傲慢と善良のレビュー・感想・評価
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奈緒さん最高、藤ヶ谷太輔も
備前焼の映画「ハルカの陶」で奈緒に魅入った。そしてこの映画を観たけど奈緒さんの魅力が満載。
映画を観ながら、早く再会してほしい。出会ってほしいとお願いしながら見てしまいました。
奈緒さんを見始めたのは最近。名前は前から知っていたし感じがいい女優さんだとは思っていたけど。
こんな明るく素直な、この人ならではの個性があるなんて思わなかった。
ファンになりました。
「ハルカの陶」もwowowで観たけど、いいなあと思いました。
藤ヶ谷太輔もいいなあ。
カッコいいけどキレッキレ過ぎないしなんかふつうで感じがいい。
奈緒さんと合ってるなあと、そう思いました。
原作と違いすぎて、、、
70点同士の恋
概要なんか見ると、ヒロインがストーカーに付きまとわれてるとか知られざる秘密とか、何か事件的なミステリーを思うが、そんなんじゃない。
男女の恋愛観、結婚観、価値観。それこそミステリー。
恋愛経験乏しい私含め、ラブラブカップルや理想の恋愛を夢見ている人には気まずいかも…。しかし、ハッと気付かせてくれる。
小さいながらもクラフトビール会社を立ち上げた架。
業績は好調。東京生まれ&育ちで、いい学校の出。住んでるマンションも乗ってる車も一流。女性経験も豊富で、イケメンときた。
人生負け知らずの勝ち組。
…しかし、唯一の失敗が。長年付き合っていた恋人から結婚に踏み切らない架に落胆し、破局。
この時の破局理由が男女の結婚観の違いがモロに。“まだ”と“もう”。
ハイスペックな自分に見合う“100点”な相手だっただけに、ショックは意外や大きく…。
そんなハイスペックの架がマッチングアプリで婚活。
しかし、会う女性会う女性いずれも理想に合わず、婚活自体にうんざり。
恋愛に悩むイケメン主人公が真実の愛を見つけるまで…と思ったら、藤ヶ谷太輔ファンかただの鈍感。
言うまでもなく、“傲慢”なのである。
架の性格自体は優しく誠実な好青年ではあるのだが、交際相手に自分もしくは元恋人レベルを求めてしまう。
自分と釣り合わないと交際はNG。婚活で必死アピールしてくる相手に嫌気すら差してくる。
私ゃ婚活もしくは見合いなどやった事ないが、当人たちにとっては人生を決める一大事。
だから必死になるのも分かる。
でもそれって、自分のいい所しか見せようとしない。定番のご職業は? 学歴は?
プラス面を見せたいのは当然だけど、自分のマイナス面を見せる事はいけないの…?
上っ面だけのプラス面よりマイナス面の方がその人の人間味を感じる時もある。
交際してから相手のマイナス面を知り、それが愛着沸く事もあるが、理想と違って落胆する事も。
男女間の関係って難しい。それが婚活の難しさでもある。
求めるもの、求められるもの、現代婚活に一石投じる。
そんな時出会った一人の女性も決して“完璧”ではなかったのだが…、
同じ30代の真実。
性格的には元恋人とは真逆。控え目で内向的。不器用さや鈍臭さも。だって、
隣の席の老女が飲み物を倒す。拭いてあげる真実だが、ちょっとテンパってきちゃって、自分のバッグを落とし散乱。
初対面でこれは恥ずかしい…。本来ならいい所を見せたいのに…。
けどそんな、一点のあざとさも無い健気さ。ダメダメな面。
架がこれまで付き合ってきた女性とは違う…。
交際が始まる。
交際始まって一年。
友人らにも紹介して、関係は良好。
一見順調に見えるが…、
真実を連れて友人らとパーティー。真実は帰ったその後。
男友達はいい娘じゃんと言うが、女友達はチクチク指摘。
気遣い過ぎて架が窮屈そう。あの娘も無理しちゃってる。
外野があれこれうるせーけど、核心も付いているような…。
後々になるが、女友達があの娘の好きな所は?と聞く。
それに対し架はお決まりのような答え。
さらに、結婚するなら何%?
