教皇選挙のレビュー・感想・評価
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ネタバレされずに観れて幸いだった。素晴らしい作品。
ずっと観たかった本作、公開劇場拡大につき近くの映画館で上映してくれることになり、その初日に鑑賞。
言葉の一語一句聞き逃したくはなかったんだけど、いかせん自分の記憶能力で書き起こすことはかないませんが、素晴らしい作品でした。台詞を書いてしまうとネタバレになってしまうので、そこは割愛します。私はカトリック系の高校に3年間通っていたので、シスターたちにはより思い入れがあります。また最初の食堂でのシーンで彼が現れたときとその彼による食事の祈りの言葉にこそ今回の教皇選挙が象徴されているようで印象に残りました。
確信と疑念、信用と虚偽。枢機卿という立場でさえ人の業というのか、私利私欲で動いてしまう。冒頭から最後まで終始息づかいを感じるのは、どんな崇高な役職だとしても一人の人間なんだという証に見えました。まさに心理戦の醍醐味。ネタバレされずに観れたのが幸いしました。
事前知識なしで評判だけで観に行ったので、登場人物の名前と顔を一致するのに少し時間がかかりましたが、選挙のたびに名前が連呼されるため覚えることができました。なんといってもストーリーが良い、これぞ私が観たかった映画です。観に行けて良かった。吹き替え版もぜひ製作上映してほしいです。
聖職者達は意外にも世俗的だが崇高な映画
本年度ベスト級、重厚な人間ドラマ
遠い地バチカン、世界最古のカトリック教会ローマ教皇を決めるコンクラーベは私にとっては一種のファンタジー。無宗教の日本人だからこそ極上のエンタメとして最高に楽しめました。
薄っすらとしか知らないキリスト教、前情報もあらすじを齧るだけで充分。誰が主演?から鑑賞時始まったのに最後には今作の虜となった。
レイフ・ファインズ演じるローレンス枢機卿の周りには半世紀以上生きた老齢ばかり。選挙という名のパワーゲームではあるものの彼は選挙の進行役であり選挙の参加者でもある。そして次々に彼の胃を痛める事件や新事実が発覚し…。
登場人物の個性も役割も魅力的でした。国、人種、性別など関係なく訴えてくるものがある。
クライマックスは2度あった、どちらも号泣し脚本の巧みさに拍手喝采。レイフの息遣いを拾う音響の拘り。バチカン総本山でのロケーションは素晴らしく画角に収まらない芸術も美しかった。
感想は山程あるが興味のある方は是非足を運んで先読みの出来ないサスペンスと言う名のヒューマンドラマに酔いしれてほしい。
ファンタジー
改革派と保守派の正当な後継者2人を推すという葛藤が見たかった。が、スキャンダラスにする事でフィクションとしての面白さは出ているので、面白くは見た。
コンクラーベの進め方そのものは、バチカン内の方々の過去の日記や日報などを元にしてるので、かなり忠実だという事で、やはり、軸がしっかりしているものは安心して見れました。
ま、肉付けの部分としては、最後に明かされる事柄やその展開の仕方にしても、ファンタジーのよう。後出しジャンケンだし、観客を騙し討ちしてる。
ただ、それらを信仰する下々の者にとっては、決まったことが重要で、性別によって神のみ技が疑われたり、信仰が揺らぐことがないと、表現したかった。ともとれる。
前フランシスコ教皇が改革ということに、本当に寛容でありたかったことの表れのような気もした。
この作品の肝心なことは、感謝と謙虚と顧みる心であり、常に自分と闘い、自身の確信など吹けば飛ぶようなもので、自分に疑問を投げかけることの重要性を説きたかったのかもしれないと思った。
食堂でのシスターの姿が一番カッコいい。
HPに徹底解説ありますw
衣装やセットは豪華で見応えはあるけど…物語はよくある政治モノって感じでした。
近所の映画館ほぼ満席でした…が、何故こんなに人気作なのか分からない。海外の映画賞受賞作=良い作品って盲目的になってない?
キリスト教に馴染みのないと役職名とかイマイチ分からず物語進んでしまうので(自分がそうでした)、公式HPのキーワード徹底解説を読んでからの鑑賞をオススメします。
恥ずかしながら枢機卿すら読めなかった……。
I don't want your vote!
