密輸 1970のレビュー・感想・評価
全106件中、61~80件目を表示
敵か?味方か?
キム・ヘス&ヨム・ジョンア、私とも同世代であり長く第一線で活躍を続けるお二人の競演を楽しみに、サービスデイの角川シネマ有楽町の午前回へ。客入りはそこそこで年齢層はやや高めな雰囲気です。
1960年代後半以降、韓国は「漢江の奇跡」と言われる経済成長期に入ります。国家主導で工業化が進められ、急成長に付き物の「公害」と「格差」という煽りを受ける1970年代半ばの漁村クンチョンが物語の舞台。当時、韓国はまだ輸入が自由化されておらず、海外製品には高い関税がかけられていた時代です。そこで、漁師たちは生きていくための手段として「密輸」に手を出すわけですが、、、
終始「敵か?味方か?」が判断し兼ねるバランスの登場人物たち。時系列が行ったり来たりする作りで、一度で完璧な把握は難しいですが、起こることのダイナミックさが「そんな細かいこと」を気にすることを忘れさせてくれます。そもそも、「その日暮らし」だったところからの「金遣い」や「急な出世」など、税関でなくても「怪しい」のはお見通しなのですが、そこには当然「裏」があるわけです。そしてまた、別の「鼻が利く」人間が裏をかこうと現れれば「混沌」は必至です。状況やその時の立場によって態度が変わる姿の滑稽さについつい苦笑が止まりません。
キム・ヘスとヨム・ジョンアのカッコよさは本作においても健在ですが、どの立場からも絶妙な距離感で、「敵か?味方か?」の関係性を曖昧にするトリックスター的な役割を担うオップン役、コ・ミンシがとてもいい仕事をしていると思います。またクォン軍曹役のチョ・インソン、あんたカッコよすぎるぜ。そしてまた、リュ・スンワン監督、脚本の観客の心をつかむ「そつのなさ」で満足度の高い一作となっています。
韓国がまだ貧しい時代のアクションコメディ、今は日本が置き去りですが
1970年ですか、日本製品を密輸したがる時代ですね、独裁政権で庶民は苦しく、ことにも女性の地位たるや酷いもので。ピカピカの日本の電化製品は宝物扱い。韓国が民主化される1987年まではまだまだ先のこと。しかし、以降韓国の発展は目覚ましく、日本に追いつき追い越せの奮闘努力で、既に多くの国際指標も日本を追い抜き、パナソニックなんて時代は過去完了、サムスン、LGのブランド力は遥かに上、ここまでずっと日本は政治の貧困により停滞のまんま。
本作で描かれる実にダサい当時の風俗をこれでもかのリアルで描く背景に、韓国社会の余裕が感ぜられる。エンドタイトルにはIMAXのロゴも見えるわけで、海中撮影の巧みからしてもとうに邦画のレベルを飛び越えた、第一級のエンタメムービーとなっている。
アワビ漁の海女さんが韓国にもいるってのも初めて知りましたが、大漁の成果で船が港に向かう背景にモクモクと黒煙を出す工場が、遠景ではあるもののしっかり画面に映し出し、物語の要件を映像で示す。案の定の工場進出による負の要因を提示に、生き残りを賭けた密輸品争奪戦の幕が切って落とされた。海女さんが主役ってことは女性対男性(しかもほとんどクズ野郎)の構図で、知恵比べが肝要となる。この辺りはハリウッドやイギリスの洒落た悪党どもの分捕り合戦に近いエンタメの王道です。
ハリウッドで引く手あまたのエミリー・ブラントそっくりなキム・ヘスが、美人代表で暴れまくるのが見所で、豊かな胸の谷間も遠慮なく、ド派手なファッションが様になる。対するベテラン女優ヨム・ジョンアは何故か日本の木南晴夏に似て、押さえの演技が魅力。この要の2人とも50代とは到底思えないのが凄い。中盤からやっと登場の悪人にイケメン役ばかりだったチョ・インソンが現れ、本当にクズのクズワル役にびっくり。それにしても手下の貧相な男どもの、哀れな程の下衆風情の役者を揃えるのも、また見事。
しかし海上での自由自在に動き回るカメラからして、多分スタジオでのプール撮影と思われる。当然に背景は合成で、水中撮影のボリュームからしても美人女優さん達を危険な撮影には晒してないでしょう。なにより凄いのがほぼ全編に渡って流される韓国の当時の「演歌」でしょう。延々とノリが良く、コブシも回った熱唱が否応なく70年代に引き寄せる仕掛け。ファッションともどもダサいを包み隠さず押し通した作戦勝ちでしょう。
ただし、やられ、やり返し、が目まぐるしく、お話について行けないとこもありますが、勢いさえあれば気にもなりません。すっかり歌謡曲に酔わされ大満足の作品でした。
もう、ただただ、オモロいが、サメ映画でもある。
タイトル大阪弁になってしまいましたが、大阪のノリの映画だと思います。密かに人情に熱い。そしてチラリと、酷暑の定番でもあるサメ映画でもあるのだ。
衣装や音楽が、日本でいうと昭和なの。私にはキム・ヘスがミラクルひかるに見えてしょうがなかったf(^_^;
楽しかった 海女さんが、 ドキュメンタリーとかじゃない映画に出てく...