架は“70%”と答える。これでも架にしては高めに答えたつもりだが、女友達はドン引き。
つまりそれは、架の相手に対しての採点そのもの。架にとっては真実は“70点”でしかないのだ。
高いか低いか、悪くもないが良くもないビミョーな70点…。
私も70点と聞いた時にはコイツどんだけ!?と思ったが、女友達もじゃあお前ら何点だよ?(キュートなイメージの桜庭ななみが嫌みあるハイスペック女性とは…!)
しかし、70点と言ってしまうのも納得の架の振る舞い…。
一年も経つと年齢も年齢だし結婚を考えるが、架はまたしても躊躇。
独身貴族でいたいのか、自分の理想と相手に求めるものが違うのか…?
煮え切らぬ態度を続けていたある日、真実から思わぬ問題を打ち明けられる。
ストーカーに付きまとわれている…。家の中にまで…!
怯える真実を守る為に、架は決心。プロポーズする。
真実も幸せそうに、二人で式の事などを相談していたが…、
真実が突然姿を消す…。
彼女に何が…?
ストーカー絡みの何か事件的なものと思うが、先にも述べた通りミスリード。
でなければ真実の知られざる壮絶な過去と思うが、確かに過去は関係するが、そんな大層なもんじゃない。
“ミステリー”と煽るのも果たして…。
真実の生い立ちや家庭環境、自身の性格などパーソナルな事。
しかし真実にとっては、人生を変える一世一代の大博打…。
真実の両親と会う。父親は話の分かる穏やかな性格だが、母親は…。キツイ性格と口調で架に詰め寄る。一見、娘の事を心配しているように思えるが…。
真実の姉と会う。姉は内向的な妹と違って利発的。アドバイス的な事もキツイ事もズケズケ言う。
その姉から真実が上京前、地元でお見合いをしていた事を知る。ストーカーはその見合い相手…?
結婚相談所の初老の女性と会う。その女性曰く、見合い相手は二人いたが、どちらも違うと言う。
女性に頼み込んで見合い相手に会う。二人共完璧とは言い難いが、真実に対して後腐れも無いようだ。
女性は寧ろ、真実に問題があったんじゃないかと言う。そしてあなたにも…。人を見る目に長けた結婚相談所の女性役で前田美波里が存在感。
以上の事から徐々に分かっていく。
地方都市で束縛の強い母親の敷いたレールの上を行くだけの人生。学校も。仕事も。人生全て。母親の言いなり…いや、問答無用の押し付け。(穏やかで優しい役が多い宮崎美子が意外な毒親!)
姉はそんな妹を心配しながらも、我の弱い妹に苛々していた。
母親のまた強引な勧めでお見合い。一方は容姿に満足せず、一方には痛い所を付かれ…。
全てが嫌になり、母親の猛反対を押し切って、自分を変える為に上京。
婚活。そこで出会ったのが、架。高学歴、若き社長、イケメン…全てに於いてパーフェクト。
上京してやっと手に入れた自分の人生、理想の相手。
が、架はいつまで経ってもプロポーズしてくれない。
焦りもあった真実は架の気を引く為にストーカーに付きまとわれていると嘘を付く。が、例の女友達にその嘘はあっさりバレ…。
聞いてしまった“70点”…。
ショックを受ける。
私の事、好きじゃないの…? 私の事、見てよ…。
その声は届かず…。
姿を消した。
薄幸のヒロインだが、客観的に見ればお騒がせ女でもある。人によっては女友達と同じく好かないタイプかも。
前半こそは架視点だったが、後半からは真実視点。こちらの方が引き込まれるものがあった。
原作小説を読んで架役を熱望した藤ヶ谷太輔も悪くないが、やはり奈緒の熱演によるものが大きい。
陰や不幸のある役のイメージ多いが、本作でも遺憾なく。内向的、弱さ、脆さ、悲しみや苦悩を繊細に。守ってあげたくなる儚げな魅力。自分を変えようと成長していく…。
奈緒が巧い。昨年は『先生の白い嘘』と本作で難役を熱演したのに、ほとんどの映画賞でノミネートされず、キネ旬でも一票も入ってない。オイ!
