「悲しみの終わりの方」SCRAPPER スクラッパー MARさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しみの終わりの方
母を亡くし、ひとりぼっちになった少女の元に12年振りに父親が…。空回りする不器用な2人の絆を描いた作品。
友人アリと共に自転車を盗みながら生計を立てる等素行に問題のあるジョージー。そこに前触れもなくヌルッと父を名乗る男登場。
2人のチグハグな生活が始まっていく。
涙腺崩壊モノのドラマ作品かと期待していたが、割と淡々としており、これといってドワッと盛り上がるようなシーンもなかったかな。
逆に言うと、わざとらしく泣かせに来ているような感じがないのはそれはそれで良い感じ。それに加え、ちょくちょく意味ありげに携帯を手に取ったり、謎の部屋の存在だったり、後半に向けての展開が気になるつくりもグッドですね。
お気に入りキャラはやはりジェイソンですかね。まだまだ大人になりきれていない感じがありつつも、要所要所で父親としてのムーヴをしっかり見せてくれるし、その不器用さはまさに愛すべき青年ですね。
ジョージーも、12歳とは思えないしたたかさを見せつつも、例の計画のくだりなんかには、母を亡くした寂しさを抱える子どもの一面も。健気だねぇ…。
90分弱の尺も素晴らしい♪
いうなれば、このクライマックスはまさに”始まり”であり、これからの2人生活を是非ドラマ化してほしいと思った。
強いてツッコミ所を挙げるならば、普通に考えて、福祉局(?)に通報されるのが嫌だからと言って、見知らぬ男が家に上がり込んで来たら間違いなく警察に言うでしょw
んで、すぐに受け入れられないのは当然として、父親であるということは特に疑ってないのねw
さておき、地味な印象がありながらも、コミカルさに加え心にじんわりと広がるモノも確かにある良作だった。