「夏に観れて良かった」ロイヤルホテル naokiさんの映画レビュー(感想・評価)
夏に観れて良かった
この映画はパブで働いていたバックパッカーがハラスメントを受けるドキュメンタリーを元に作られました。監督は女性で前作「アシスタント」はWOWOWで観て結構良かったです(主人公を取り巻く登場人物はクソでしたが…)エンタメ業界で働くジェーン役のジュリア・ガーナーはアシスタントに出るために生まれたんじゃないかという程この作品にマッチしていました。
サイレント期の女優のような雰囲気があります。
今回の作品でも主演を務めています。
あとヒューゴ・ウィーブィングが出てると知り何か聞いた事ある俳優さんだな・・・と思ったが結局、最後まで誰がヒューゴか分からなかったです。あとで宇多丸さんのラジオ「アフターシックスジャンクション」で「マトリックス」のエージェント・スミスと聞いて驚いた。(サングラスの印象が強い)
ヒューゴ演じる酒場の店主はセクハラやパワハラ三昧かと思いきや、それ程でもない。まぁ自分をコントロールできない駄目人間な訳です・・・お酒に溺れ、お金にルーズ、お客が来ないのは、お前ら(バックパッカー)のせいだ!とグチる。
やっぱり元凶は店主ですよね〜
酒場でワーキングホリデーする事になった二人に近寄ってくる男どもが何か仕掛けてくる度にドキドキハラハラしてしまう。紋切り型のホラー映画より怖い😱
ハラハラの頂点は老夫婦に絡むシーン・・・ほんとに自分がバーにいるんじゃないかと店員バイトのハンナに同化して、もう逃げ出したくなりました。TVだともうチャンネル替えるとこでした。あの絡んだ奴は一発退場でよし!完全微悪のようなハリウッド的なお話ではなく、とにかくリアルなんだけどプロの役者さんでガッチリと作られている。役者さんの演技を自然に撮らえられてる撮影もいい感じです。(室内や夜のシーンもいい)映像から醸し出す乾いた空気感がアメリカLAに行ったときの事を思い出しました。街並み外れると本当何もなく、あるのは工場街・・・夜開いているのはストリップバーに酒場。この映画に出てくる人達(ほとんど酔っ払い)何も無い町でパブで飲む事が癒しなのだろう。対比して思ったのが日本の大都会・渋谷で路上飲みが問題になってるけど、かえって私らの方が、この田舎の人たちより空虚さを抱えているのかもしれませんね。
季節的に夏が舞台の映画を観せてくれたのでポイントは少し高めにしました。
二人のバックパッカーはカナダから来たそうです。
そこは冬だから南半球では夏のオーストラリアで海に泳ぎたいという動機でワーホリに来たのでしょうか?