連絡取れなかった真実とようやく連絡取れ、架は会おうとするが、約束の場に真実は現れなかった。電話越しにストーカーの嘘や消えた理由、苦しい胸中を伝えて…。
二人の関係にピリオド。
真実は他県でボランティア活動をしていた。
当初は不器用で失敗ばかりでボランティアのリーダーの青年に叱られてばかりだったが、一年経ち、ボランティア活動にも慣れ、地元の飲み屋のママや地域の人たちとも親しくなり、リーダーの青年からは想いを寄せられ…。
母親の束縛、架との関係を経て、自然体の笑顔で自分らしく居られる場所。
町興しで傷の付いたみかんを使って何か案を巡らせ、地ビール作り。しかし地元の皆はビールの作り方を知らない。
真実に心当たりが…。
架が町を訪れる。真実は名を伏せ、あくまで仕事で。
契約も上手く行き、町を歩いていたら…
別れて以来、真実のインスタをフォローしていた架。そのインスタに上げられていた風景と同じ風景を見つける。
真実がこの町にいる…。
程なく、再会した二人は…
別れた彼女をインスタでフォローなんてドン引き男かもしれないが、真実の事が忘れられない。
ヨリを戻さないか?と聞くが…、
そんな架くんを見たくなかった。
ダメダメな所、恥ずかしい所、カッコ悪い所、自分のマイナス面をさらけ出し…。
それほど好きなのだ。
傲慢は誰か? 善良は誰か?
ストレートに考えると、傲慢=架、善良=真実だろうが、単純にそうではない。
架の中にも善良はある。善良に気付く。真実にも傲慢はある。見合い相手を断った理由他。
真実の母親や姉、架の女友達も。母親や姉が傲慢なのは真実を心配する善良からかもしれないし、女友達もあからさまな悪意は無かった(筈)。
皆が傲慢であり善良。私の中にだってある。
100点満点じゃない。70点は自分に対しての採点でもある気がする。
最後は結局そっちを選ぶのか…と思ったが(ボランティアの青年、メチャいい奴!)、70点と70点、補い合って。
傲慢と善良のカッコ悪くもやがて実りある恋愛をしていくのであろう。
寅さんの名言。大声出して、のたうち回るような、恥ずかしくて死んじゃいたいような恋をするんだよ。
奈緒が演じて原作を超えた
自分の評価額
「ピンとくるは、相手の鏡で見る自分の評価額」
この劇中の言葉がいやけにこびりつく。
我々の時代は、男30、女25という世間が決めた結婚適齢期があった。この時期に差し掛かると、ただ勢いだけで、わりと先々を考えないで、自分も周囲も結婚していった。当時は見合い結婚が完全に衰退し、恋愛結婚があたりまえ。それも後先考えない勢いが大切。勢いがないと婚期を逸した時代。
それからすると、マッチングアプリって何だろう。お互いに評価額があって、なるべく100点に近づける。完璧なタイプ探しのシステム。マッチングアプリの婚活が、「傲慢」で、親が決めたお見合いのルールが「善良」という考え方もクエスチョン。
でも、アナログで感情的な私には、新鮮で斬新に聞こえる。
「かっこわるくなっちゃうのは、それだけ好きってことでしょ」
主人公の女性のボランティア先の中年女性が言った言葉が、心に刺さる。
そう、お互い好きになることはシステマチックにはいかない。
それこそ、評価額の目減りに耐え、減点から加点へ頭を切り替えることが先決。
「鈍感で世間知らずなところが、架くんの優しさなんだよね」
主人公の女性の言葉が、幸せへの近道であることは間違いない。
でき過ぎやな
タイトルが変。
なかなか結婚に踏み切らないのが傲慢か⁉️
なかなか人を好きになれないのも傲慢か⁉️
善良の意味付けもわからない。
あの歯医者さん役の人、タイプ❓ わからないな。
ストーカーの嘘つくのも驚くけど、
桜庭ななみとか、余計なこと言う必要無し。
しかし、奈緒さん嘘バレたからってショック受けすぎ。
正直に藤ヶ谷に話していけばいいのだと思う。
宮崎美子母、なかなかの毒親‼️
お決まりのように失踪。
ボランティアだろうか?なぜそこに?
