教皇選挙のレビュー・感想・評価
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期待度○鑑賞後の満足度◎ 驚くべき結末!「神が全てを創造したのであれば、この世にある全てのものはあるがままの姿が神の御心に適っている」正に其の通り。それを変に解釈して歪めているのは人間。
①因みに私はキリスト教徒ではありません。
②「確信」と「盲信」と「狂信」と…これらの境って確かにグレーだわ。
③こういう緊張感のある演出は心地好い。演技的にも出演者はみんな演技巧者なので安心感と安定感はたっぷり。
特に、教皇選挙のしきり役を任され(しきり役って我々庶民の仕事や活動でも大変な役回りなんですよね)、公平・公正な立場に立とうと思いながらも、革新派と反動派の板挟みになり、自分もパワーバランスの戦いに巻き込まれそうになりながら、やがて前教皇が何故自分を辞めさせなかったのかを理解するようになり、最後前教皇の(おそらく)希望通りの結果に辿り着くまでの上席枢機卿の苦悩を演じきったレイフ・ファインズがやはり見事。
④泉水のある広場を白い傘を指した赤い衣装の枢機卿たち(レイフ・ファインズだけ傘を指していない)が通っていくシーン。
昔の(特にヨーロッパ)映画には必ずこういうシーンが挿入されていたように思う。最近の映画ではあまりお目にかからない。
こういうシーンが映されると“ああ、映画を観せてもらっているなぁ”という気になりますね。
⑤中盤までの緊迫感が凄かっただけに、法王有力候補の二人が脱落する原因が世俗的過ぎて(まあ、普通こんなもんなのでしょうが)、こんな感じで最後まで行くのかな?、っとちょっと緊張感が緩んでしまったが、終盤にかけての捻りで盛り返しました、って感じかな。
⑥若い頃あんなにキレイだったイザベラ・ロッセリーニが初老の修道女役で助演している姿が、若い頃は神々しいほど美しかったのが晩年『オリエント急行殺人事件』(1974年版)で冴えない中年女を演じた(でも、この演技で3回目のアカデミー賞獲りましたけど)お母さんのイングリッド・バーグマンの姿とダブって感慨深いものが有りましたねぇ。
⑦自分が死んだあとに教皇の座を巡って醜い争いが起こることを予想しつつも極秘に秘密兵器を仕込んでおいた前教皇はタイトルに書いたような考えを持つオープンな心の人だったようだが、自分が死んだあとに親族内で血で血で争う事件の発端になる遺言書を残した『犬神家の一族』の犬神佐兵衛翁みたいだな、とちょっと思った。
本作では血で血を争う様なことは起こらないけれども、或る意味それより醜いことを炙り出すことになる。
⑧原題の“Conlave”ってそのまま片仮名読みすると「コンクラベ」⇒「根比べ」ですね。
1番相応しくない、と勝手に思っていた人物
「相応しくない」なんてぬるい表現じゃない、「あり得ない」と表現した方が正しい。
事前に「ラストに驚く」との情報を得ていたので、ある程度「驚く」パターンを予想したりして観に行ったのだが、それすらも手玉に取られたような気分だ。
女性では枢機卿にもなれない「閉じた男社会」の教会という組織で、染色体的に女性と見做される教皇が誕生するなど、あり得ないと「確信」していたから。
しかし確信ほど危ういものはない。確信とは思い込みであり、思い込みは可能性の芽を潰す。認識を曇らせる。本質から遠ざかり、隘路へと追い込まれていく。
常に疑念とともにある教皇を求め、これ以上ない適任者を戴いたラストは天晴としか言いようがない。
オープニング、レイフ・ファインズ演じるローレンス枢機卿が歩いていく姿のバックショットが続くのだが、歩くローレンスの荒い息遣いが推測を掻き立てる。不安か、怒りか、恐れか。
否応なく高まる緊張感が心地良い。この時点でサスペンスとして最高、という予感が湧き上がってくるのがまた良い。
コンクラーベを取り仕切る、という立場である首席枢機卿のローレンスが探偵のような役回りとなっている。もちろん事件が起こるわけではないのだが、協会の頂点である教皇に相応しい人物が選出されるよう、慎重に不穏な要素を調査していくローレンス枢機卿の苦労がしのばれる。
