モンキーマンのレビュー・感想・評価
全72件中、41~60件目を表示
怒りと復讐心こその拳
『スラムドッグミリオネア』以降、俳優として着実に実績を残して来たデブ・パテルが、まさかこんなハードなアクション映画に出演し、監督まで務めるとは思ってもみませんでした。インドの地下社会の格闘技ビジネスで噛ませ犬役として生きる男が、暗黒街のトップに接近しようとします。彼の目的は何か、それは達せられるのかというお話です。
銃は殆ど登場せず、近接戦での激しい殴り合いの迫力とスピードが圧倒的です。それは、『ジョン・ウィック』はじめ近年のハリウッド・アクション映画で見られる傾向でもあります。しかし、違うんです。僕が観たいのはアクションそのものではなく、その源となる物語です。同じ拳でも、本作のモンキーマンの怒りと復讐心が乗り移った拳は唸り声を上げています。観る者の「ぶっ殺せぇ~」という思いも乗った重さがあるのです。
初監督作でここまでの熱量を映像に焼き付ける事が出来るデブ・パテルにはこれからも期待が高まります。
敵と遭遇する前にマスクを自分で脱ぎ捨てちゃう奴を「モンキーマン」と呼んでいいのか?
正直、そこまで観たかったわけではない。
ただ昔、僕は『バードマン』を映画館で観たことがあって、
今年に入って『ドッグマン』も観た。
ここは「桃太郎のお供」的なロジックでいうと、
ぜひ『モンキーマン』も観ておかねば……!!
そんな、くだらない義務感に駆られて行ってきた。
ほとんど予備知識ゼロで観たので、
いくつかびっくりポイントがあった。
●その1 いうほど「モンキーマン」が活躍しない!!
冒頭、猿の仮面をかぶって出てきたら、
ひたすらやられっぱなし。
覚醒後に改めてかぶった猿の仮面は、
リングで二人倒したあと、
敵本陣に推参してすぐに自分で脱ぎ捨ててしまう。
ぜんぜんモンキーマンの話じゃねえじゃねえか!!(笑)
観る前は当然のことながら、似非アメコミ・マスクドヒーローものみたいな話を想像していたので、ある意味虚を突かれた。
というか、総じてDCとかマーベルのヒーローものは、個人的に吐き気がするほど嫌いなので、こういうリアル寄りのほうが断然良いのだが、「サナギマン」並みにしか扱われない「モンキーマン」をタイトルにして映画館に客を呼ぶのは、軽く詐欺ではないのかと不安には思う。
タイトルの割に、マスクドヒーローとしてのこだわりがなさすぎる(笑)。
だいたい「マスク」というのは正体を隠すためのツールなのに、ぜんぜん本人正体隠す気ないし、敵も主人公が誰か知ってるし、結局、敵に見せる前に自分で脱いじゃうし。
せっかく「モンキーマン」ってタイトルつけたんなら、本人が自分をハヌマーンの化身だと自覚して覚醒するようなシーンで、もっと盛り上げてもいいと思うんだよなア。いちおう『ロッキー』みたいにヒジュラ教団で鍛えてはいたけど。
せめて『モンキーフィスト 猿拳』のユン・ピョウみたいに、猿由来の拳法くらい使えよ(笑)。
●その2 この見てくれでインド映画じゃない!!
心の底からただのインド映画だと思って観ていたので、主人公が実はイギリス人で、映画はアメリカやカナダの共同資本で、撮影場所は全編インドネシアと訊いて、マジでびっくり。
ここ、インドじゃなくてインドネシアなのかよ!
