教皇選挙のレビュー・感想・評価
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知らない世界を垣間見る
予備知識ないけどテーマが面白そう+レイフファインズ好きなんで観てきました。
教皇の死から始まる一連の出来事。枢機卿から互選で、一定以上得票するまで投票繰り返すってことでいいのかな。
教皇選挙に関するしきたりとか衣装とか儀式とかも興味深いし、前教皇の思惑もからんだミステリー仕立てなストーリーも面白かった!
とにかく画面がほぼおっさんですが、選挙の行方が気になりすぎて食い入るように見入ってしまった。レイフファインズ、ほぼずっと眉間にシワよせてたなあ…。
クリスチャンでない私は客観的に見てしまうけど、クリスチャンだったりするとまた違う思い入れがありそうな気もする。
枢機卿も人間だった。
教皇の秘蔵っ子
脚本賞受賞がなるほどと頷ける、近年の大収穫。日本的な例えなら魑魅魍魎が跋扈する伏魔殿。陰謀渦まく密室劇。居並ぶレッドハット(枢機卿)の佇まいは圧巻で絵面は良いものの、実際はムッとする加齢臭が充満した空間である。
物語は、当初から、選挙人リストには無く、最後に滑り込んで来たベニテスを逆転候補だと匂わせる。そして、次々と馬脚を露わし脱落してゆく候補者達を見せながら主題を語らせる。
我々は“理想”に仕える人間であって、”理想”そのものではない。
ある意味、開き直りに聞こえる言葉だが、亡くなった教皇は、そこに至る過程まで、全てを読んでいた。生前、誰のことも信用せず、密かに枢機卿全員の身上調査を行い、コンクラーベのシナリオを作っていたのだ。
辞任の申し出をしてきたローレンスは信用に足るとして、辞任は却下で、これを仕切り役に抜擢し、要所要所でシスターアグネスを補佐役に廻しながら、ベニテスの名言シーンへ誘導してゆくというものだ。
教皇は”彼“ベニテスの素性を知ったうえで選挙に送りこんだ、言わば、秘蔵っ子である。
ラスト、ベニテスの告白は二段落ちで、ヤラレタ感が強い。池から這い出てきた亀も教皇のお気に入りだったと得心するローレンスの表情は、久し振りに野外の風にあたった窓辺で、心無しかほのぼのとして見えた。
ちょい眠い
ネタバレはないと思うけど
考え方次第。
システィーナ礼拝堂は
好みではないけど
壁画の青を間近に見れてよかった
特に追い払われもしなかったところも、
ありがたかったな。
ラピスラズリの絵の具で書かれたとか?
ゴツゴツしてるような青だったかな
とにかく青を見つめてると
昔の人の気持ちが、見えそうな気がした。
昔からの儀式を見れたし
人の営みなんだなと思う。
神なんてわからないけど
ナンパされたいと思ってたら
イタリアのぽっちゃりした
少年が、ベーネと言ってくれたから
ナンパしてくれるんだと思って
僕の勘違いだと思うけど
絆ができたんだと思う。
少年が大きくなって、良い人を結婚してくれたら良いな。
そんなんで良いなと思った。
彼との純粋な気持ちは、女性とは難しい
この気持ちを、簡単には共有できない。
君の笑顔は変わらないのに。
多分、僕が弱いからだと思う。
体を傷つけないところは共感できた。
僕も
おじちゃん、おばあちゃんから
もらった体をあたるなと言われて育ったから
仕事に支障がでた、多汗症も
手術は勧められても、拒否したし。
ただ、
中絶は女性に委ねてと、個人的には思ってる派
イタリアの装飾は
日本にない感性なので、毎回すごいなと思う。
そんな指輪あるんだとか。
見てて楽しい。
場外にすっ飛ばされた気分
穢れたバチカンを‼️❓無難に‼️❓処理した最低のアカデミー賞の脚本賞の記念碑‼️
