教皇選挙のレビュー・感想・評価
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「教皇選挙と大統領〜チェスの8手先を読んだ前教皇とチェスの駒にはならない新教皇」
5月7日日本時間23時30分 (現地時間16時30分) から始まった、実際の教皇選挙に合わせた上映会に参加しました。(2005年、2013年、2025年に行われたコンクラーベは、いずれも2日間で終了)
3月20日の公開から、4月21日の第266代フランシスコ教皇の死去と葬儀で、興行収入は倍増、公開劇場は5月から1.5倍、映画館にも「教皇選挙には聖霊の風が吹く」ロングランです。
「コンクラーベ」は世界史の授業で習いましたが、キリスト教について思い浮かべるのは、「神の沈黙」という言葉と何作かの映画と小説くらいです。
NYCに滞在する時には、セント・パトリック大聖堂の礼拝とコンサートに参加していますが、これも信仰ではなくほぼ観光です。
友人から、公式サイトの人物相関図をチェックしてから観た方がいいと勧められました。これは大正解と思いながら観ていました。
『教皇・選挙』と邦題を2つに分けたくなる、宗教ミステリーの荘厳な映像美と密室の政治劇。『そして誰もいなくなった』のような自民党総裁選挙と、米国大統領選挙を思い出しました。
アカデミー賞は脚色賞のみの受賞でしたが、作品賞に相応しい作品だと思いました。と同時に、宗教的にも国際情勢的にも、受賞は難しいと思いました。
5月2日にトランプ大統領が、ローマ教皇の扮装をしたAI画像をSNSに投稿して、ホワイトハウスの公式もRTしたことで物議を醸し、今だに炎上しています。
その2日後の大統領のSNSの投稿は、「スター・ウォーズの日」のコスプレだったので、大統領の支持者に向けたファンサのようなジョークだと説明されています。
教皇選挙が現職大統領の広報戦略に利用されるSNSの時代に、トランプ大統領が次に“なってもいい”お仕事が教皇で、お得意のディールでコンクラーベを考えていそうなことは分かります。
“神無き時代”に、ローマ教皇が代わると世の中はどう変わるのでしょうか。もしトランプ大統領が教皇になったら、想像は容易いけれど想像だけで終わってほしいメタバースです。
映画鑑賞後に、報道番組と新聞社のインタビューを受けました。半分は映画と宗教について、半分はXで読むこの映画の感想の面白さを答えてきました。
P.S.
新教皇の名前「インノケンティウス」、調べていくと「えっ!?」と固まりました。全ては前教皇のシナリオ通りなのか、あるいは最も選んではいけない人物だったのか…思った以上に、奥行きの深い作品でした。
リアルなコンクラーベでも、第267代新ローマ教皇「レオ14世」が誕生しました。初の米国出身で中道派、ロバート・フランシス・プレボスト枢機卿。保守派と改革派、そして世界の分断の架け橋となってくれることを期待します。
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P.S.2
このレビューを書きながら、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の世界最速ジャパンプレミアの配信を見ていました。
GW最終日冷たい雨の中、小池都知事から世界へのメッセージ、レッドカーペットでのファンサ神対応、都庁舎プロジェクションマッピングの「導火線に火をつけろ!“Light The Fuse!”」…
トム・クルーズ3年振り25回目の来日は、ド派手なプロモーションでした。
※レイフ・ファインズとトム・クルーズは同い年です。
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5月8日映画館で鑑賞
5月8日★★★★★評価
5月8日レビュー投稿
5月9日レビューP.S.追記
5月26日レビュータイトル編集
良作!!
キリスト教が身近ではない日本人がタイムリーにコンクラーベが始まるからといって観てキチンと理解できるのか、と思いながら行ってみたが全く心配いらなかった。
前半、二回目の投票まではよくある権力物かしらと映像の美しさは別にして少し白けた気持ちで観ていたが、後半からクライマックスに向けて一気に惹き込まれる。
ベニテス枢機卿のスピーチはもちろん感動するが、私はシスター・アグネスの「神は私に目と耳を与えて下さいました」という言葉にやられた。言う言わないという選択はあるだろうけれど、その「目と耳はある」という意識はもたなければと思った。
教皇に意外というべきかやはりというべき人が選ばれ、固唾を飲んて観ていた私たちはホッとするが最後の最後のオチにそんな……と絶句する。このオチは私的には蛇足かなとも思ったが、このオチがなければただの選挙戦映画にもなりそうなので、社会に問題提起を残すということかと納得した。
日本にも男系に限るか女系を認めるかという問題があるよねというのは飛躍し過ぎでしょうか。
伝統を延々と重んじていくのか、時代は進んでいるのだからと変革していくのか一人一人の問題でもあるよねと考えさせてくれる良い作品でした。
久々にすごい洋画を見てしまった・・・!