藤ヶ谷のところに置いていた荷物とかどうしたのか、
気になった。
逃げて来たからって体使うことするの、
お決まりパターンか?
🍊の産地だからか。
行き着いたところが
優しいこれ以上ないくらい居心地良さそうな
西田尚美さん経営のバー。
できすぎやろ。
さらにでき過ぎが再会。
二人で穏やかにそれぞれの生き方を話し合っているけど、
もっと驚くやろ。
一度は諦めて
またでき過ぎお姉さんの西田尚美さんに聞いてもらい、
藤ヶ谷のあとを追いかけ、会って、
ちゃんと話し合えて、わかり合った?
ハイ、結末分かりすぎる話でした。
原作のミステリー要素は…?
とんでもない傲慢さの果てに
原作が辻村深月で本屋でも平積みされていたのを覚えているので期待して観ましたが、恋愛に於ける現代社会の自意識に隠れた傲慢さと必要以上の善良さについて描かれているけれども、想像以上に内容が薄く、底の浅い物語で驚きました。
おそらく原作ではもっと丁寧に心模様が描写されているのでしょう。
架が付き合っていた女友達があまりにも露悪的で違和感ぎありましたが、そんな人らに70%なんて言ってしまう傲慢さがあったのは分かります。
ただ、それに対して毒親の抑圧から自分を変えたくて婚活して、付き合って、ストーカー被害の嘘まで吐いて、挙げ句の果てには失踪してしまう真実のほうが恋愛の枠を超えた人としての傲慢さが酷かったです。彼女の善良さを帳消しにしてしまうほどに。
最後に2人がやり直すシーンなんてシラけて観ていられなかったです。
なんだろう。ズレているなぁと思いました。
傷があるみかんは甘くなる
27歳
女性なら言わずもがな、この年齢が直面している悩みを想像できるのではないでしょうか。
途中まで原作を読みました。グッサリと刺さる言葉と、何度読み返しても理解し難い言葉とが混ざり合い、つい目を背けてしまいました。最後まで読み切れずに、でもやっぱり気になって、そんな時に映画化が決まりました。なのに自分のうっかりにより映画館で観そびれ…(笑)、なんやかんやで視聴が今になりました。
私は今、仕事にやりがいをもち、自由に自分が好きなように暮らす幸せを感じている一方で、周りがどんどん結婚していき、いわゆる分かりやすい「幸せ」の形である結婚を夢見る自分もいて、周りと比べては勝手に肩身が狭くなり、自分自身を責め、未来に不安を抱き、時々生きている意味さえ分からなくなることがあります。洋服や車のような持ち物は人と違うもの、できるだけ人と被らないようなものを欲しがるのに、恋愛・結婚となると世間一般のようにできない、普通じゃない自分が嫌になります。自分に自信をもてることがあって、自分は人より優れていると思う部分もあって、何でこんな人に彼氏ができてこんな人が結婚できて、私にはできないのか、と心の中でいつも思ってしまいます。そんな自分が心底嫌いです。まさに傲慢です。今の私は婚活に奮闘していた時の真実と同じです。
映画のレビューでは無くなってしまいそうですので、自分のことはここまでに。
リアルな現代の恋愛・結婚観、人間の生々しさが苦しくなる程描かれている作品です。原作の方が言葉が強調されて胸に響いてきます。この物語の良さをより感じるなら当然原作ですね。やはり本なので。言葉がしっかりと入って来ます。映画は映像でリアルに胸に届きます。原作を読んでからみるのがおすすめです。どちらも良いです。奈緒さん演じる真実、原作を読んで想像したそのまんまの真実でした。
嫌われないための善良は努力。傲慢さは時に人を素顔に導く。
藤ヶ谷さんと奈緒さんの距離感がとても自然。
お二人の写真がたくさん登場した冒頭のシーンは、お芝居としてではなく本当の恋人同士の写真のようで微笑ましかったです。
ただライトな作品ではないことを理解していたので、微笑ましいのは束の間でしたね。
架といる時の真実は間違いなく幸せそうだった。だとすればなぜ真実は姿を消したのか。
その後足取りを掴むべく架は奮闘するわけですが......。