あゝ、バチカンの秘部は、少年を性加害したことにあるのに、現実を避けて、こんな茶番劇、これがアカデミー賞の脚本なら蝕まれている、ウィンウィンなんでしょうねハリウッドらしい見届けましたよ、両生具有の教皇なんてなんの衝撃なんでしょう、最低の映画を観て、最高の評価をしました、たまたま地下鉄サリンの報道ビデオの再現を見て二千年くらいの宗教は危険である事くらい承知してますよ、ありがとうございます😊😭ー
現代に語りかけている作品
ドキッ!男だらけの根比べ大会
おじさん達がむさ苦しい閉鎖空間で根比べをする場所といえばサウナかシスティーナ礼拝堂と相場が決まっている。
本作では後者のほうが描かれた。
様々な思惑が飛び交い権謀術数が駆け巡る密室劇。
物語はおじさん同士の会話だけで9割がた進んでいくが、演出がとてもキレているので全く退屈しない。
ほどほどに謎解き的要素もあるのがアクセントになっている。
罪を悔いる者、罪を重ねる者、罪とは何かを問う者…権力を渇望する者、権力に失望した者…
おじさん達の群像劇として見てもとても楽しかった。
さて、物語の終盤、ある出来事によって、閉鎖されて空気が澱んでいたシスティーナ礼拝堂に外の空気が入ってくる。
そしてそこから物語は衝撃のラストへと猛烈に突き進んでいく。
おじさん達が辿り着いた答えはなんだったのか?ぜひその目で確かめてほしい。
聖職者とて抗えぬ"人"としての性
最後の最後に知る真実にビックリ仰天
これは選挙という名の戦争‼️
それがカトリック教会のトップであるローマ教皇を選出する選挙であっても、何らフツーの選挙戦と変わりません‼️裏では恐ろしい人間たちの金と欲、陰謀、差別、スキャンダル、妬みや嫉妬といった人間の感情、闇が蔓延しています‼️映画は有力候補者たちの人間ドラマを挟みながらの数回の投票によって構成され、それまで有力とされていた者が、スキャンダルなどでアッという間に転落していく様が、実力派俳優陣の素晴らしい演技によって展開‼️ほんとにゾクゾクさせられるし、身の毛がよだちます‼️やっぱりレイフ・ファインズ、ジョン・リスゴー、スタンリー・トゥッチ、イザベラ・ロッセリーニは上手いですね‼️そして衝撃のラスト‼️ここでも多様性‼️レイフ・ファインズへの感情移入、凄まじいです‼️
それは新たなるカトリック教会の聖なる扉を開く鍵となるのか
偶然にも現教皇フランシスコの容体が危ぶまれている時期でもあり、また25年ごとに行われるカトリックの「聖年」にも当たる時期に公開されるというとてもタイムリーな作品。
本作はミステリー作品としてのその娯楽性、そして社会派作品としてのメッセージ性に富んだ内容で最初から最後まで緊張感が途切れない作品に仕上がっている。
教皇の急逝により使徒座空位の状態となったバチカンではコンクラーベ開催のために世界中から枢機卿が集結する。100人余りの枢機卿たちの互選による選挙の運営を任せられた首席枢機卿のローレンスは次期教皇としてリベラル派のベリーニを推すのだが、陰謀渦巻く教皇庁ではコンクラーベの行方は二転三転する。選挙の行方の鍵を握るのはいったい誰か。
死去した教皇が秘密裏に枢機卿に任命していたメキシコ人のベニテスは謎多き人物。それに加えて教皇の後釜を虎視眈々と狙うトランブレ、黒人初の教皇かと目されるアディエミ、過激な排他的思想を持つ保守派のテデスコ、リベラル派の人格者だが消極的なベリーニなどなど、有力候補たちの誰が選ばれるのかその行方がスリリングに描かれる。
当然候補者たちは立候補制ではなく互選で選ばれるため教皇の座を望まないローレンスにも票が入る。その票を入れたのがベニテスであるという。ローレンスは困惑するが、一度目の選挙では得票数が誰も届かないため決着はつかない。
有力候補の一人アディエミが食堂でシスターとトラブルを起こすのを皆が目撃する。彼は過去に戒律を破り彼女と関係を持ち子供まで設けていたのだ。そのうわさが流れると彼は有力候補からたちまち脱落する。それを仕組んだのはトランブレだった。その上トランブレの選挙買収の事実まで明らかとなる。ベリーニに見切りをつけたローレンスたちはテデスコを教皇にするくらいならトランブレで妥協するしかないと考えていただけに彼のスキャンダルによる脱落は大きかった。
