「不条理サバイバルスリラー&ラブストーリー!?」またヴィンセントは襲われる ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
不条理サバイバルスリラー&ラブストーリー!?
視線があうと襲われる主人公ヴィンセント(でも、字幕はヴァンサンでルビがヴィンセント)の設定ですが
実はヴィンセント以外にも襲われている人がたくさんいることがわかります。
その謎は解き明かされません。ウイルスなのかなんなのか不明なままなんですね。
犬🐕は襲ってこないし、襲う人を見分けられる。縫合の技術を身につけておかないと大変・・・等、
同朋からアドバイスを受け、着々と準備するヴィンセント。
とあるハンバーガー屋でいい感じの女性といい感じの仲になるのですが、
その女性からも襲われるという悲しさ、むなしさ。
その彼女に手錠をしてまでコトに及ぶ執念は男女ともにスゴイなと思いました。
人間の根源的な欲望は、死生観すら凌駕するのですね。いやぁスゴイ。
最後は襲われる人・襲う人入り混じって凄まじい光景に。
これって、そういう状態にならなくても、今現在、戦争状態な国は同じようなものなのかもしれません。
その人たち・国は意思を持って人を殺しているわけであり、
本作の襲う人とは全く違うわけです。
そういう現実の不条理への批判もあるのかなと感じ、そこは私も好意的に受け取りました。
それがなければ割と胸くそな映画だと思いますね。
ヴィンセントとマルゴーとの恋愛模様は、ちょっとどうなの!?必要なの!?と
サバイバルスリラーで通して欲しかったというのが本音ではありますが、
このおかげで鑑賞後感は悪くなかったですね。
主人公の造形が割とごっついのですが、その主人公が襲われるという設定は見応えありましたし、
ラスト近くでは主人公が恋人を襲うというシュール且つ悲しく切ない展開になるのもリアルで良かったと思います。
宮崎のワンダーアティックシネマで鑑賞しましたが、貸切で鑑賞させていただきました!気持ちよかったです。