでとうな。
余談ですが、
女友達がクソすぎる。何であんなのと友達してんだよ💢
という方が多いと思うのですが、ほら、ヒーローがね、無邪気で世間知らずでお人好しって言われてて、実際最後までそうだったでしょ?
すごい性格悪い人はね、一般的なちょっと性格悪い人から敬遠されてしまうからね、すっごい良い人しか友達してくれないんですよ。
だから彼女たちには同じくらい性格悪いお互いみたいな友達か、主人公みたいなコイツら性格悪いって気付けないお人好しみたいな友達しかいないんです。そして後者の幸せをぶっ潰していくのね。
私にはリアルに感じました。
切りなね、その友達。何なら刺しても良いよ世間のために。
大変面白く観ました!
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
結論から言うと大変面白く観ました!
今作の映画『傲慢と善良』は、映画の中盤で示された、小野里(前田美波里さん)による、今の婚活の人達は「自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強い」「傲慢と善良」です、という言葉が、観客に突き刺さったと思われます。
この小野里による、「傲慢と善良」という映画のタイトルにもなっている言葉によって、西澤架(藤ヶ谷太輔さん)の婚約者であった坂庭真実(奈緒さん)がなぜ失踪したのかの理由以上に、観客は「傲慢と善良」の意味を考え続けたと思われます。
結論としては、美奈子(桜庭ななみさん)らに、真実がストーカーの被害を受けていたことは嘘だと暴かれ、その上で(本当は結婚したい気持ちが70%であって、真実の点数を言ったわけではないのですが)架は真実を「70点の評価」だと伝えられ、その事がショックで真実は架の前から失踪したのだと明らかになります。
ところが、真実に対して美奈子らが言い放った「ストーカーの嘘」の暴きや「70点の評価」の言葉は、真実の失踪のトリガーに過ぎず、真実の架からの失踪の理由は、真実の母・坂庭陽子(宮崎美子さん)の毒親の言動による抑圧が要因だったと、映画を通して分かることになります。
(西澤架と婚約した)坂庭真実は、毒親である母・坂庭陽子から自身の本音やエゴを抑圧され、「善良」な振る舞いをずっと強いられて来ました。
すると、(真実が、過去に婚活で知り合った男性と遊園地に行った時に再開した)同級生や、美奈子らは、真実の「善良」さを嫌悪することになります。
なぜなら、母から強いられた真実の「善良」さは、同級生や美奈子らのエゴ(「傲慢」さ)を否定する作用を働かせることになるからです。
そして美奈子らに、真実の偽りのストーカー被害は、(「善良」の抑圧で歪んだ)真実の「傲慢」さ(エゴ)の現われだと、暴き立てられるのです。
ここで美奈子らは、一見、真実の「傲慢」さ(エゴ)を批判しているようですが、実は、美奈子らが真実に言いたいことは逆で、「傲慢」さ(エゴ)を「善良」で隠している、その「善良」の方の問題を批判しているのです。
つまり美奈子らが言いたい本心は、真実は初めから自分たちと同じように(「善良」さをある程度辞め)「傲慢」さをきちんと日頃から表現し、それで傷つく時は傷つく必要がある、だったと思われるのです。
ところが、真実は美奈子らの「善良」の問題の指摘をこの時、受け入れることは出来ません。
なぜなら、真実が自身の「善良」さを辞めて、「傲慢」さ(エゴ)を表に出すことは、母・坂庭陽子から幼少の時から禁じられて来たからです。
真実はこうして、自身の「傲慢」さ(エゴ)を母に否定されまま、身につけた「善良」さも美奈子らに否定され、助けを求めるはずの架には「70点」と評価され母に否定され続けたために本心(「傲慢」さ)の問い掛けも架に出来ないままで、心の行き場を無くして、婚約者・架の前から失踪せざるを得なくなります。