一方で、キリスト教徒裏技「告解」を利用し、情報を集めるしたたかな一面もあり、組織を仕切る手腕に関して言えばローレンスは抜群に秀でているだろうことも伺える。
ローレンスが表の目立ったコンクラーベを取り仕切るのと同様、裏方としてこの一大事を仕切っているのがシスター・アグネス(イザベラ・ロッセリーニ)である。
同じ神に仕える身でありながら、シスターたちは決して表舞台に立つことはない。描かれないが、枢機卿たちが広場に捨てた煙草の吸い殻を片付けたり、ベッドメイキングをしたり、コンクラーベだけではなく日々の教会運営に必要な「再生産労働」を常に引き受けている彼女たちをまとめている。
教会だけじゃなく、日本の一般企業なんかでもよく見る光景だなぁと思ったのは、アデイエミ枢機卿とのトラブルで泣きじゃくるシスターを慰めるアグネスの姿だ。
「女のことは女同士で」みたいな丸投げを、アグネスはずっと引き受けてきたんだろうなと思う。選挙にとって大事なことだから、という理由こそあれ、ローレンスがシスターの話を聞きたい、と申し出たこと自体、結構珍しい出来事なんじゃない?
このコンクラーベは女性を「過去の過ち」という形で排除した者が退場し、女性からの告発という形で排除された者が退場し、最後に「女性の部分を切り離すことを思い留まった」者が教皇に選ばれた。
思えば、すぐ側にいるのにまるで存在していないかのように扱われるシスターたちに、感謝の祈りを捧げたのはベニテス枢機卿だけだった。
ベニテス枢機卿の食前の祈りにハッとさせられたのはきっと私だけでなく、あの場にいた枢機卿の中にも「教皇に相応しいのはベニテス枢機卿だ」と感じた者がいたのだろう。最初の得票はそう感じた何名かの枢機卿によるものなのだと思う。
「神が私をそう創られたのだから、それを受け入れなくては」
ベニテスはそう言って微笑んだが、それは世界も同じた。私は一神教徒ではないが、神がこの世界を創られたのだから、言語の違いも、身体の差異も、ありとあらゆる多様性が神の御心であり、御業であるというベニテスの言葉に雷に打たれたような衝撃と納得を感じた。
私が枢機卿なら間違いなくベニテスに投票する。それはベニテスの言葉の奥深さと、ベニテス自身が困難を乗り越え苦しみの中にある人々に手を差し伸べ続けた純粋さを否が応にも感じさせられたからだ。
ここまでストーリーにばかり触れてきたが、映像表現も見事。特にローレンスが自身の名前を書いて投票した時、天井近くの壁が外のテロによって落ちてくる構図は絵画のような荘厳さを感じた。
同時に神からの「違う、そうじゃなーい!」という叱咤のようでもあり、神ツッコミ激しいな、と感じたものである。
紛糾する枢機卿たちの言い争いに終止符を打った上段の席に座るベニテスと、最下段からベニテスを見上げるローレンスの姿も宗教画として残しておきたい素晴らしいショットだ。題するなら「新教皇誕生を目の当たりにするローレンス」だろうか。
美しい映像と、重厚なサスペンス。そしてレイフ・ファインズの静かな演技。見応えしかない傑作であった。
味わい深い作品
DS祭り
未来は亀のみぞ知る
亡くなった前教皇は未来を見据えてローレンスならこう仕切るだろうと計算して託してこの世を去ったのだろう。
未来は神のみではなく亀のみぞ知るだ。
カメラを止めるなのホラー映画撮影のシーンもそうだったが前半は疲れるもののそこを乗り越えたらめちゃくちゃ面白くなる。
前半は半沢直樹か?おっさんばかりの権力争い。顔芸もあるし。
銀行で1円合わないと帰れま10状態で数字が整うまで執拗な選挙のし直しが繰り返される。コンクラーベは正に根くらべ。
大学の頃、イタリアやバチカン市国にも行ったが、こんなに狭い狭い小さい国でありながらキリスト教徒の世界的な信者数を考えるとローマ法王の権力ってすごいよなあさと思ったものだった。
べっぴんさんべっぴんさんべっぴんさんひとつ飛ばしてべっぴんさんという客いじりがあるが、ジジイジジイジジイひとつ飛ばしてジジイ、状態。
大勢のジジイの中でどのジジイが教皇になろうがどーでもええわー足の引っ張り合い醜いわ!