楽しかった
海女さんが、
ドキュメンタリーとかじゃない映画に出てくるのが新鮮
『え?この人ここで死んじゃうの?』って思った人がいたけど、
やっぱり生きてた
海の中では海女さんが最強みたいな韓国映画。 本年度ベスト級。
テンポの良い展開に加え韓国映画ならではの騙し騙される感じが面白い!
でも1970年代の設定で演歌みたいな音楽が終始流れる感じと古臭いファッションが自分に合わず残念だった感じ。
漁村で暮らす海女さん達の物語。
港の近くに立てられた化学工場の影響で魚や貝が捕れず生活が厳しくなった海女さん達。
生活の為、海に沈められた密輸品を回収する仕事でお金を稼ぐ展開。
密輸の現場を税関に摘発され捕まったジンスと船から逃げたチュンジャの二人を中心に進む展開。
後半の海中での格闘シーンが見所だった感じ。
素潜りの海女さんvs酸素ボンベを背負ったナイフを持った男性陣達のアクションシーンが面白かった。
悪役がまさかの人も韓国映画っぽかったけど、全く予想が出来ませんでした( ´∀`)
さすが韓国映画・・
始まって15分くらいまではあれ?テンポ悪い?野暮ったい?ヘス姐さんのいいところは?何て考えながら見てましたが・・話が進むにつれて、そうそうこの感じ韓国映画はこうでなくちゃ‼️と、前のめりに。
楽しませてくれます。
ちょっぴりジョーズも思い出させるシーンもあり・・
キム・ヘスやっぱり姐さんでした。
気分爽快になれて良かった
めっちゃ、面白かった!
韓国の’70年代ファッションや、音楽もノリノリで目でも耳での楽しめた!
ストーリーも解りやすかったし、俳優のみなさんもお上手で、
憎らしい人は憎らしくて、本当にイラっとしましたもの。
特にドリとジャンチュンねっ!
ホテルでのアクションシーンも、特に海に潜ってのシーンなんで大変だろうに
それぞれに迫力あったし、手に汗にぎりながら楽しめました。
クォン軍曹がチュンジャを守るところ、かなり男気でカッコ良かったので、
ラストでニンマリできたし、
オップンの大活躍も含め、女の強さと友情の強い絆の部分も描かれていて、
観終わった後、気分爽快になれて良かったです。
タラ、シンチー、欣二なギラギラ男女
支持。
タラ、シンチー、欣二なギラギラ男女。
冒頭10分の手際、ギターベースドラムだけの劇伴に乗った。
中盤ヒネり過ぎて混乱したが、
終盤の限定空間アクション、
仕事人な某所でのクライマックスで挽回。
下衆な男達から強引に飛翔する女達の痛快。
同監督の快作ベテランを再見しよう。
正当防衛だよね
1970年代半ばの韓国の漁村クンチョンでは化学工場の廃棄物で海が汚染され、魚介類が取れなくなり、海女たちは失業の危機に瀕していた。リーダーのジンスクは仲間たちの生活を守るため、海底から密輸品を引きあげる仕事を請け負うことにした。しかし誰かの密告により、作業中に税関の摘発に遭ってジンスクは逮捕され、親友のチュンジャ1人だけが現場から逃げることができた。2年後、クォンの便宜を図るためソウルからクンチョンに戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ちかけた。密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュン係長らの思惑が乱れる中、海女たちは人生をかけた大勝負をする、という話。
全体を通してアクションも有り、騙し騙されのどんでん返しも有り、なかなか面白かった。
50年くらい前の衣装が笑いたくなるほどダサかった。
悪い奴が沢山出てくるが、アレが悪者とは、ある意味騙された。
胸を刺されたクォン軍曹も死んでなかったという事は、もしかしてジャンチュン係長も助かったのかな?いずれにせよ、命を狙われたんだから、正当防衛だよね?