評価がよかったので見に行きました。
次期教皇を選らぶ、って以外は全くどんな話か想像もつかなかったけど、最初から最後まで緊張感あふれる映画でした。キリスト教のことはよくわからないけどこういう感じで教皇は選ばれるんですかね・・・ 現実でも教皇を選んでるので偶然ながらめちゃタイムリー。ストーリー自体は複雑ではないけど予想外の展開が続いて、食い入るように見てました。前日に新幹線のアマチュアのような映画みたこともあってあまりの出来映えのすごさにただただ感心。
バチカンの、古い儀式もあるけど同時に最新のテクノロジーも取り入れつつって状況も興味深いです。
映像は深く美しく音楽は緊迫感あり、主演男優はとにかくすごい・・・ としか言いようがない。舞台が舞台なのでよーこんなに老人俳優を集めたな!ってのがちょと笑えるポイント?
多くの人に見てほしいです!
p.s. 初めて日比谷シャンテで見ましたけど、劇場の作りが悪いですね。特に雨だったせいで1基しかないエレベータが混んで雨空の下で待つことに。昨日はほぼ満席。一番前の席はスクリーンめちゃ近い。日比谷東宝好きでよく行くけどシャンテは避けたい・・・
コンクラーベ
分断と盲信の時代に、この脚本に出会えたことの幸せ
飽きないストーリー展開
根比べ
野心とは、聖職を蝕む力
鑑賞後、本当のコンクラーベが行われることになって戸惑った。この映画の世界がこれから始まることに、不謹慎ながら興味がわいた。
汚れのない候補者などいない選挙。聖職者が集まりながらも、そこで行われる政治的駆け引き。陰謀、偽善、中傷、欲望、、、。やはりそこは人間が生きる世界なのだな。
その気がないのに勘ぐられ、祭り上げられそうにりながらも、おそらく物事の行く末は無難は結末へと落ち着くのであろうと思われた先にたどり着くどんでん返しのような驚き。昨今の"多様性"という括りでは処理しきれないような、どこか闇をも含む結末。キリスト教社会で育っていないので、おそらくいろんなメッセージは見落としているのだろうが、それでも十分興奮できた。
8手先を読む教皇〜多様性の時代の宗教
2024(日本は2025)年公開、アメリカ・イギリス映画。
【監督】:エドワード・ベルガー
【脚本】:ピーター・ストローハン
【原作】:ロバート・ハリス〜『教皇選挙』
主な配役
【ローレンス枢機卿】:レイフ・ファインズ
【ベリーニ枢機卿】:スタンリー・トゥッチ
【トランブレ枢機卿】:ジョン・リスゴー
【ベニテス枢機卿】:カルロス・ディエス
【アデイエミ枢機卿】:ルシアン・ムサマティ
アカデミー賞8部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した。
1.聖職者も人
コンクラーベのために世界各地から枢機卿がバチカンに集う。
喫煙者も多く、吸い殻が地面に放置されている。
ピンク色(だったと思う)の派手なケースに入れたスマホをいじる枢機卿もいる。
世俗にどっぷり染まった聖職者を表現している。
立原正秋の小説に出てきそうな連中だ。
教皇になるための多数派工作も、実に生々しい。
2.多様性とカソリック
同性愛、中絶などに厳しい姿勢なのがカソリックであり、保守ど真ん中のイメージを持っていたが、
近年は変化しているようだ。
この映画を観て学んだ。
3.8手先を読む前教皇
チェスを趣味としていたらしい前教皇。
先を読んだ仕掛けを多数残していた。
4.キャスティングとストーリー
権謀術数うずまくコンクラーベ。
シスターアグネス含め、主要な枢機卿たちのキャスティングが素晴らしい。
本作がどれほど原作に忠実かは分からないが、
◆教皇候補者の足の引っ張り合い
◆異教徒のテロ
◆多様性への対応
◆栄達欲
をうまく散りばめ130分に納めた。
教皇になったら「ヨハネ」を名乗る、と宣言したシーンは人間そのものだった。
素晴らしいワンシーン。
5.まとめ
よく出来た映画。
だが、見終えた後、スッキリしたり、
元気になったりすることはない。
☆3.5
寛容の正しさを“確信”するという不寛容
正直、この映画が終始一貫して主張する多様性だの寛容さだのは、実際に政治的文脈で昨今主張する人々が徹底して無視する巨大な矛盾から全く不自由で、正直失笑モノだと思ってます。
多様性を主張するほどに「多様性こそ唯一絶対の正義である」という画一的な思想が強要されるし、寛容さを声高に主張する人ほど「不寛容な(と自らが思う)主張に対しては驚くほど寛容でない」矛盾に無自覚だったりする。
平和平和と無闇に連呼する人に限って、自らの主張を通さんとする時には、平気で暴力的手段へ訴えるのに似た、なんとも堂々たる自己矛盾。
要するに自分とお仲間達だけを一段上に置いて、下へ向けて垂れる寝言に過ぎないと思っちゃうんですよね、ぶっちゃけ。
ただ、まあそれは別にいい。
映画なんだから。ハリウッドのおハイソな人達は変わらないなぁって思うだけ。
とにかく、この映画は「高級と娯楽」を両立した素晴らしい映画だった。
相変わらず主にテレビ屋さんの支配する日本の映画に置き換えては絶対に考えられない、画面の高齢化。男たちの顔面に刻まれた深い皺が画面を埋め尽くすシルバー映画!