…からのまさかの展開。
観る前は現代の話じゃなく何百年も前の教皇選挙の話の方が方が興味深いと思っていたが、結果的に坊主がスマホを使ってるシーンもあるような現代の話だったからこそ、今の時代より先の未来を想像できるのだ。
亡くなった前教皇はこうなることは想定の範囲内だったのだろう。知ってて破門せず手術を勧めたのだから。
両性具有なのかはよくわからなかったが、LGBTの問題では無いのはわかった。
リーダーになるのに女性だからだめってことはないよな、もうこの時代。
日本の天皇の制度も男子でなければっていつまでも言ってたら人材が居なくなってしまう。能力があれば性別にこだわる必要なし!
そんな未来を感じる結末は嬉しかった。
亀は万年生きるというから、人の方は先に死んで、どんどん時代は変わっていく。バチカンの亀はバチカンの未来を見続けるのだろう。
神の子は、前教皇により、選ばれていた‼️
誰でも良くなったような?!ラストの展開でしたね。
いいえ、違いました。
最後に選ばれた辺境を布教していた枢機卿こそ、
神に選ばれし真の教皇・・・でした。
バチカン市国という世界一小さい国の国王にして、
全世界14億人のカトリック教徒のTOP
ローマ教皇が亡くなった。
そして世界各地から呼ばれた108人の枢機卿の中で、
何回も選挙(コンクラーベ)をして
3分の2以上の票を集めた枢機卿が次期ローマ教皇に選ばれる。
弦楽合奏の荘厳な音楽(ローレンスの内面を活写する)
システィーナ礼拝堂を作ったセットや天井画の素晴らしさ。
暁光でございます。
汚い権力闘争や足の引っ張り合い、裏工作・・・の末に、
正しい選択が成される映画でした。
ラストの30分前くらいで感じたことは、
「そして誰もいなくなった」という失望。
教皇に相応しい枢機卿はもはや誰もいないのではあるまいか?
しかしダークホースがいたのでした。
紆余曲折・・・
教皇の早晩の死を予測したひとりの有力な候補の筆頭の
トランブレ枢機卿は、
早々と手を打っておく。
それが最初に失格したアフリカ系のアデイエミ枢機卿。
彼の30年前のセックススキャンダルを、知った保守派の
トランブレ(ジョン・リスゴー)は、先を見越して手を打つ。
それはアデイエミ枢機卿が30歳の時に19歳のシスターを
おそらく不同意のセックスで妊娠させて、その子供は、
母親シスタターから引き離されてどこかで成人している。
そのシスターをコンクラーベの夕食の場に給仕人の一人として
呼び寄せていたのがトランブレ。
今回亡くなった教皇のダイイングメッセージとも取れる
一つの事実。
教皇がトランブレ枢機卿を嫌った理由が明らかになる。
それはトランブレが票のの買収を裏付ける銀行の出入金の
資料だったのだ。
セックススキャンダルの暴露で足を引っ張り、
買収で票の山積みを図る。
コンクラーベの管理人責任者のローレンス筆頭枢機卿
(レイフ・ファインズ)は、教皇不適任者をバッタバッタと
排除していく。
108人の枢機卿の宿泊所の責任者はシスターのアグネス
(イザベラ・ロッセリーニ)
アグネスはパソコンにも長けて有能です。
イザベラ・ロッセリーニと言えばイングリット・バーグマンの3女
(実の娘です)
久しぶりに拝見しました。
私が思い出すローマ法王と言えば、
ヨハネ・パウロ2世(在位1978年~2005年)です。