チュンジャ役のキム・ヘスは上手かったし、ジンスク役のヨム・ジョンアは美しかった。
ただし、もっと若手の美人女優が居ても良かったかな。特に海女役なんだから、年配女優ばかりじゃなくても。
犯罪アクション・エンタメとしてのハイスト映画の系譜に、監督らしい味付けで新たな風というより波を
もしも海女さんが密輸したら…現場としてコキ使われる側の女性たちが団結して、使う側の(女性たちを分断させようとして彼女たちの団結を忌み嫌う?)クソ男どもを成敗する痛快活劇!敵も超権力のあるパワーキャラというより、ズル賢い系の小悪党感あってリアルだし、作品終盤の海中アクションが新鮮でよかった。やはりその場に慣れたプロは違うところをヤクザ者相手に見せてくれる一致団結連帯感。
作品全体的に高カロリーになりすぎることなくほどよい風通しの良さ=監督の得意とする作風(?)で、70年代当時の空気を醸し出す音楽もいい働きをしている。途中でサービスの強キャラによる派手なアクションシーンも挟んでくれて、楽しめる。あと、『魔女』の友達役が、今回も愛すべきコメディリリーフで笑わせてくれる。かわいいけど、それだけじゃない自分の立ち位置を見つけている。
海中に眠る金塊争奪戦開幕!舞台ステージを変えた新鮮さこそあれど挫折・韓国映画らしい安定感があって、特にこういう三つ巴以上の勢力入り乱れる図式になったときの犯罪映画の巧みさには唸らされるところがある。一見ブッ飛んだ要素や展開なんかも、見ていると半ば強引にでも不思議と説得力を持たせられるような力強さがある。流石リュ・スンワン監督!!
勝手に関連作品『オーシャンズ8』
P.S. 個人的には少しハマらない・ノレないところもあったけど、薬のせいもあってか何度か一瞬意識飛びかけるみたいなことがあったから、改めてちゃんと評価できるよう配信開始されたら見直そう。
キム・ヘスの演技が圧巻!
韓国らしい作品だが、ハラハラドキドキ感満載でスカッとする作品。
1970年代の韓国社会、文化も知る事ができる作品。
キム・ヘス、チョ・インソンがこの作品をしっかり締めた。特にキム・ヘスの演技は
圧巻。
以外と作品らしくしっかりまとめていた。
密輸品の日本製品に見たことがある商品もある。まさか、ナビスコリッツがあったとは。
バランスのいいカオス感でしたね(笑)
海女、チンピラ、密輸王、税関が入り混じってのサメまで入って、面白くないわけがないと観ました😌
始めは、アレッ、ちょっと違うのかな🙄
何か盛り上がりがに欠けるかなと思っていたものの、中盤からクライマックスにかけて、期待していたとおりで、最後はスカッとしました🤣
日本人が昭和を懐かしむように韓国も70年代を懐かしむのかしら?
1960年代の新東宝の海女物映画を思い出した、B級感が漂っています。それに加え韓国の十八番、警察官の汚職が絡み、チンピラとの胸糞悪い結託と趣味の悪い韓国歌謡曲が相まって、古臭さぷんぷん、何とも独特な世界観を醸し出しています。色気もないし、美人が出てくるわけでもないが、それなりには楽しめました。
痛快痛快。
善人皆無な痛快撃。ノリノリな懐メロ音楽も衣装も見ていて楽しい。悪人だらけなキャストで二転三転話が転がっていくから目が離せない。終盤のサメも交えた海人さんアクションはなかなか新鮮。いやー、面白かった。
まさに最先端のアクション映画なのに、あえてのバタ臭さがむしろ心地いい一作
キム・ヘスらの身体を張った水中アクションはもちろん本作最大の見どころで、シンクロナイズドスイミングを思わせるような優美な動きはこれまでの海洋アクションの常識を覆すほど。
しかもクライマックスに至る布石の打ち方も見事で、裏切りあい、騙しあいが重なり合う複雑な物語であるにも関わらず、筋道が見えなくなって見せ場に入り込めなかった、という事故が極めて起こりにくい作劇となっています。
スンワン監督は『モガディシュ 脱出までの14日間』(2022)でも卓越した物語構成力と演出力を示しましたが、本作でさらにその才能を更新した感があります。
アクションの質といい、脚本のきめ細かさといい、既存のアクション映画の知見を膨大に取り込みつつ一つの作品にまとめ上げて見せた、まさに現時点における最先端のアクション映画の一つであることは間違いないのに、時代がかった韓国の歌謡曲をガンガンにかけるあたり(舞台が1970年代の韓国の漁村なので、選曲としては妥当なのでしょうが)、スタイルの確立においては我流を貫く、というリュ・スンワン監督の強い意志が透けて見えます。
キム・ヘスら主人公の海女たちの活躍に目が向きがちなのですが、悪役を演じた俳優たちの(内容に触れるのであえて名前は伏せますが)、小ズルさや非道さを前面に押し出した演技が、実に憎らしく、倒し甲斐のある敵としての存在感を放っており、それが作品の魅力を一層高めていることは間違いありません。特に突然の凶行が発生するある場面の衝撃は、驚くというよりもむしろあっけにとられてしまうほど。
酷暑の続く現在だからこそ、本作の海中映像は一服の涼をもたらすはず……なんですが、本作もう一つの見せ場である、銃器ではなくなぜか刃物を多用した密閉空間での格闘場面は、暑苦しいうえに血なまぐさいので、テンション上昇と合わさって、むしろ体感温度は上がりまくるかも!
全106件中、61~80件目を表示