だが、なんと贅沢で豊かな絵面だろうと思った。
まあ世界最高位の聖職者たち(腹の中がどれだけ黒くても!)が一堂に会するイベントを描く訳だから、建物も衣装もやっぱり尋常じゃなく美しい訳で。
音楽も主張し過ぎず、むしろ登場人物達の履く(おそらくとんでもなく高級な?)靴が磨き上げられた教会の床を鳴らすコツコツという音が非常に印象的だった。
で、その道具立てを使って繰り広げられるドロッドロの政治劇。主役のローレンス枢機卿の、生真面目な調停者でありながら、誰を通したいという明確な意思を持ちつつ、しかしできるだけ公正でありたい...という揺れるキャラクターがいい。
それぞれの有力な枢機卿達のキャラクターも良く立ってるし、名探偵の助手君がまた絶妙なテンポで新情報を耳打ちしてくれるもんだから飽きる暇もない!
「俺は今映画を観てるんだ〜」という気分に毎秒浸れる重厚なルック(昨今貴重!)で面白い事をドゥンドゥンやってくれるんだから最高に決まってる。
何気にさりげなくディテールの細かい描写で、どこまでがホントなのかは知らないけど(パンフ売り切れの為...)、カトリック総本山での高位聖職者の生活や、勿論コンクラーヴェの進め方もヘェーと興味満点で楽しめる。
残念なのはオチかなぁ。まぁこれがやりたかったんだろうなとは思うけど、正直「ふむ。で、だから何?」感が否めなかった。蛇足だったんじゃないかなぁ。主張としてはともかく映画としては。
あんなんを最後のドンデン返しにするぐらいなら「犯人はヤス」オチで良かったんじゃないか。(ぶっちゃけ少し疑ってた。お話に奉仕して便利使いされ過ぎだし。)
マジメな話、密室での宣誓の場面をカットして誰が選ばれたか(まああの時点では大体読めてるけど)をぼやかしたまま進めて、最後にバルコニーから広場の信徒達に向けて、新教皇が一席ぶつ、というラストならもうちょい茶番感も薄れて普通に感動できたと思うな。
実際の選挙は5月7日
ネタバレ厳禁
坊主巡り
この映画が制作されていた時には想定だにしていなかったはずだが、先月のフランシスコ教皇の死によってにわかにコンテンポラリーな話題となった本作。いわんや原作は2016年に書かれているので、当時は教皇が積極的に世界各国を歴訪していた最中だった。
実際の教皇選挙がこの映画で描かれたような権謀術数渦巻くものなのかは定かでないが、重厚な語り口と出演者たちの入魂の演技によって、見ごたえのある作品となった。
レイフ・ファインズも還暦を過ぎたが、相変わらずいい役者だと感心する。「シンドラーのリスト」で善人を演じた人は今やすっかりアクション俳優のイメージになったが、片や悪人役だったファインズは芸歴を積み重ねて名優の名にふさわしい存在となった。数々の出演作を見てきて、(シアターライヴで見た「人と超人」も渋かったが)何と言っても「レッド・ドラゴン」のダラハイド役が強烈な印象を残す。
「薔薇の名前」と違って、殺人などの血なまぐさい事件は特に起こらないが、投票の経過そのものが十分スリリングだ。ロマン・ポランスキーの映画の脚本や原作にもクレジットされているロバート・ハリスは基本的にミステリー寄りの人らしく、本作でもいくつかのツイストを効かせているが、finishing strokeはもっとインパクトが欲しかったところ。
煙突から出る黒い煙と白い煙。白い煙を見せなかったのはなぜ?当たり前のように黒澤明の「天国と地獄」の赤い煙も思い出した。
旧教皇は八手先を読む
おいめっちゃ面白いぞ
こんな皮肉きかせた映画作っちゃって実際の教会に怒られないのかな
私は宗教に無知で何も背景も設定も良く知らないまま見た。
公式サイトがネタバレページを用意してくれて、用語解説をしているのありがたすぎる!
ずっと、女性に生まれただけで同じ信仰をもっとシスターが無視されている、裏方の存在なことにモヤモヤしながら見続けていた。
男性中心・白人中心の世界に疑問を投げまくった末の、痺れる結末。
予想していなかった。
そうか、旧教皇は八手先を読むお方なんだもんな。
それにしてもインノケンティウスと名乗った意味を知りたい。。。ググってもよくわからなかった...
→公式サイトに解説があった!
「ベルガー監督はこの名を「先入観のない純粋さを表す名」と語っている。」(公式サイトより引用)
ビジュアルもこだわられていて、終始絵が綺麗だったのも惹き込まれる理由の一つだった。
個人的に、ベリーニ役の俳優さんは「プラダを着た悪魔」で知っているので、ずっとその役のゲイに見えてしまった
開けてビックリ教皇候補不祥事ビックリ箱
天井の穴から風がそよぐ
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映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。