しかし、意外なダークホースが現れる。閉ざされた教皇庁の外では過激派の爆弾テロが各地で起きていてこのコンクラーベがなされているシスティーナ礼拝堂にもその余波が生じ、爆発で窓が吹き飛ばされてしまう。
その有様を見たテデスコはこれを機会とばかりに大演説をぶつ。リベラル派の相対主義がこのような事態を招いたと、今こそ異教徒を排斥するために戦うべきだと。
危うく彼の思惑通りにその場が流されようとしたときにベニテスが口を開く。戦うべき敵とは誰なのか、戦うべき敵とは自分自身の中にある他者を憎むという心を言うのではないかと。
戦火にさらされた地で長く布教活動を行ってきた彼の説く言葉に皆が諭されテデスコの思惑は見事に打ち砕かれる。そうして選ばれる新教皇。しかし彼にはやはり秘密があった。
神の代理人とも呼ばれるカトリック教会の最高指導者でもありバチカンという国家の国家元首でもある教皇を選ぶ選挙を描いた本作。そこで描かれる様はけして聖なるものではなく俗世間のものと何ら変わらぬ陰謀や駆け引きに満ち溢れたものだった。
金で票を買おうとする者、スキャンダルで政敵を陥れようとする者、不安を煽り立てて敵を作り自分に支持を集めようとする者。これはまさに現在の世界の縮図でもある。特にアメリカや欧州諸国で近年みられる政治状況がそのままこの教皇選挙に反映されていて実に社会風刺のきいた作品となっている。
ミステリーとしてもよくできていて、特に作品前半から傍観者然としていたローレンスがその意思に反して選ばれるのではないかと観客を誘導する。
教皇の死に涙するローレンスの姿から彼らが特別な関係にあったのではないかと思わせる。そして教皇が秘密裏に枢機卿に任命していたベニテスによる彼への投票。有力候補のアディエミのスキャンダルを仕組んだ黒幕が教皇であったことなどからすべては死んだ教皇によりローレンスの新教皇選出が仕組まれていたのではと観客に思わせてのラストのどんでん返し。
しかしこの結末には納得させられた。前半の司教による説教でシスターたちへの見え透いたフォローに対して皮肉な笑みを浮かべるシスターアグネスの姿。同じく中盤での見えない存在の我々でも神は目と耳を与えてくださったという彼女の言葉。カトリックで長年あからさまになされてきた女性差別が伏線として描かれている。
そしてこれはたまたまだろうが昨年現教皇のフランシスコが大学の抗議でジェンダー平等を否定するような発言も物議をかもした。
それらを加味すれば最終的に性別にとらわれない教皇の誕生というのも予測できないことではなかったのかもしれない。
2000年の歴史を持つカトリック教会、幾多の試練や改革を経てもなお古い体質は抜けきれない。本作で描かれた黒人の枢機卿の存在もブラックライブズマターを経て初めて認められた。女性など何年教会に仕えても聖職者にはなれない。女性の地位向上を目指してきたフランシスコ教皇でさえも前述の通り凝り固まった考えがいまだ抜けきれない。
自由と平等がキリスト教の教えであるはずが家父長制的な思想からはいまだ脱却できないでいる。
テロによる爆発で吹き飛ばされた窓からシスティーナ礼拝堂の壁面に光が差すシーンが印象的だった。真の自由と平等の光がこのカトリック教会に差す日が来るのはまだまだ遠い先のように思えた。それがテロのような暴力によらずに。
現実にはベニテスのようなインターセックスの人間が選ばれることはまだまだないだろう。本作では選挙が終了した後に彼の秘密が判明するがそれが選挙が決する前なら当然ローレンスにより候補から脱落させられたであろう。
数人のシスターたちが開かれた扉から駆け出す姿を窓から見下ろすローレンスのシーンで作品は終わる。25年周期で行われる「聖年」の儀式では教皇が普段は閉ざされた聖なる扉を開くのだという。
