「Apple Original Films」フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
Apple Original Films
最近、ようやく日本でも劇場にかかるAppleライセンスのオリジナル作品が増えてきた気がします。私自身はAppleTV+を契約しているため数か月待てば配信で観られる(はずな)のですが、無意識に劇場鑑賞を決めて上映時に「あ、Apple」と気づいても鑑賞後には概ね満足できる作品(例外はあります)でAppleの底力を感じます。今回はU-NEXTのポイントを使って109シネマズ木場の初日初回で鑑賞。客入りはガラガラに近いです。。
今作はアポロ計画の表ではなく裏側、しかも陰謀論としてよく語られる1969年7月の「アポロ11号による月面着陸」におけるCBSで中継放映された映像が実はフェイクであったという「都市伝説」から着想された物語。NASAが全面協力したと言っただけあって当時の関係者たちの焦りや打ち上げの臨場感などをしっかり感じつつ、コメディ要素もバランスよく散りばめられており、しっかり楽しめる作品に仕上がっています。
特に秀逸なのはキャスティングですね。自ら製作にも名を連ねるスカーレット・ヨハンソンが演じるケリーは、男ばかりの世界でも全く物怖じしない敏腕PR担当で、アイディアと行動力が豊かであり、そして勿論チャームに溢れる女性。元々は役者としての参加を予定していなかった彼女が、仕上がった脚本を見て「この役を演じずにはいられない」と感じて成立したキャスティングですが、最早彼女以外には考えられない仕上がりです。そして見逃せない、ケリーが身に着ける60年代ファッションの数々も素敵。
そして相手役コールを演じるのはチャニング・テイタム。大きな身体でも可愛げがあり、そしてコールの信念と誠実さがチャニングその人に重なって見える嘘のなさを感じて、物語り中数回あるコールの演説に涙腺を刺激されます。
さらにケリーの「秘密」も握る謎の権力者モーを演じるウッディ・ハレルソン。相変わらずどこかふざけているようで、言っていることは相当ヤバくて絶対に目を付けられたくないところなどは本当にお手の物。常に可笑しかったりピリッとしたりの緩急で、いつしかこの物語の「フェイクorリアル」の境界線が判らなくなるのはモーの存在感が大きく影響していると思えます。
さぁ、Appleライセンスの作品は、アマプラやネフリで観放題にはなりませんよ。気になる方はAppleTV+もお勧めですが、折角なら劇場で観てみてはいかがでしょう?それにしても何でこんなにガラガラやねん、木場よ。。
映画館に人が入らない時代なんですね。ディズニーランドにはあんなに行列ができるのに…。
単なる時間潰しじゃない、優雅な時間旅行、異文化理解が2000円弱でできる、かなりコスパのいいエンタメなんですけどね😩…