架が真実の両親に会いに行ったシーンは、「この両親、世間体ばかり気にして自分達が信頼しているものは絶対に正しい。自分達が信頼していないものは真っ向から反対」みたいな雰囲気。
過去に真実にお見合い相手を2人紹介したという小野里、当時のお見合い相手など、周囲の人物から話を聞けば聞くほど、最初こそ「そんなはずない」と思っていた架にとっても、真実自身が自分の意思で架の元を去ったと思わざるを得ない状態に。
同時に自分が知らない真実の様子が周囲から語られることによって、自分が共に過ごした真実と、自分が知らない真実との間で剥離していく。
傲慢と善良。これは全ての人間に当てはまるのかもしれません。
人は見た目が100パーセントなんて言葉もありましたが、実際に視覚が占める割合は9割以上といわれており、相手の印象はほぼ外見で決まるとも。
それは美人とかイケメンとか顔だけではなく、穏やかそう、怖そう、といった性格的要素も含みます。
人間というのは外見と少しの会話から得た僅かな情報から自分や相手に点数を付けてしまう。
「僕なんて」「私なんて」と思う人でさえ、自分の価値は高いと思っているから自分と人生を共にする相手に妥協はできない。
「あの子いい子なのになんで結婚できないんだろうね」「明るいし話すの上手いし好きになってくれる人たくさんいそうなのに」と周りが言う人が結婚できないのは、自分を卑下する割には知らず知らずのうちに高望みしてしまっている「傲慢さ」がある。真実はそれに加え、親には従順になってしまう「善良さ」も持ち合わせている。
架自身も、小野里の話を聞くうちに、友人に真実とどのぐらい結婚したい気持ちがあるかと聞かれ「70%ぐらい」と答えていたことで、彼女に点数を付けていたことに気付かされ、自分の「傲慢さ」を知る。
それが架を取り巻く人物達によって真実に伝わっていたことも知り、自分を正当化しようとする様は滑稽でした。
真実が出ていった原因が自分にあるとは微塵も思っていなかった。だから真実の消息を辿るべく駆けずり回っていたのに。
その滑稽さが際立つ藤ヶ谷さんのお芝居が素晴らしいと感じました。
真実もあの家庭環境で育ったことで「本当の愛」を知らずに育った人物なんですよね。毒親の元で従順に育った一人の女性で、ただ本当に愛してくれる人と出会いたかっただけなのに。
真実はそんな親から重圧を受けて育ったから、早く架にプロポーズしてほしい焦りからストーカーなんて嘘をついてしまったけど、初めて一緒に居たいと心から思った相手が自分に70点なんて点数を付けていたと聞かされたら悲しみに押しつぶされますよね。
時間が経ち「あの頃の私は」と真実は自分を客観的に振り返り、架の上っ面しか見ていなかった自分を「傲慢」だと言い放ちます。
奈緒さんの繊細なお芝居により真実の抱える苦しみが伝わり、凄いなと感服させられました。
架と真実は再会して、架は真実に「やり直せないか」と提案しますが、しかし真実はやり直す気はないことを態度で示します。
その後真実がよしのに「今の若い子達って自分が恋愛してるかどうか人に言われなきゃ分からないんだ?カッコ悪くなっちゃうのは、それだけ必死だったってことじゃない」と言われたことで、再会した時の架がどれだけ必死だったのか思い出します。
架が自分が未熟だったことを痛感し真実に別れのメールを送ったことで、真実も架への気持ちに気付かされ、架に思いを伝えに行きます。
正直真実はボランティア活動をしていた高橋と一緒になる展開なのかなと思っていたんです。
しかし架も真実も互いの「傲慢さ」を認められたことで、見栄を張らず素顔を曝け出すことができ、共に生きていく結末を迎えられたんだと思います。
「傲慢と善良」というタイトルからは想像もしなかった奥深い愛の物語。素晴らしい映画でした。
何もなく無垢な2人の心
2人の出会いから別れ、それぞれが持っている肩書きなどを外すことで得られる新たな出逢い。
そんな2人の心情を丁寧に描きつつ、2人の心の距離感を大事に紡いでいる点は素敵に感じられた。