それにより信者たちは免償を受け、奴隷は解放されるという聖年の儀式。カトリックにおいて女性やマイノリティが真に解放されるのはいつの日か。
ちなみに教皇に選ばれたベニテスが教皇名に選んだインノケンティウスという名前に引っかかった。歴代教皇に多い名ではあるがその大半が悪名高い教皇として知られる。
インノケンティウス4世は十字軍の遠征を繰り返し、果ては当初の聖地奪還という目的を見失い侵略戦争にまで発展してしまった。また周囲の意に介さない者たちを次々と破門し教皇庁の権威を最大にした人間でもある。
またインノケンティウス8世などは異端審問、魔女狩りを大きくすすめた人物でもある。ベニテスがこの名を語った時にローレンスがけげんな表情を一瞬浮かべたのもわかる気がする。
本作はインターセックスの人間が教皇に選出されたという単にポリコレを意識した作品というだけでなく、やはりいまだ世界に大きな影響力を持つ教皇選挙の危うさをも描いているように感じた。
アメリカという世界の超大国においてもキリスト教ロビーの影響力は絶大だ。そんな世界に多大な影響力を持つカトリック教会の教皇が密室で選ばれてることの恐怖を少なからず感じさせもした。
老眼と鼻息
ローマ教皇が逝去、後継を巡り教皇選挙が開催、候補者達の駆け引き・陰謀・スキャンダルうごめく選挙の舞台裏と内幕を描いたミステリー。
物語は密室劇に近い。サスペンス風の権力争いと一人の首席枢機卿の思惑を中心に描かれる。まずは知られざるカトリック教会の内幕に注目した切り口に感心。登場人物やシーンも限定的だ。堅苦しい映画かと思ったが、思いのほかエンタメ性が高く、鑑賞後は、日本だと三谷幸喜のドラマの題材だな、と感じた。
勝手解釈は、眼鏡と息遣い。教皇候補者がそれなり高位高齢の為、老眼は違和感無いが、主人公ローレンスは真実を知ろうとどこからか眼鏡を取り出しエビデンスをチェックする。物語のポイントには真実を見る眼鏡が活躍するのだ。
あと、気になる息遣い。法則性を気にしていたが、結局分からなかった。ただ、普段静寂感のある教会内もこの時ばかりは騒がしい。そんな中、この呼吸音演出は観客がローレンスに没入するのに役立っていると感じた。少なくとも彼の鼻息が聞こえると自然と彼に集中していた。
ややもすれば、面白く無くなる題材だが、事件や論理はシンプル、感情や感覚はナイーブにした脚色は見事、大衆性の高い映画として成立している。
喰わず嫌いにならずに気軽に観られる作品だと思います。絵画のような荘厳な教会施設を観るのも、息遣いを聞き取るのも、劇場向けかなと思います。是非、映画館でお楽しください!
【旧弊的な”コンクラーベ”(教皇選挙)に、亡き教皇が密かに仕組んでいた事。”今作は、カトリック教会でも多様性を認めるべきであるという強いメッセージがシニカルに描かれた作品なのである。】
<完全にネタバレしているので、鑑賞後にお読みください。>
■ある日、カトリック教会のトップにしてバチカン市国の国家元首であるローマ教皇が、心臓発作のため突如として急死してしまう。
教皇死去の悲しみに暮れる暇もなく、イギリス出身でローマ教皇庁首席枢機卿を務めるトマス・ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)は枢機卿団を招集し、次のローマ教皇を選出する教皇選挙(コンクラーヴェ)を執行することとなった。
108人の枢機卿がコンクラーべが行われるシスティーナ礼拝堂に集まる。
1.リベラル派最先鋒のベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)
2.穏健保守派のトランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)
