密輸 1970のレビュー・感想・評価
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ナツカオモシロイ
64年生まれのマタゾウにははっきりとした70年代の記憶がある。国も町も違うが何かしら相通じるものを感じる。本作は宇多丸さんも絶賛するのが納得いく娯楽作で、スジも映像も役者も音楽も、全てレベルが高く満足度が高かった。作品の傾向は違うが、「辰巳」と同様の映画満足感。音楽も当時ものらしく、日本の歌謡曲とも似たような感じ、釜山港へ帰れ風の曲も流れてた。登場人物では可愛く可笑しく泣かせるコ店長が最高じゃった。
久々の海外出張で羽田に行く途中で鑑賞するというナゾの行為に走ったわけだが、とにかく見ておいてよかったのである。そしてその足で出張なのにパンフも買ってしまったのである。角川シネマ有楽町のスタッフの方、「スーツケースを預かりましょうか」と申し出ていただきありがとうございました。
隣の席の兄ちゃんが盛んに前後に体勢を変える。「背もたれにドンともたれるのは前の席を蹴るのと同じく迷惑行為なのだよ」と思ったがそのうち映画に引き込まれて気にならなくなったのでした。
'70s海女シスターフッド+サメ映画
要素盛り盛りのクライムエンタメ
このクソアマめ!!!
公開終了ギリギリにして、なんとか滑り込みでリベンジ達成!いやぁ、映画中に寝るなんて良くないねぇ。今週の鑑賞スケジュールには頭悩まされたよ。ちょっとでもヤバい!寝るかも!と思ったら、これからはちゃんとポップコーンとアイスコーヒーを買うことにしよう。対策バッチリなおかげで、無事全編開眼👀
2回目見て思った。なんでこれ寝たんだ。ビッッックリするほど面白いじゃねぇか!「コンフィデンスマンJP」好きにはたまらない、最高の騙し合いバトル。韓国映画の真骨頂。これこそ、映画のあるべき姿。こんな映画が見たかった!アクションもドラマもクライムサスペンスも、ぜーんぶ自分好みの楽しいの詰まった傑作だった!
129分間、一切飽きない。テンポがとにかく良くて、スムーズに展開していくから海の流れに身を任せるかのように、ちょっとややこしい内容にも関わらずスっと頭に入ってくる。やたらリアルな描写も作品の質を向上させている要因だし、登場人物みんな個性的ってのもずーっとワクワクしちゃう秘訣。チュンジャがまあ面白く、お金のことならお任せ!な彼女は本作に持ってこい。彼女なしにはこの映画は成立しない。そう言い切れるほど。
クライムサスペンス、ドラマパートの面白さが異常。全体的に懐かしい雰囲気だからかコメディとして結構笑えるし、それより物語があまりに見応えで溢れていて、「密輸1970」のタイトルをきっちりやり遂げている。刺客とか、仲間とか、税関とか、群青劇の完成度だって高すぎる。
本作の凄いところはそこだけに留まらず、アクションだって「犯罪都市」に匹敵するレベルの大興奮。1回の戦いでこんなバリエーションを見せてくれるのか...贅沢極まりない。それも、陽気な音楽と共に繰り広げられる暴力には思わず笑っちゃう🤣長回しもすっげぇ楽しかった。
「密輸」そして「海女さん」という2つを見事に掛け合せ、ラストシーンなんかは映画の全てが集約されるように全ての要素が機能していて、ホントよくできた映画だなぁと感心した。こういう映画を作れる頭が欲しい。
この展開ならもっと盛り上げれるような演出出来ただろうな〜とか、コメディに寄りすぎるばっかりに緊張感が薄いな〜とか、思うところはあったけど、今年公開された韓国映画の中ではベスト3に入るほどの傑作くらいコメディだった。オップンがまじモナコ過ぎて笑っちゃう笑笑
間延びする
韓国映画はなんでこんなに面白いの?
シスターフッドもの
アバズレ
まるで昭和の東映作品を観ているような感覚で…「肉体の門」とかと似たようなテイストを感じるものの、お話としては面白かった。
が…あの韓国的懐メロをどう処理するべきか。
唐突に、大音量で挿入される。
その後に流れるBGMと同じなのだけど、いちいち興が削がれたりもする。
BGM全般が俺には合わなかった。
もっとハードな話かと思ってたのだけど…いや、ちゃんとハードではあったのだけど、どうにも噛み合わせが悪いというか、没入感が薄い。
安っぽいというか俗っぽいというか…アレも韓国の一面ではあるのだろうけど、華がねぇなぁって。
話しは嫌いじゃないんだ、ホントに。
虐げられた人々が「密輸」って犯罪に手を染める。そもそもが汚染物質を垂れ流す化学工場のせいなのだ。
それまで海の幸が豊富だった海で漁ができなくなる。
それ故だった。
劇中で「貧乏は罪だ」なんて台詞があった。貧乏だから犯罪に手を染める。極端だとは思うが言い得て妙だとも思う。
3年前に摘発された密輸事件で拗れた女達の友情が復活していく様とかも好きだし、大悪が税関の係長ってのも頷けたりする。
だが、どれもこれも昭和テイストで…なんの焼き直しなんだろうとまで思う。
監督があの時代ではなくて、あの時代の作品を復刻したいってんなら成功だとは思うけど…台詞も仕掛けも編集さえも、昭和の東映作品の匂いがプンプンしてる。
女性の自立ってよりは、男性社会への反抗とか脱獄とかがテーマだったと思う。
日本の女性蔑視も酷かったけど、韓国の女性蔑視も相当酷い…てか輪をかけて酷いなぁと思われる。
海女たちの背景は語られないのだけれど、あんな稼ぎもない港町で独身ならば、出てきゃいいのにと思うのだけど、それが出来ない事情でもあったんだろうか?