美しくて静謐でドロドロしてて
フランシスコ教皇が亡くなったタイムリーさで満席の中での視聴。
見た直後に思ったのはセリフや言葉の一つひとつが伏線になっていて最終一気の回収の素晴らしさ。
そして衣装や十字架などの小物の造形、システィーナ礼拝堂のミケランジェロの最後の審判見えるものが荘厳で美しい。
信仰という理想の追求をする集団でありながら揃わぬベクトルとそこで生まれる対立的な軋轢、差別的感情などなどを思うと信仰に疑問を思うというのも頷ける。
それと、もっと尺を伸ばしてもいいから登場する枢機卿の人となりをもっと紹介されていたらさらに感情移入できていたと思う。
もっと人物相関みたいなのがあってもよかったかなと。
枢機卿の数の108は煩悩の数だけにこれも伏線だったのかしら
主よ。。。
ファイアーブランドを観た同じ日比谷シャンテでした。
個人的な話ですが、若い頃にミサ曲ばかり歌う合唱団員でした。クラシック好きで軽い気持ちで参加したのですが、団員たちの信仰心について行けないものを感じて辞めてしまいました。
だからミサ曲歌詞にあるラテン語は聞き取れてちょっと嬉しかったけど。
ファイアーブランドはカトリックとプロテスタントの物語でした。宗教の宗派を語ればきりがないけれど、乱暴にまとめると、宗教はそれが生まれた環境と切り離せないし、広まる過程で変節するからこそ、時が経つにつれて解釈の違いで揉めるわけです。
昭和と令和でもう違う、不適切にも程があると言ってしまう私達です。2000年以上前を起源とし、2000年以上続いてきた集団が「どうあるべきか」というのが、本作「教皇選挙」の主題です。
今までのやり方は、今の時代適切か、否か。
亡くなりたての法皇は改革派だった。
次に選ばれるべき新法皇は、同性婚のような多様性を認める人か、排除する人か。
この映画が示したひとつの答を、実際のカトリック教徒の多くはたぶん受け入れないと思う。私がキリスト教から距離を置くようになったのはそういうところかもしれない。
時期が時期だったので
根比ーべ
静かな緊迫感
文句なしに面白い
神に仕える者でありつつも、誰もが聖人ではない。世界中からクセの強い枢機卿たちが集まるってだけでもかなりの事態であるのは当然で、その中から次の法皇が決まるのだから清くない戦いが繰り広げられるのも実に人間味が溢れていて面白い。
主人公はあくまでもそんな争いからは一線を引いて、なんなら離れたいくらいに思っていたはずであるが、無自覚だった己の野心を認めたその時に、あの事件が起こるのは、神の啓二かお怒りなのか?とでも問いたい場面であった。シビレル。
二転三転しながらも最終的には正しいところへおさまった‥と安心するのもつかの間。最後にはこれまた大きい爆弾が。
カトリックは色々と禁じていることが多い。教えをどう解釈するかでも異なる。その解釈をこの多種多様な時代に合わせていくのか、そもそも教えとは何のためのものなのか。
キリスト教に詳しくもない私でも、教えと正しい行いと理想との狭間に揺れ動く、人間の愚かさと崇高さを観た思いで大変感銘を受けた。
そして上映中のこのタイミングで現実にローマ法皇が身罷るというフィクションを超える展開。これは誰も予想できなかったよね。
汝、隣人を愛しなさい。
ほぼ満席での映画鑑賞で、サービスデーとはいえ、田舎の映画館では珍しいことです。
宗教画のような綺麗な映画でした。
序盤少しウトウトしてしまいましたが、終盤に盛り上がり見せてくれました。
名優ばかりの俳優の皆さんが、中盤までの少し平坦なストーリーを引っ張ってくれます。
効果音マシマシな感じで、無音の間が欲しかったです。
教皇選挙の手続きについて、「忠実に再現しているのだろうな」と思いながら拝見しました。
教皇選挙について、「チューザレ」という惣領冬実さんの漫画でも描かれています。
こちらは中世のお話しで、清濁溢れる人間模様が面白くお勧めです。
「確信」は宗教に近いものだと思いますし、暴走するきっかけと燃料になるのでしょう。
良い映画でした。
期待以上
何と闘うのか
観終わった後にしびれる感覚をくれるのが、私はいい映画だと思っている。
そんなしびれをこの映画も提供してくれた。
そもそも教皇がどのような役割を持っているのか、恥ずかしいほどに知識がないのだけれど、その座を求めて動く人がいるということはそれだけの影響力があるということなんでしょう。
神に仕える聖職者のトップを決めるのは人である、ということに、考えると変だな、面白いな、と思ってしまう。神からお告げを受けたものがなるものではないのか。ただ、トップがいることで秩序が産まれるのが社会でもあるので、コンクラーブそのものが極めて人間的な行動なのかもしれない。
コンクラーブを正しく行うというローレンスの想いが、途中からどこに向かうのかわからなくなってきたのが面白かった。人々を守るため?教会を正しく続けるため?真実を明かすため?そんな中、ベニテス枢機卿の言葉がとても印象的だった。
余談だが、全ての言葉がとても洗練されていて、こういう言葉を発せられるようになりたいと思った。
疑念とともに生きる
とてつもなく荘厳で面白かった。
人に勧めたくなるので文句なく星5です。
日本人から見るととかく海外の大雑把な部分を目にすることが多いけど、
やっぱり長い歴史を持つ宗教とそれにまつわる儀式に対しては、手抜きが無いし所作のひとつひとつに意味や美しさが込められていて見ていて気持ちが良い。
タバコの吸い殻ぽいぽいとかはちょっと時代的にどうなのって感じだけど、
それもまたリアリティラインの一部として、らしさがあって良い(笑)
ストーリーとしてはよくある選挙レース劇。
本命や対抗、大穴がいてそれぞれの思惑とスキャンダルが錯綜しながら進んでいく。
正直、別に教会でなくても話が成り立つ程度に俗っぽい説得や野心や賄賂が飛び交っているので、高尚さや荘厳さに尻込みせず単純な政治劇として楽しめる。
ビジネス系のドラマとかが好きな人は大抵すんなり飲み込めると思うので見てもらいたい。
しかし最後のどんでん返しは驚いた。
さすがに時代に迎合しすぎでは…?そもそも本当に教会の制度として問題ないのか…?
とエンディング中にぐるぐる考えていてはっと気付いた。
そう、気付けば自分は「疑念」を抱いていた。
これで教会は安泰だという「確信」を持てない結末だった。
最後に俗世を見下ろす主人公ローレンスとまったく同じ心境のまま幕が閉じていた。
こんな見事な伏線回収があるのか。すごいギミックだとひたすら感心した。
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