その関係性の描写はとても共感を持てた。
婚活ってなんなんだろう
原作小説は未読で鑑賞。
ハイスペック男子が婚活をして、ある女性とお付き合いをし、結婚目前までせまるが、突如としてその女性が姿を消してしまう。そこから、本当の彼女の感情と自分に向き合っていくストーリー。
個人的には私自身も婚活サイトやマッチングアプリを利用したことがあり、リアリティがあるなと感心してしまった。
特に、「婚活は就活に似ている」という言葉。お互いが雇用者かつ就活生の目線で相手を見定める。このひとは本当に信頼できる人なのか、欠陥がないかを探している。相手を品定めするような傲慢さを持ちながら、表面上は善良な人物を繕う。まさにタイトルどおりのことが起こっているのが今の婚活市場であると本作は言っている。
ネットを通じて不特定多数の人と交流ができるようになった今、結婚という人生の一大イベントにおいて、多数の人の中から自分に合う人を探し出すのに労力を使うことは自然で、広く浅く知り合うためには善良を演じなければいけないし、相手が自分の理想に反した場合はすぐに切り捨てていく傲慢さも必要になってしまう。
作品中では、彼女が突如として家出してしまうところから、ストーリーが動いていく。
高スペックがゆえに、女友達も多く、彼女たちはよからぬ嫉妬や噂話を広めてしまう。それを心配する彼女と主人公自身も引く手あまたがゆえに、この彼女と結婚してしまって本当に良いのだろうかと揺れ動く。
色々あって、最終的にはお互いが思っている「こういう自分でありたい」と相手が「好いてくれる自分」にはギャップがありましたという結末。
婚活を通じて相手の本心にせまる純愛ストーリーだった。
子育て中に出会えて良かったと思う映画!今の子供達は今後もっと婚活に苦労する。
原作はあえて読まずに、観に行きました。回を重ねる後に、そして副音声も聞くと、さらに新しい気づきと学びがあった。
自分と夫の結婚について、どれだけ傲慢だったか、、だから今夫婦関係で悩みにぶち当たっているんだと気づきた。でも傲慢な結婚の中でも、善良さも確かにあって、それこそ、私が今後の人生で大事にしていくべきもの。自分の軸や、夫の良さに気づけたから、これから夫婦関係に悩んでも、軸に戻ってこれると、夫婦関係の悩みの解決策を映画を通して、気づかせてもらえた。
また、今、小学生達の子育て中だけども、今は小学生達も、ゲームやYouTubeがほとんどの子達の日常になり、公園に行く子の方が少ない。高校生達は友達になりたかったら、対面ではなくインスタのメッセージから。。非対人コミュニケーションが多い日常を過ごす子達は、今後はさらに、面と向かって相手と向き合うことに恐れ、親から傷つかないように守ってもらってばかりで傷つくことへの耐性がない子供達は、恋愛へのトライにも臆病になるのは必至だろう。
しかし、親の関心ごとは、もっぱら、「我が子がどんな仕事に就けるのか」。そのための支援に、親は凄まじい労力を費やし、そのために母親はいるのかと思うほどだ。教育熱が高い地域に住んでいるけれど、習い事の話題ばかりで、子供が誰かと結婚したがった場合、我が子はできるか?という話は聞いたことがない。。
結婚は親は介入できる問題ではない、と思っていたが、子供時代に、色んなことを親に決められ、それに従順に過ごしてきた子供達は、恋愛したくなったとき、自分はどんな人生をあるみたいか、どんな人が好きか?という事にも気づけなくなるのは、当然だなと思った。
現代の少子化の原因は、不景気や結婚観の多様性だけでなく、子育てをする私たち親の関わりも十分にあるんだと私は感じた。
婚活中の方だけでなく、子育て中のママ達にも、おすすめしたい映画です!
藤ヶ谷くんと奈緒さん、皆さんの演技はとても自然体だけど、計算され尽くしたもので、さすがだなと感じました。ラストの2人の表情、お二人の人柄が滲み出ていた。
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