そして真実が向かった先は「善良」さが深く肯定される、高橋耕太郎(倉悠貴さん)や、よしの(西田尚美さん)らがいる、東北のボランティアの現場でした。
映画はその後のラストで、真実と架との再会で、真実と架が互いに必要な存在であったことを再認識し、再び一緒になることを選択して物語は閉じられます。
私はこの映画のラストが、本当に美しい着地だったと思われました。
なぜなら、このラストは、真実が母に持たされてしまった「善良」さも、母に抑圧されている「傲慢」さも、どちらも持っていて良いのだと肯定していると感じられたからです。
架もまた、元恋人の三井亜優子(森カンナさん)を引きずり「傲慢」的に多くの婚約アプリで知り合った相手を軽視しながら、しかし全体としては他者に対して丁寧で「善良」な人物であったと思われます。
そして、映画ラストの架と真実との再びの関係のスタートが美しく思われたのは、架を演じた藤ヶ谷太輔さんも、真実を演じた奈緒さんも、「善良」と「傲慢」との双方に広く深く複雑に触れながら演じ続けていたからだとも思われました。
この映画は、毒親によって「傲慢」さを抑圧され作られた「善良」さの正体を明らかにしようとしています。
そして、この「善良」さは、毒親による抑圧だけでなく、日本社会全体の抑圧によるものだとも示唆され、日本人の多くも持ち合わせている「善良」さだとも思われました。
私個人が(真実を責め立てる)美奈子らに対して嫌悪感を持ったのも、この日本社会の抑圧で強いられている「善良」さが、良くも悪くも影響しているように感じました。
しかし一方で、一見嫌な存在でしかないと思われる、美奈子らや遊園地での真実の同級生が、私には一方的な嫌な存在とまでは思われませんでした。
なぜなら、美奈子を演じた桜庭ななみさんらもまた、こちらの嫌悪感を超えて深さある演じ方をしていたと思われるからです。
これらの俳優陣のそれぞれ深みある演技の素晴らしさは、優れた俳優の皆さんの力もあると思われながら、萩原健太郎 監督の手腕もあるのではないかと想像します。
ただ惜しむらくは、もっと美奈子らの心情が深く真実と対峙されて描かれる脚本構造になっていれば、もっと多くの人にこの作品の伝えたい中心が伝わったのではないかとも一方で思われました。
なので、「傲慢と善良」の言葉の意味は?と、観客側が映画を通じて積極的に考え続けなければ、美奈子らの本心も、対峙する真実の心の深層も、理解しないまま映画を鑑賞し終わった観客も少なくなかったのではと、推察します。
(真実に対峙する)美奈子らの心情はもう少し深く描く構成に出来たのではないかと、僭越ながら今回の点数になりました。
しかしながら今作の映画『傲慢と善良』は、「傲慢」と「善良」とをそれぞれ共に広く最後には肯定した作品になっていると感じられ、やはり優れた美しい映画の1本だなと、僭越ながら思われました。
30代以降でマッチングアプリを現役でやってる方には刺さる
奈緒さんが好きで予告編で見て気になったので見てみました。と、その前にその予告がだいぶ前から劇場で流れていたのでこの作品を先に公開されていた同じく奈緒さん主演の「先生の白い嘘」と勘違いしてて、先生の白い嘘を見た際にいつになったら藤ヶ谷くんが出てくるんだろうと思って見てたら、別の作品でした(笑)
そんなこともありましたが、予告の印象から婚約者が急にいなくなりそこから今までわからなかった婚約者の姿が見えてくるって感じがして、実はめちゃくちゃ悪女とかそういう系なのかなと完全に先生の白い嘘の影響ありますが、そんな感じの作品と思っていたら全然違いました。
ジャンル的にはわりとほっこり系なのかな。
自分もマッチングアプリをしているのでマッチングアプリが就職試験のような感じとか自分の好きな話とかしないで相手の話に合わせれば会えるとかすごいわかるーってなりました。
それと作中の藤ヶ谷くん同様に昔めちゃくちゃ好きな彼女と付き合ってて、でも自分はその頃それほど結婚を意識してなかったけど、彼女はちゃんと結婚のことも考えて付き合ってた感じとかめちゃくちゃ自分に当てはまってていろいろ思い出しちゃいました。