設定としてはインドの架空都市らしいけど。
先入観ってこわいわ。サリー着たママンが出て来て、ハヌマーンがどうとか言い出したアヴァンの段階で、完全に気分はインドになってました。
言われてみれば、ボリウッドダンスを誰も踊らないし、誰も歌わないし、出て来る拳法も明らかにカンフーとテコンドー寄りだし、ふだんのインド映画のノリとはだいぶ違う。
そうかあ。インド人が作ったわけでもないし、
インドで撮ったわけでもないから、
どこからどう見てもインドの話なのに、
全体にあんまりインド映画っぽくないんだな。
― ― ― ―
『モンキーマン』のノリは、インド映画のそれでもなければ、アメコミヒーロー映画のそれでもない。
明らかに本作は、『ジョン・ウィック』シリーズの再現を企図した、ダーク系のアクション映画であり、ブルース・リー・リスペクトの趣味的なファン・ムーヴィーでもある。
監督=主演のデヴ・パテル自身が、『ジョン・ウィック』(←アメリカ要素)や『ザ・レイド』(←インドネシア要素)に影響を受けたとはっきり言っているが、そもそも彼は幼少時から筋金入りの「カンフー映画オタク」だったらしい(部屋中にブルース・リーのポスターを貼って、自身もその影響でマーシャルアーツを始めたとのこと)。
一撃必殺のとどめの突きを食らわせ続ける主人公の体術は、ブルース・リーの動きを明らかにトレースしているし、題材が「復讐」で、一度前半で「やられて」後半で「覚醒する」流れもドラゴン映画と同じだし、何よりラストで「塔」が出て来て、ガラスの対決部屋が出て来て、最上階のラスボスが出て来る流れが、『燃えよドラゴン』『死亡遊戯』とまるきり一緒である。
あと、三原色の光が入り乱れるエレベータが開くシーンなどは、『死亡遊戯』と同時に、ニコラス・ウィンディンク・レフンの『ドライヴ』をも彷彿させる(血まみれの復讐劇で痛みを伴うアクションってところもレフンとはよく似ている)。
監督本人は、「僕の頭にある復讐というジャンルをまったく新しいレベルに引き上げた韓国映画に出会った」と述べていて、どうやら『オールドボーイ』のことらしい。あと『アジョシ』も大好きとのこと。
『モンキーマン』は、こういった英米・中韓・インド・インドネシアのアクション要素がごたまぜになった形で、デヴ・パテルの中で昇華させた産物だといえる。
ただ、面白かったかといわれると、どうだろうか。
とにかく前半がたるい。テンポ感が悪い。
最初の出陣までが、あまりに長い。
しょうじき何度も寝落ちしてしまった。
江戸木純やジョーダン・ピールが賞揚するほどに、優れた映画だとはとても思えない。
なにより、カメラワークがあまりにウザい。
バトルシーン以外も、ひたすら手持ちカメラで画面がブレまくる。
短いカットを重ねすぎて、だんだん観ていてめまいがしてくる。
なんでここまでせわしない、神経症的な撮り方をしないといけないのか、よくわからない。
もう少し緩急をつけるというか、クセを抑えたほうがふつうに観やすいと思うんだが。
とはいえ、教団での復活のトレーニングの結果、ブルース・リーみたいな動きに目覚めて、いきなり賭けレスリング場で無双し始めたのにはグッときたし、敵本拠地に乗り込んでから、例の一団が颯爽と助っ人に登場するシーンでは思わず爆笑してしまった。あそこだけ、なんだかインド映画風の戯作味が濃厚だったな(笑)。
あれだけウジャウジャいた護衛を敵が上の階に連れて行っていないのは、さすがに意味がわからないし、連中がなぜモンキーマン(と助っ人部隊)を火器で制圧しようとしないのかも、よくわからない。
とはいえ、結局あのあたりはブルース・リー映画の流れを再現することに主眼があるようなので、まあ仕方ないんだろうね。
全体に、ひたすらハードなアクションと「身体的に痛い」描写に徹して、「モンキーマン」を敢えて「正義のヒーロー」としても「強いヒーロー」としても描かず、単なる「復讐の鬼(猿)」として突き放して描写するつくりには、好感がもてる(平気で警官も殺しまくってるし)。監督が愛をもって本作に本気で取り組んで、ボロボロになりながら作り上げた熱意と気概も、十分に伝わった。
ただ、やっぱり撮り方とドラマづくりには、もう少しやりようがあったように思う。
デビュー作ということなので、まずは次作に期待というところか。
猿神様?の復讐劇
いつものデブ・パテルとは大違い
【”ハヌマーンの覚醒。そして、ラーマーヤナ。”先生‼デヴ・パテル君は良い役者なので、監督・脚本に手を伸ばさずに役者に専念した方が良いと思います!”デヴ・パテル君、どうかね?”分かりました・・。”】
ー ご存じのように、デヴ・パテル君と言えば、「スラムドッグ&ミリオネア」で世界に登場し、その後も「チャッピー」「奇蹟がくれた数式」「ホテル・ムンバイ」で、とっても良い人を演じて来た俳優である。
近作の「グリーン・ナイト」でも、基本的には同様の役柄であった。-
◆感想
・今作での彼の役は”キッド”という幼い頃に母を悪徳警官に殺され、その後闇のファイトクラブでの殴られ役をやりながら、ウエイターもしているというモノなのだが、兎に角ストーリー展開が粗いのである。粗いったら、粗いのである。
・これは、明らかに監督・脚本を手掛けたデヴ・パテル君の力不足であろう。誰か”あのー、デヴ・パテルさん、脚本が粗すぎませんか?”と言わなかったのだろうか?