世界中を股にかけて祝福に訪れ、日本にいらした時(1981年)の優しい
温かいカリスマ性が思い出されます。
現在のフランシスコ教皇は危篤状態ですので、実際のコンクラーベも、
間近に見られそうなんですって。
候補者を次々と蹴落としたのも虚しいことでしたね。
ローレンスの胸の内も満足感とは、ほど遠かったのでは。
ただ現実では、現教皇フランシスコ教皇は、リベラルな改革派で、
①同性婚に賛成、
②ガザ攻撃にNO‼️(イスラエルを非難)
③女性を重用
④環境破壊に反対
⑤移民や難民問題に理解
とても素晴らしいかたです。
敵も多いそうですので、
次のローマ教皇により、相当に変わりそうです。
(現在は何の発信も出来ずですし、)
バチカンは神父の性加害の賠償で危機的財政だとか。
ローレンスならずとも、頭が痛いですね。
新しい教皇には、バチカンの立て直しと復権を望みたいものです、
(関係はないですけど・・・)
(その存在で世界を導く教皇であれ‼️)
隔離されても世界はやってくる
「政治」の映画としても、「宗教」の映画としても、見応えがある
新しいローマ教皇が選出されるまでの話なのだが、ゾクゾクさせるような映像と音楽が、サスペンスフルな雰囲気を盛り上げる。
「宗教」の世界の話ではあるものの、描いていることは、多数決で決まる選挙という「政治」そのもので、「保守VSリベラル」という対立の構図が明確なのも、分かりやすくて面白い。
選挙に先立ち、選挙を取り仕切る主人公の枢機卿が、「多様性」と「寛容」の必要性を説いた時点で、選挙の結果はだいたい予想できるのだが、それでも、有力候補のスキャンダルが次々と明るみに出る過程では、探偵が謎を解いていくようなミステリアスな展開に引き込まれる。
その一方で、絶えず苦悩に満ちた表情を浮かべている主人公は、おそらく、カトリック教会という巨大なシステムに疑問を感じているのだろうが、そこのところの掘り下げが今一つだったところには、やや物足りなさを感じてしまった。
有力候補のスキャンダルにしても、「隠し子」とか「選挙の票稼ぎ」とかといった話で、カトリック教会を揺るがすようなインパクトに欠けると思っていたのだが、ラストに用意されていた「選挙の結果」と「新教皇の秘密」という二段構えのサプライズには、「そう来たか!」と唸ってしまった。
特に、「新教皇の秘密」については、「確信」と「疑い」という本作のテーマに直結する問題でもあり、改めて「信仰」とは何かということについて考えさせられた。
結局、すべては、前教皇の目論み通りだったという見方もできるのだが、その割には、余りにも偶然に左右されているように思えてならず、もし「報告書」が見つからなかったり、爆弾テロが起こらなかったら、一体どうなっていたのだろうという疑問も残る。
ただ、これについては、「すべては神様の思し召し」だったという考え方もできて、ラストで密室から解放され、空を見上げる主人公の姿からは、そうした聖職者としての「悟りの境地」を垣間見ることもできるのである。
散々、人間臭い、ドロドロとした駆け引きを見せ付けた挙げ句に、最後の最後に「神の存在」を感じさせるところなどは、「政治」だけでなく「宗教」にまつわる映画として、良くできていると思わざるを得なかった。
画面の暗さ、赤みがかった世界、ドロドロの聖人争いかと思わせる画面。...
