「頼れて(られて)良かった」SCRAPPER スクラッパー ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
頼れて(られて)良かった
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取り立てて大きな騒動が起きたり、命の危機にさらされたりといったドラマはなく、しかも中途半端なドキュメンタリーチックの関連者インタビューが交ざるとか、走るシーンでは手持ちカメラらしい上下にブレブレの映像がスクリーン上に踊り、酔いそうになり集中力が削がれそうになる時もあった。
でも、空に行ってしまったママを追いかけたくて、夏休み中にスクラップのタワー(天井を突き破るほどの)を完成しようとするジョージーの健気さ、そして不器用ながらも妻からのボイスメールでやってきたジェイソンの「えいやっ!」って踏ん切りに良かったと共感し、互いに支え合おうとする姿に安堵しました。
しかしこの作品、BBC絡みということは、イギリスの児童福祉が破綻状態にあることの問題提起が含まれているのかなぁ。
ウィンストン・チャーチルなんて名前のおじさんがいるって説明を鵜吞みにして子供の一人暮らしを容認しているなんて……
少なからず辛い境遇の子供たちが事故や事件に巻き込まれてしまう我が国だけど「子供は取り囲む社会全体で関わり、育てる」ことはまだなんとか意識の中にあるだけましなのかなぁ、なんて思わされてしまう作品でした。
子供は世の宝なんだから。
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