言えなかったのだろうなあ。だって、この作品はほぼデヴ・パテル君による、デヴ・パテル君のための映画だからである。
<アクションシーンはナカナカだったが、本当に”ジョン・ウィック制作陣”が”本気で”絡んだのかな。スタイリッシュでは無く、只管に血塗れアクションである。
序でに言えば、カメラワークも手ブレが激しく、見づらい事限りなしである。
とまあ、可なり辛口で書いたが、発想は良いのだから、その発想を次回からはプロの脚本家や監督に任せるよーに(エラソー。)
俳優は、ある程度成功すると、監督をやりたがる人が多い気がするが、殆どが失敗しているからね。>
これはねぇ…
この作品を選んだ理由
デブパテルさんが監督、脚本、原案、製作を兼ねており、第9地区とチャッピーに出演しているシャルトコプリーさんが出演し、なおかゲットアウトやNOPEのジョーダンピールさんが製作に関わっているから。
でも、皆さんのレビューを拝見すると、一抹の不安あり。
上映館、上映回数も少なく
11:30スタート。
20人程の入り。少ない…
内容は、つまらなくはないけど、凄く面白いわけでもない。
扱っているテーマも、宗教や親子愛、ジェンダーやバイオレンスにアクション、政治ありなんだけど、どこか中途半端。
ただ、デブパテルさんの意気込みは伝わってきた。
監督業はこれからも期待。
それにしても血が多すぎ…
本日の映画館は今年
11月末に閉館です。とても残念です
アンケートで観たい作品を上映してくれるそうです。
グランツーリスモとインターステラーをリクエストしました
❓右の頬を打たれたら左を差し出せ‼️❓
一度見ただけではストーリーの理解が大変。
今年304本目(合計1,396本目/今月(2024年8月度)29本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
インドほか、多数の国による合作映画で、分類としてはインド映画になるのでしょうが、インド映画特有の踊りのシーンはないし、例の左下に出てくる謎の警告表示もなかったりします。
お話としてはインドの架空都市を舞台にした、地下(非合法な)格闘場を舞台にした復讐もの。
この映画の特徴として、とにかく画面が暗く状況を把握するのに時間がかかることと、複数の国の合作のため、インド語(便宜的に使用。インドで話されている諸言語をまとめて指すもの。以下同じ)の字幕が英語とともに出るので、その読みとりも求められてしまう点がそこそこ厳しいです。ただ、ストーリーとしては単調な部類で、誰がみてもある程度は理解できても、インド神話等も出てくるのである程度から先は知識がないと詰まるのではないかな…といったところです。
とはいえ、インド映画といえば踊りがあったり3時間枠だったり、あるいは左下の謎の警告表示だったりするわけですが、インド映画に分類「されうる」割にはそういった部分はほぼなく(そもそもダンスシーンすらない)、こういうタイプも良かったな…というところです。
採点に関しては、上記の「各国合作であることから生じる問題」について書いておきます。画面が暗めで展開する作品なので字幕をしっかり読まないと厳しいという部分にも関係してきます。
---------------------------------------------------------------------------
(減点0.3/英語の字幕が英文法的に怪しい)
上述通り、インド語(インドで話される諸言語)は英語による字幕、さらに日本語の字幕と出てきますが、文法的に怪しいところがちらほらあります。
先に述べたようにインド神話等も入ってくるので、宗教関係の単語が多めに登場しますが、「私はあなただけを崇める(あがめる)」という文において、
> I only worship you.
…という字幕とともに「私はあなただけを崇める」という日本語字幕も出ます。
しかし、副詞only「~だけ」は、その限定する語の直前に来るのが大原則です。「~だけ」というのは「(他の人ではなく)あなただけ」なので、 I worship only you. が文法的に正しい文です。この位置にあると、「私はあなたを崇めることだけをする」という「崇める」に対して「それだけ(ほかのことはしない)」という意味に取れてしまいます。
この点、実は話し言葉においては、onlyを助動詞の後、動詞の前に置く(この例と同じ)ことも許容されますが、その時は強調する語を強く発音するなどが必要です。何が限定されるのかがわからないからです。しかし話し言葉といっても字幕に登場する以上、どこかが「強く読まれる」という概念はないので(インド語が聞き取れれば話は別でしょうが)、この英文は何を言いたいのか2通り(「あなただけ」か「崇めることだけ」か)に取れてしまいます。
※ ほか、関係代名詞の非制限用法が怪しかったりという部分がいくつかあります。
この点はまぁ細かいといえば細かいのですが、他言語を挟んで英語が出るときは、日本語字幕にしばしば(どれだけ注意しても)誤訳が生じるように(書籍であろうが映画であろうが「ある程度は」生じる)、どちらの解釈もできてしまう点に関してはまずいのではなかろうかと思えます(前置詞ミス等はミスがあっても一つの解釈しかできないため)。
未確認動物UMAではなく、猿か、ゴリラか悟空か?