確信と疑念
少し前まで「新しい教皇を決めるってだけで、面白い作品がつくれるの? 」とか、「有力候補同士が足の引っ張り合いをしたり、意外な人が暗躍して“実は…”っていうコテコテな展開だったりしたらヤダなぁ」なんて、観るのにちょっと腰が引けていたのだが、試写を観た同僚が「めっちゃ面白かった」というので、信じて視聴。
結果、アカデミー賞脚色賞受賞も納得の充実さで、観て損はない佳作だった。
<以下、ちょっとだけ内容に触れます>
もちろん、選挙なので、組織内の力関係が影響は与える。けれど、やはりそこは聖職者たち。俗な欲望だけで釣られる訳ではない。「綺麗事だ」という言葉も飛び出すが、きちんと正論が通るし、過ちがあっても、「赦し」の精神は忘れない。
更にその上に立って、登場人物たちがもう一段奥を問われたり、そうした映画を観ている私たちも問い返される深さや豊かさを持っている作品だった。
その問い返しのきっかけになり、相手の心を動かすのは、どの時も「言葉」。
象徴的だったのは、コンクラーベを執り仕切るローレンスの説話と、戦地での布教活動を重ねてきたベニテスの反論。そして忘れてはいけない、シスターアグネスの発言。
どの「言葉」にも、その人固有の体験や苦悩が滲み出て胸を打つ。
とりわけ自分が共感したのは、「確信」と「疑念」についてのローレンスの話。
最近、仕事上のことで、「迷うことの大切さ」と「迷わないことの怖さ」について考え続けていたので、ローレンスの話はまさにストレートに共感できた。
ただ、自分とすると、字幕の「確信」と「疑念」という言葉は、少し「正誤」を含んだニュアンスがあって別の意味を生んでしまっている感じがするので、それらが訳語として当てられた元の言葉は何だったのか、気になった。
あと、今作のよさは、語られる言葉だけには止まらない。映像的にも、色彩や光や、風や雨などがとても効果的に使われていて美しい。それに、窓やドアの役割にも意味を持たせる演出が、いいバランスに施されていて、トータルで、目でもとても楽しめる作品だった。
前情報全くなしで観た方がいい。
主要キャストと「どうやら教皇選挙が行われるらしい」、くらいの前情報で観た。その程度の知識で観た方が、面白いんじゃないかと思う。
以下、そういう意味ではかなりのネタバレ。
最近まれにみる、ラストの大どんでん返しだった。
正確には、大どんでん返しがいくつか続いた後、まさかの超絶大どんでん返し!!
全然予測も期待もしていなかったので、最後のデカいのに度肝を抜かれた。
これ、10年前だったら作られていないかもなぁ。
「多様性」という言葉が浸透して、まだ10年くらいのものでしょう。
ちらちら「多様性」ってワードは出てくるんだけど、ここにこうやって繋がるか!!っていう、想定外の驚き。
教皇選挙で隔離中だから、探ってる情報が、小出し小出しにしか分からないもどかしさも上手い!!
カブールから来た新司祭が、なかなかいいスパイスで、ハッとさせられるようなことを訥々と話してきて、またこれがボディブローのようにじわじわ効いてきて、存在感を増して来る。
この辺の演出もとても面白い。
で、教皇の選挙なのに、本当にみんな自分のことしか考えてなくて、俗っぽいことこの上ない。
「戦争だ!」とか「戦う!!」とか言い出す奴もいるし、本末転倒。
この滑稽さの描写も風刺が効いてて、力加減が素晴らしい。
陰謀渦巻く教皇選挙。
権力欲って、逃れられないもんなんかな。
全て、前教皇はお見通しだったのだ。
まるで、ローレンス(レイフ・ファインズ)に課された、最後の謎解き、みたいだった。
今年のアカデミー賞を賑わせた作品の中でも、かなりのクオリティ。
「ANORA」も大好きな作品だけど、映画としての質はこちらの方が高いかなぁ。
娯楽性に富んでいるのに格式高く、親しみのない世界なのに、情緒面では人間臭くて、親しみ深い。
サスペンス性たっぷりで、ハッとさせられる教訓に富んでいて、本当に濃密な時間を過ごさせてもらった。
時間かかるわけだ。
聖職者の人間臭さ
聖職者の人間臭さがあぶり出される。「はい、やり直し!」の繰り返しでスラップスティック的グルーヴがアンプリファイされていくのがよい。オチも面白かったし、その直前の「行っちゃうかも??」なレイフ・ファインズの表情もさすがだった。/システィーナ礼拝堂、そんなふうにしていいんだ!