なので、それなりに20代で恋愛をしてきて現役でマッチングアプリをやってる30代以降の方なら何かしら刺さるものがあると思います。20代ではまだ結婚をそんな意識しないと思うんでちょっとわからない感覚の部分もあるかなと思います。
とりあえず奈緒さんが災害ボランティアで行った先の田舎の男の子が最終的に何かあるのかなと思いきや、ただただかわいそうなだけでした(笑)
残念
原作とは何なのだろうか?と考えさせられる…
原作を読んだ上で期待に胸を膨らませ本日映画を観て来ました。
基本的に映画に対して批判をすることはほぼほぼ無いのですが…と前置きをして…
割と長めの小説なので、原作どおりに再現するには限界があるのだろうけど…少し酷すぎた…というのが率直な感想ですね…。設定・ストーリー・シチュエーション・登場人物・エンディングへの布石を含め、全く別物のお話になっていて…原作を期待していた自分としてはオープニングから『え?…え??…なんでそうなる??』の連続でした…。
キーパーソンとなる登場人物すら設定が変わっている上に3人くらいの人物が1人になっているキャラクターも何人かいるし…何せストーリーが浅すぎる…。あれでは原作を読んでいない人が観ても何を伝えたい映画なのか?その根幹が伝わらないのではないかと感じました。
自分が辻村深月本人だったら映画化を許可しないレベルだと思います…。
最近あったような痛ましい事件に発展してもおかしくないくらい原作を蔑ろにした別物の作品です…。
原作における当人たちのものすごく細かい心理描写もいともあっさりと描かれすぎていて…この作品の良いところが全て台無しになっていると感じました…。
最後にようやく名前を呼び捨てにするという重要な設定も…初めから呼び捨てになっているし…感動のエンディングもまさかの展開ですしね…
この内容をアレンジし尽くしたような別物のスピンオフ映画にする前に…もう少し原作に近い形で映画化してもらいたかった…。
私は好きです
主人公たちの心情変化についていけなかった
最後は互いの目線位置なのか。破局しろと思う心と作り笑顔 (;^ω^)
お見合い、マッチングアプリ、知人友人の紹介、会社の同僚、ナンパ・・・
出会い何て幾らでもあるけども お付き合いは出来ても結婚までは別。
昨今、縁談話持ってくるお節介おばさんの目線が上過ぎてて、
何で紹介を断るのよ的な言葉とか、変な人は一人も居ません・・・的な意識高い系の極地が災いを引き起こしているのかも知れない気がします。
この前、 原作:辻村深月さんの「傲慢と善良」を観ましたよ。
・傲慢・・・思い上がって横柄なこと。人を見下して礼を欠くこと。
・善良・・・正直で性質のよいこと。実直で素直なこと。
今作に出て来る 西澤架(役:藤ヶ谷太輔さん)と
坂庭真実(役:奈緒さん)の結婚への馴れ初めの話ですね。
お見合いじゃなくて、マッチングアプリによる出会い。
相手に70点を付ける彼と、スト-カに狙われていると嘘をついて結婚する様に仕向ける彼女。 見ていて
どっちもどっちじゃん~ ( ̄д ̄)
そもそも、奈緒さんと藤ヶ谷さんを スクリ-ンから見てても
お似合いに見えない。
それが 羨ましくも何とも無く、本作の欠点かな。
なんやろ キャスト選び失敗かな。
人として誠実そうには彼は見えるんだけども、
駅のホームで最終 追いかけて来た彼女と抱き合う関係が、
悪いけど コレで解決のハッピ-には思えんかった。
原作は結構面白いんだと思うけど、脚本展開が悪いのだと そう思うわ。
原作女性なんで 女性視点の想いと展開。
だから 男ってそうじゃないんじゃ?って思う節もあると 思うのよ。
小野里 ”結婚相談所”(役:前田美波里さん) のなんか上品気取ってる強気な姿勢がハナについて回る。苦手だわ~こんな人って思えてくる。
大体、清楚で大人しく真面目・・・・それって善良?
