「Absurd」またヴィンセントは襲われる ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Absurd
目線が合ったら襲われるという超理不尽な状況をテーマに作られた作品で、ワンシチュエーションもの×スリラーとかいう好きなものに好きなもののっけたどんぶりみたいな作品に惹かれて鑑賞。
自分も私生活だとずっと見られっぱなしとかは嫌だよなとか考えてしまい、目線を逸らすことが多い人間なので、そこんとこにも注目していました。
最初はインターン生と目が合ってパソコンでぶん殴られ、次は同僚と目が合ってボールペンで腕を刺され、車に乗った婦人と目が合ったら轢き殺されそうになって、近所の子供たちと目が合ったら噛みつかれ殴られという理不尽のオンパレード。
最初こそ少し横柄な態度のヴァンサンの行動にも非があるのかななんて見ていましたが、全員殺す勢いでかかってくるのでもうそれどころではないという状態にゾクゾクしました。
田舎に逃げたって、関わろうとしてくる人が結構いるのでやはり襲われ、肥溜めで襲われるシーンは物理的にも精神的にもキツいだろうなと観てるこちらも視線を逸らしてしまっていました。
飲食店の店員のマルゴーとちょっと親密になったかと思いきや、やっぱ目線が合って襲われて、と思ったらイチャイチャしちゃってとちょっとだけ人間らしさが感じられるシーンが差し込まれて面白かったです。
ヴァンサンが目線が合ったら襲われるというのをマルゴーに証明するためにスーパーに突撃していったい何人と目線合わせたんだレベルで客をゾンビ並みに引き連れてきたシーンはめっちゃ面白かったです。1人くらいにしろよというツッコミは胸に潜めて。
どうやら世界中で一般人が暴徒化する世界になっていたみたいで、街中で人が人を殴り蹴りまくる異様な光景になっていて、衝撃的な絵面にこれはクライマックスどうなるんだろう…と思って観続けていましたが…。
終わり方は投げっぱでなぜ襲われるのかという事に対しての解決は特になかったのは惜しいなと思いました。あえての余韻なのかもとは思いましたが、ある程度決着はつけて欲しかったところ。
ただ原因不明のものが治ったら今度はヴァンサンが襲ってしまうという不可逆的な行動は面白かったので、そこを突き止めていっても良かったのになぁと思ったり。
全体的に粗い作りなのは否めず、視線を合わせない対策として一回サングラスかけるのを試して欲しかったです。多分越しでも襲われるんだろうなとは思いましたが、一回実行した上でってのがなかったのでモヤっとしてしまいました。
光る設定をしっかり活かしていて、個性強目の作品になっていました。
リメイクの話が出てるそうですが、なんでこんなにリメイクするんでしょうか…もっとオリジナルでの面白いもの作っていきましょ〜。
鑑賞日 5/16
鑑賞時間 16:20〜18:15
座席 G-2