3.初のアフリカ系教皇の座を狙うアデイエミ枢機卿(ルシアン・ムサマティ)
4.保守派にして伝統主義者のテデスコ枢機卿(カルロス・ディエス)
の4人が有力視される中、メキシコ出身で亡くなった教皇によって新たに任命されたばかりの、命の危険があるアフガニスタン・カブール教区のベニテス枢機卿(カルロス・ディエス)が開始直前に到着するのである。【亡き教皇に、急遽呼ばれた枢機卿として・・。】
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤は、厳粛な雰囲気の中投票が行われて行くが、誰も2/3以上の得票数は得られない。何度も繰り返される投票の合間に、有力候補間では様々な根回しが行われる。投票が終わる度に上がり続ける黒い煙・・。
ー 厳粛な雰囲気と、劇伴も無く、やや単調なので前の席のおとっつあんが、鼾をかき始める。軽ーくスナップを効かせてそいつの頭を引っ叩き、叩き起こしてから鑑賞続行する。(勿論、冗談ですよ、ジョーダン・・。はッはッは。)-
・そして、徐々に明らかになるトップの得票だったアデイエミ枢機卿が、昔に教区の若きシスターと子をなしていた事。そして、そのシスターがコンクラーベ会場で食事係として働いていた事から、アデイエミ枢機卿が激昂し”陰謀だ!”と叫び出て行き、彼を糾弾していたそのシスターは泣いているのである。
ー 驚く枢機卿たちだが、トマス・ローレンス枢機卿は険しい顔になる。そして、アデイエミ枢機卿を呼び出し真実を聞くとその通りだという。その後の投票でアデイエミ枢機卿の得票は大幅に下がるのである。-
・それを画策したのが穏健保守派のトランブレ枢機卿である事も、徐々に明らかになって行くのである。米国大統領選も真っ青の、裏駆け引きである。
本命視されていた、ベリーニ枢機卿の票は伸びず、彼は盟友トマス・ローレンス枢機卿にも、苛立ちの言葉を掛けてしまうのである。
・到頭、トマス・ローレンス枢機卿は、蝋で封をされた亡き教皇の部屋に入り、”或る書類”を見つけるのである。
■そこには、トランブレ枢機卿が他の枢機卿に渡した賄賂の額と受け取った枢機卿の名が記されていたのである。そこには、ベリーニ枢機卿の名もあるのである。
そして、次の投票時には、トマス・ローレンス枢機卿は、初めて自分の名を投票用紙に書くのである。その時に、外で爆弾が炸裂する音が響き渡るのである。
保守派にして伝統主義者のテデスコ枢機卿は、過激派を激しく糾弾するが、そこで初めてベニテス枢機卿は、自身が経験して来た戦争の恐ろしさを、述べるのである。更に彼は”私はここに初めて来たが・・。”と言い、自分が見聞きしてきた枢機卿たちの愚かしき行為を糾弾するのである。
<その言葉に反省しつつ、感銘を受けた枢機卿たちは、ベニテス枢機卿を新たなる教皇に選ぶのである。彼はその結果を受け入れ、”インノケンティウスと名乗る”と告げる。それと共に漸く上がる白い煙。
そして、彼はトマス・ローレンス枢機卿だけに、自分が子宮と卵巣を持っており、スイスでその除去手術をしようと思ったが、辞めた事を告げるのである。
今作は、カトリック教会でも多様性を認めるべきであるという強いメッセージがシニカルに描かれた作品なのである。>
鍵は絶対的な家父長制
カトリック信者じゃないし、馴染みもないからこそフラットに観れたかも。コンクラーベの仕組みとか絶対的な男性社会とか、とても勉強になるなーと思ってたらそれが鍵だったかー!!と思わせる展開。
序盤は次期教皇の候補が揃いも揃って小物でこんなのが世界的な宗教指導者になってしまうのか、、、?と絶望的な気持ちに。もうローレンスしかいないじゃんと思わせ、本人も半ば諦めたところでのどんでん返し。納得の結果ではあるけど演説ひとつで風向き変わるのはどうなの?いや、意外とカトリック教会も世俗的なようだし、こんなもんなのか、、、。と、思ってたらそうきたかー!