色々とツッコミどころはあるのだけれど、まぁ、夏だし、鮫はやっぱり怖いなぁなんて事を思い…特に目新しい事もなかったのだけど、物語はちゃんとしてたように思う。
海女さんが女性しか居ないのは、男性は漁に出るからなのかしら?それとも女性には海女に特出する性能でも備わってるのかしら。韓国の海女さんの風体も日本の海女さんと変わらずで、それはちょいと驚いたかなぁ。
ベトナム帰りと歌謡曲
密輸業者と税関と海女が密輸品を巡って争奪戦を繰り広げるクライムサスペンス。韓国映画らしい設定。でも、個人的にはかなりの大好物な部類。
どんな話なのかある程度イメージしていたし、そこから大きくズレることもなかった。でもそれでいい。嬉しいサプライズは、ベトナム帰りの軍曹たち。彼ら2人の格闘シーンはこんな映画(言い方は失礼だが)ではもったいないくらいにレベルが高かった。
お互いに騙しあい、裏をかこうとする。コンゲームのようでいて、でも熱い友情の話だった。やっぱり好きなタイプの映画じゃないか。舞台が70年代ということもあって、登場する人たちの言動に時代というか泥臭さを感じる。いや、韓国南部の港町だからなのかもしれないけど。
この70年代の舞台を彩るのが当時の韓国歌謡(と思われる楽曲)の数々。70年代の日本の歌謡曲もその傾向があるが、やたらとソウルフルだったりする。うまいと言うよりも染みるボーカル、シンプルなのに印象に残るメロディ。つらさや悲しみがにじみ出るあの曲たちがとても優しかった。
サメや船の航行のCGがちょっとしょぼいのも許せるくらいに面白かった。韓国映画で、この手のクライムサスペンスを作らせると普通にこのレベルになるってことがすごい。
騙し騙され
途中から面白くなるので我慢だ
とぼけたツラして容赦ナシ、そこにこそ”悪の魅力”が光る
生活苦から密輸品回収に手を染めたクンチョンの海女一同、しかし税関の摘発から逃れようとした際の事故で海女のリーダーにして船主の娘ジンスクは父と兄を喪い己も投獄される。
2年後、唯一摘発を逃れたかつての親友チュンジャが引き込んださらなる密輸ビジネス。ベトナム帰りの密輸王、クンチャンに幅を利かせるチンピラ、そして税関が各々の都合をぶつけ合う中、ジンスクは何を信じるのか、そして”ふてぇ女”チュンジャの真意はいかに。
暴力と悪意の緊迫に満ちたクライム作品はそれゆえにいかに展開に緩めを利かせるかが魅力のカギを握ることが多いが、本作はそれをよく理解しているといえる。
既に他レビューにあるようにハッキリ言ってあぶく銭で70'sトレンドに耽溺するクンチャン住民の姿は我々の視点からは垢抜けないところがあるが、そうしたとぼけた絵作りは明らかに恣意的なものであり、騙しの連鎖と「お前がラスボスなのかよ!?」な展開を絶妙に下支えする世界観を築くことに成功している。
騙しの口八丁で盤面を左右すれどもいざ暴力を剝き出しにされると抗うすべのない女たち……それが海面の下では流麗に命をもぎ取る襲撃者に化ける。そのギャップに痺れる頃には既に本作の虜であろう。
中々の快作である。
最初から最後までずっと楽しい、爽快な映画
エンタメのお手本のような映画。お話のテンポがいい、音楽もノリノリ、クセが強い登場人物たち、犯罪と裏切り、コンゲーム、最後に爆発するアクション、爽快なシスターフッド。どこを切っても良質の海洋クライムアクション。
とにかく俳優たちが素晴らしく魅力的。特にキム・ヘスは、やることすべてキマっていて眼が奪われっぱなし。チョ・インソンとの絡みの距離感の表現が凄い。
めちゃくちゃカワイイのにめちゃくちゃ面白いという得意技をガンガン見せつけてくれるコ・ミンシも素晴らしい。得意な役柄とはいえ難しい役のはずだが、めちゃ細かい芝居の積み上げで面白くもリアリティーのある人物を作り上げている。
音楽も最高。当時の曲を上手く生かすような劇伴の作り方になっており、韓国の音楽に詳しくなくても登場人物たちの感情を補間してくれる。
出し惜しみなしの水中撮影も素晴らしかった。冒頭とラスト近くで繰り返される連携が熱い。
アクションが凄いのは言わずもがな。地上でも水中でも。
とにかく年間何本も出ない良質のエンタメ作品なんで、迷うことなくすぐに観るべき。
海女最強説
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