我が国の皇統を思うと、ガクガク ブルブル
古今東西、歴史をみれば、戦争の原因の多くが
後継者で争いが元。
世界一有名な、後継者選挙 コンクラーベをテーマに
サスペンス調の ドラマ。
音楽も映像も 不穏さを 良く 表現している。
そして 衝撃の ラスト。
現代のリベラルの 可否を問う。
我が国の皇統を 思うと 無関心ではいられない。
キリスト教的ポリコレ世界を知るには良い標本
今年に入ってアニメ映画しか見てないなと思って重厚な人間ドラマを見てみようかと予備知識無しで見た。
アカデミー賞ということで平日だったが人が多かった。老若男女大勢いてほぼ満席だったのでは。
役者の演技は良かったし、あまり見ることも無いローマ法王の選挙コンクラーベを映像で描いて見せているし、で、映像資料的な価値はあったように思う。
まあ、逆に言うと、それくらいしかなかったともいえるが。ストーリー展開が殆ど予想通りに進んでいって、なんの感動もなかったが、唯一驚いたのが最後の投票まえの爆発。まさか、武装したテロリストが乗り込んでくるようなバイオレンス映画だったのか? と思ったがそんなことは無かった。
教皇の有力者としてあげられる人物が、ポリコレ的順位付けになっているようだ、というと言い過ぎだろうか。
最後も別に驚きもしなかった。そうきましたか、という感じ。今現在のアカデミー賞でどんな作品だと評価されるのかが良く分かる映画だった。
それにしても、聖書に黄色人種の東洋人など登場しないから、欧米では黄色人種は差別以前に存在しない扱いという言い方をするものを見たりしたこともあるが、この映画はまさにそうだった。東洋人の枢機卿って存在しないのか、とネットで検索してしまった。そんなことはないようだが、この映画でそれらしい人が映ったのはほんの数秒じゃないだろうか。
もしかすると、本音を先に言ってしまえば、後に出してきたものが本音扱いになって逆に隠せるなんてことを考えて作られているのかもしれない、という、うがった見方もしたみたくなったが、それだとしても物語としては面白くは無かった。
ここ何回か見た映画で何度も言っているが、映像と雰囲気は良かった。それだけでも見て損はしなかったと思いたい。
映画館で観て欲しい
素晴らしい作品だった
なぜコレが話題になっていないのかが疑問
恐らく日本においてはローマ・カトリックなどに関しては理解が十分ではないので、推し出せないのかもしれない
木下グループ傘下に映画配給部門があることも驚いた
もっとプロモーションすればいいかもしれないけど、難しい範囲なのかもしれない
ただ少なくともどこの映画館も満席に近い(東京では)ので、間違いなくペイはできていると思う
ストーリーとしては伏線も多いし聖書を参考とした言葉も多いので、背景知っておくともっと楽しめるかもしれない
羊飼いの話が出てくるし、少しずつ見えてくる実情もあるので、何となく先が読める部分もあるが、個人的には、最後はある意味想定していたものと逆だったので、おぉ、そっちか!と思ったし、カトリックに対しての攻め方として新しいなとも思った
間違いなく、映画館で楽しむ映画のひとつだと思う
ただ、一部の映画館ではあの画面の暗さの描写が本当に暗いので、見にくいかもしれない
日比谷シャンテでは見にくかった
あの暗さこそが、コンクラーベの中でも暗躍を表していると思うので意味はあると思うが、俳優の表情が見にくいと、魅力は半減するかもしれない
(監督は間違いなく明るさで色々なことを表現していると思う)
遠慮がちな年寄り坊主の姑息なズル合戦。
根比べ❓雰囲気は良かった。しかし 有料🈶有料パンフ見ないと詳細わからじ ただし結末は誰でもわかる。
アカデミー 脚色賞 受賞
らしく 進行は 結構凝っている 確かに脚色の妙は感じた。