『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
『ホテル・ムンバイ』のロンドン系インド人の俳優デブ・パテルが、
ニューデリーの底辺、裏側をボロクソに暴き出し、家族や近隣地域の人達のための復讐としているが…
バンダル・マーナブと言うUMAではなく現政権へのテロに見え、過激な殺戮は架空の境界を超えているように感じた。
監督脚本の彼の真意は何だろうと心配だなぁ
それにしても、盗品札入れのバトンリレーや拳銃密売所の案内リレーは凄かった。
(^ω^)
モンキーマン
劇場公開日:2024年8月23日 121分
「スラムドッグ$ミリオネア」などの俳優デブ・パテルが構想に8年をかけた監督デビュー作で、
架空のインドの都市を舞台にひとりの男の復讐劇を描いたアクション映画。
幼い頃に故郷の村を焼かれ、母も殺されて孤児となったキッド。
どん底の人生を歩んできた彼は、現在は闇のファイトクラブで猿のマスクを被って「モンキーマン」と名乗り、殴られ屋として生計を立てていた。
そんなある日、キッドはかつて自分から全てを奪った者たちのアジトに潜入する方法を見つける。
長年にわたって押し殺してきた怒りをついに爆発させた彼は、復讐の化身「モンキーマン」となって壮絶な戦いに身を投じていく。
パテルが自ら主演を務め、
「第9地区」のシャルト・コプリー、「ミリオンダラー・アーム」のピトバッシュが共演。
パテルとともにポール・アングナウェラと「ホテル・ムンバイ」のジョン・コリーが脚本を手がけ、「ゲット・アウト」のジョーダン・ピールがプロデュースを担当。
第31回サウス・バイ・サウスウエスト映画祭で観客賞を受賞した。
モンキーマン
劇場公開日:2024年8月23日 121分
復讐するは我にあり‼️
文句もあるが、嫌いじゃない
ハヌマーンはタイだと思ってました。(byウルトラマン)
スラムドッグ$ミリオネアのデヴ・パテルが監督・脚本・主演の復讐劇。
ジョン・ウィックの大ファンらしくアクションシーンの所々というか全体にオマージュが見られる。(「ジョン・ウィックも使ってた銃だぞ」ってそのまま過ぎw)
権力者やお金持ちが悪党で搾取されている底辺庶民がそいつらを倒すというのはどこの国でも気持ちの良い物語として不動の人気なのかと思うが、インドだと上下の格差がとんでも無く大きい分、見終わった後のカタルシスは相当ではと期待をしていたが、思ったほどではなかった。
多分ジョン・ウィックのアジア版感が強すぎなのと尺の長さで途中で飽きてしまったのが理由だと思う。
ヒンドゥ教の宗教観をベースにしたヒーローものだが、地下闘技場でタイガーが「ここで皆が信じているのはインド・ルピーだ!」というセリフが一番の本音に聞こえた。
シヴァ神は、オネエの味方です
Bleach
地下格闘場の噛ませ犬をして暮らす男が幼い頃の復讐に燃える話。
八百長試合のコマとして働きながら故郷を焼き家族を殺した輩を捜す中で、マッチのロゴを手がかりに上流階級のラウンジに従業員として潜入して巻き起こっていくストーリー。
たまには勝たなきゃオッズだだ下がりじゃ?なんて思うけれど、それは置いといて話しが展開して行き、なんだかあっさり…調べるよりワンコ手懐ける行の方が長くね?
流石にすんなりいかないのは良いとして、途中から長い回想が入ったりしてまったりだし。
アクション作品ではあるけれどそこにワクワクするものがあまり無いし、ドラマは妙に哀愁たっぷりだけどテンポが悪くて中途半端な仕上がりという印象。
リキシャがターボ付きなのは萌えたw
モンキーマン?
インド版 ジョン・ウィック
全72件中、41~60件目を表示