「縁とゆかりに」骨なし灯籠 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
縁とゆかりに
クリックして本文を読む
序盤から「なんかここ行ってみたい、なんなら住みたい」と思った。
祭りは映るが名所などは出ないのにそう思わせた時点で、ご当地映画としては満点だろう。
何気ない景色を“聖地”に出来る魅力を感じる。
ストーリーとしての厚みは、正直ない。
半ドキュメンタリー的な日常描写が中心で、大きな起伏もなく進むので退屈さも否定しない。
しかし、このあたたかな人と街並みに惹きつけられた。
そしてそれが、これ見よがしなエピソード抜きで人物に奥行きを与えていたように思う。
大袈裟でないコミカルさもいいアクセントになっていて、親切よりおせっかい寄りの人々を馴染ませる。
この下地といくつかの要素が終盤に活きていた。
ツッコみどころはいくつもある。
一番大きなものとしては、“彼ら”が現世に与える影響の境目があまりにアヤフヤなこと。
また、直樹はじめ住人が良い人すぎたり色々都合がいい。
れいがどういう人間で、“あかり”の服や鞄が彼女のものであった理由もよく分からない。
母校でもないのに学校連れてったりも不自然。
でも、『骨なし灯籠』や『灯籠まつり』が物語に有機的に絡んでおり、あの土地である必然もちゃんとあった。
細かいところさえ許せれば、再生+ご当地ものとして秀作かと。(エンドロールの中学生はやりすぎだけど)
お盆時期の定番になってもいいくらい。
最後、(多分)旦那のお供え物からもらった米粒でつくった糊を作品づくりに使う友恵さんが好き。
期待通りパンフレットにロケ地マップが付いてたので、是非山鹿を訪れたい。
コメントする