『重厚』を感じたい人向けの作品。
シンドラーのリスト ゲート悪役 レイフ・ファインズが好演。
本作を 真に理解したい人 に 有料パンフ🈶は必須と思われます。有料パンフ18ページのコラムに要素が凝縮
人間関係 もストーリーも 全て 事後的に確認できるから
最後の方は誰でもわかるけど それに至るまでが複雑。
ただ、基本フィクションだから 映像だけでも良いかもな。
当然 バチカン市国で撮影できず セットとか は事前動画でもわかる。
あぁ ローマ教皇ってこういうふうに選ばれるんだね という気づきはある
【フィクションなので全てが全て正確とは限らない】
確かに 男女不平等カモな 映像で確認を
同様な着目点の トム・ハンクスさんの 天使と悪魔(2009)的な 雰囲気 重々しさ
は当然あるよ。
重々しすぎて 俺のまぶた瞼 まで重々しく😪😪😪なったのは言うまでもない。
でも雰囲気は良かったです。観て良かった。
有料パンフ🈶18ページ ライターのISO さんのコラムも良かった。是非購入してください。
映像で 雰囲気と結末を理解し 🈶有料パンフで その過程 背景を確認できる作品。
【また 長くなってしまいました。🙇 年度末時短レビュー継続中】
コンクラーベ
トランプの当選を阻止せよ(せめて映画の中だけでも)
映画を観ていてずっと思ったことは、「枢機卿って何?」。
そう思ったのは自分だけ?
後で調べたら、公式サイトに書いてあった。
「枢機卿(すうききょう)」=「ローマ教皇に次ぐ高位聖職者」とのこと。
日本にもいるらしい。
次のローマ教皇を選ぶ選挙(コンクラーベ)を実施するため、世界各地から100人以上の枢機卿が集合。
「国連みたい」と思った。
序盤は「コンクラーベのルール説明」「カトリック教会の現状」「有力候補者の紹介」に時間が費やされるため、やや退屈に感じた。
「コンクラーベ」という言葉はニュースで耳にしたことはあったが、実際にどうやるかは今回初めて知った。
「100人以上の投票のうち、2/3以上の得票を得る人が出るまで何度もやり直し」と聞いて、「なんて非効率なんだろう」と思った。
映画だと、投票のたびに新事実が発覚して戦局が目まぐるしく変化していったが、現実はたぶんそんなことは起きないと思うので、途中で「早くおうちに帰りたいからもうこいつでいーや」みたいな人が出てきそう。
コンクラーベ開会宣言みたいな場面で、レイフ・ファインズ演じるローレンス枢機卿が演説。
その内容が素晴らしく、この場面から映画に引き込まれた。
アメリカ大統領選や東京都知事選、兵庫県知事選で、SNSの情報のみを「確信」し、「疑念」を持たず動いてしまった人たちに向けた説教に感じた。
有力候補者は主に4人。
「トランプ」VS「黒人の人気者」VS「教会の重鎮」VS「人望の無いリベラル」。
「トランプ」の当選を阻止すべくローレンス枢機卿たちが暗躍、ところが他の有力候補者たちに次々と問題が発覚して失墜、このままじゃ「トランプ」が当選してしまうけどどうしよう…というのが話の中心。
最初に脱落していく人の場面を観ていて、今年のアカデミー主演女優賞での賞レースを思い出した。
ストーリー自体は逆転に次ぐ逆転。
逆転劇として、かなり面白かった。
そういう話が好きな人だったら「カトリック?なにそれ?おいしいの?」状態でも楽しめると思う。
ラスト。
「えっ」と声を漏らす人が出るくらい、劇場中が衝撃に包まれていて、異様な空気が漂っていたように感じた。
映画を観終わった後、「聖職者だけに」という駄洒落が思いついた。
「コンクラーベは根比ーべ」と言う人よりはマシだと思う。
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