そう思わせてるだけで、裏で何してるんだか。
でも 内緒で本音の人を探してるのが 人間らしい。
だから 結婚前に急に家を飛び出した彼女は ソレでいいと思うんだな。
男がシッカリと後を追いかけて来たら 結婚。
電話でしか話せなかったら 結婚は無し・・・で 良いと思うんだよ。
結局、真美は 意識してなかったけど、それを試したんだと思うね。
この手の出会系作品にしては、まぁまぁリアルに表現してた様には
感じましたが、もうちょっと刺激ある展開が絡まってると
楽しめたかなと そう思います。
興味ある方は
劇場へ。
ほしいものが分かっている人
原作既読ですが
実写映画に原作通りを期待するのは無理な話だと理解しているつもりです。
でもこれはさすがに原作通りではなく、参考程度でしかなくないですか????
どうしてこんなに変えちゃったのか、改変した部分でなにを伝えたかったのか本当に理解に苦しんでいます。
色々とここはさあ!!それは違うじゃん!と言いたい部分もありましたが、書く気力もありません。
人間の表層と深層
奈緒はさほど美形ではないけれど、演技力が有り、主演に必要な華も有る。
奈緒主演の作品ということだけで、観賞を決めた。
【物語】
架(藤ヶ谷太輔)は30代で、小さいとは言え会社の社長。収入にも容姿にも恵まれている架は異性に苦労することは無かったが、長年付き合っていた恋人に予期しない別れを告げられたところから、歯車が狂い始める。マッチングアプリで婚活を始めて多数の女性と会うが、満足できる女性には巡り合えず、婚活にウンザリし始める。 そんなとき、真実(奈緒)という女性と出会い、交際を始める。
真実と1年間交際した頃、架は真実からストーカーの存在を告白され、その直後に恐怖におびえた声で助けを求める着信を受ける。真実を守る使命を感じた架はそれをきっかけに結婚を決意。ところが結婚の直前に彼女は忽然と姿を消す。
真実の行方を追う架は、彼女の両親や友人、過去の恋人などのもとを訪ねるうちに、真実の過去とうそが明らかになって行く。
【感想】
ある意味ピュア・ラブ・ストーリー。
ピュアというと、普通は“美しい恋愛”を連想してしまうが、本作は人間の負の部分に焦点が当たっている。
普段自分は気付かないが、他人からは見える“傲慢”。他人から見える“あざとさ”、“薄汚なさ”が、当人の心情を深く理解したいときに「そんなに非難されることか?」に変わる。
人間の表層と深層。人を表面だけで理解するか、深くまで理解しようとするか。 架の女友達は真美の行為の表面を見て嘲笑の目を向ける。しかし、彼女達の見立ては間違っていなかったし、彼女達の言動もまた真美の視点で見れば酷いが、彼女達の目線で言えば「そんなに非難されることか」になると思う。
人生で出会う人の99%の人は表面しか知り得ず、深く理解するなんて不可能。いや、夫婦でさえ、完全には理解し切れないのだから、99.99%の人は表面しか知り得ないと言って良いのかも。そう考えると、出来ることは他人の深層まで知ろうとすることではなくて、知っているごく表面の言動からその人を“決めつけない”、ってことか。
そんなことを考えた作品だった。
落ち着いてじっくり観賞できる作品で脚本・演出・役者とも良かったと思う。
あゆちゃん
予告動画と思ってたのと違うけど
登場人物の性根が薄っぺらすぎた
画面が綺麗で、カップルが綺麗で、綺麗事いっぱいだな、と思ったら幹事会社がエイベックスだったから仕方ない。
ボランティアリーダー(倉悠貴)、飲み屋のママ(西田尚美)、結婚相談所の所長(前田美波里)の3人以外はどいつもこいつも悪人というか、人間が薄っぺらすぎて、「どーでもいいや」という展開で辟易。
特に男主人公(架)の女友達ら(勝ち組っぽいキャラたち)が醜悪で、早く死ねばいいのにとしか思えずイライラ。
まぁ、今の30代前半くらいの世代のリアルと言えばリアルなのかもしれないけども。
ポイント無料で観てよかった。
あと、『朝が来る』『ハケンアニメ!』『かがみの孤城』辻村深月なら、もっと深い心理描写があるはずなので、逆にちゃんと原作小説を読みたくなりました。
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