「傲慢さも善良さも」傲慢と善良 mizukaさんの映画レビュー(感想・評価)
傲慢さも善良さも
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原作を読んで、ここに描かれた人間の心の闇のような部分をどう映画化するのだろう?と思って鑑賞。
映画は小説よりも素直な人物像。
それはそれで別のものとして見れば、とても良いお話。
結婚相談所の夫人も小説では謎めいたヒントをくれる人だったけれど、映画では答えを出してしまっている気がする。架は自分の傲慢さも社会的な立場に固執していたこともあっさり認める。真実を取り巻いていた母親や田舎独特の重苦しい空気は真実自身がさっと切り捨てたようにみえる。
一つ気になったのは、真美が自分のついた嘘のことを、子供じみた嘘と言ったこと。あれは当時の真美にとっては人生をかけて必死についた嘘。振り返って、あの頃は子供じみていたと心境が変わるには日が浅すぎる気がする。達観、成長したという印象を持たせるための台詞?
小説の持つ沼のようなおどろおどろしさが映画では薄れ、婚活を通して自分を見つめ直した若い二人のラブストーリーになった。
それはそれで良い。
しかし毒親育ちのアダルトチルドレン気味の主人公、ほんとに多いなー!
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