徹底的な男性社会で女はいるけど見えない、そんな世界をこう逆手に取ってくるとは思わなかった。
全て前教皇の計画通りにコンクラーベが行われていってたんだろうけど唯一で致命的な難点が性別だったんだろう。手術すれば良いとか傲慢じゃないか。性適合手術が神への冒涜とか言うつもりはさらさらないけど、強要するなら別。前教皇もまたカトリック教会という狭い世界で生きた人なんだなと思った。
本当に相応しい人が教皇に選ばれたとは思うけれどもその教皇名は何か意味あるの?と思わず後で調べてビックリ。意外と野心家ということかな?(ローレンスが考えてた教皇名も納得)
色んな社会の矛盾をカトリック教会を舞台に詰め込んであってむしろカトリック信者じゃないからこそ楽しめた。神の懐は広いんだけど狭めてるのは人間なんだという皮肉を感じた。
これぞ映画!最高のつくりあがり!!ラスト最高!!!
今年いちばん面白かったと言って過言ではない作品。現在No.1。
日本では(少なくとも私は)ピンとこないテーマだが、
教皇が亡くなったため、新教皇を選ぶための選挙「Conclave」に
世界中から候補の枢機卿が集い、選挙戦が展開される。
この選挙戦、アメリカ大統領選さながらの足の引っ張り合いで、
スキャンダルを暴き晒しまくるという、
人間の汚ったないところも見せまくる、まさに戦争状態。
その中でもConclaveを仕切る主人公ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)が
あまりにもカッコよく人間的にも魅力的なため応援してしまうのだが、、、
本人はあまり教皇になりたいという感じではない。
それも本当かどうかはわからない。なぜなら教皇名を考えていたりするから。
ライバルがどんどん落選していく中、
ローレンス枢機卿が選ばれるかと思いきや、、、
テデスコ枢機卿vsベニデス枢機卿の場面でのベニデスの言い放つセリフは
胸にグサグサ刺さるし、であるがゆえに形成逆転することは胸熱だった。
そこからさらに意外性のあるオチが待っているとは思ってもおらず、
実に驚かされたと同時に、最後の最後まで楽しむことができた。
まさに映画というフォーマットをつかったエンターテインメントとして
飽きることが一切なく、しかも最後の最後まで楽しめる仕上がりなのは
今年は本作がダントツだと思う。
俳優陣が素晴らしいが、レイフ・ファインズは群を抜いていた。
映像の色彩も目を見張る出来で、特に赤🟥が印象的につかわれいて、カッコよかった。
劇伴も演技&映像にマッチしていて、物語を盛り上げていたと思う。
レイフ・ファインズの息づかいが音響として効果的。
第97回アカデミー賞において脚色賞しか受賞できていないのが信じられないくらい
素晴らしい作品。
パンフレットも実におしゃれな出来でオススメ!!
まず渋さと画面の鮮やかな赤のコントラストでやられる映画。
イメージは本格ミステリー会話劇、
かと言って音楽の盛り上がりや各シーンのアングルが美しいやら格好いいやらでニヤニヤしてました。
会話シーンが面白いと、時間を忘れて楽しめる、ストーリーと美術が両方素晴らしいのは貴重。
主役のローレンスの管理者として立ち回るも、その裏の人間的な葛藤、感情や一箇所出てしまった野心の部分もひっくるめて魅力的。最終的には管理者として葛藤する中、比較的一番安寧な立ち位置でした。それも彼の定められた道であった気がしますね。その他役者陣のお芝居も魅力的。キャラクター造形もテンポいい会話劇から魅力、憎らしさ含めわかるようになっており秀逸でした。
この作品は『政治闘争をかきたかった』と監督がおっしゃっていたように、今の日本、世界の政治など当てはまる部分は多いと思います。
かと言って決して分かりにくい難しい映画ではないです。この映画を見てファンダメンタルや政治、お金の流れなど、混乱に流されずある種自身が管理者のように周囲にアンテナをはることが、自分の人生を豊かにするのだと感じます。
主役のローレンスはある意味私達自身で、
この先、誰が統治する座につき、どのような社会的混乱が起ころうとも、ある種いつもの日常がこれからも続くのだと。あのラストで思い知らされました。ある意味深掘りすると怖い映画ですね。
この会話劇が素晴らしいし、やりとりの裏側を想像するのが面白味です。
ド派手などんでん返しだけが面白さじゃありませんよ。この渋さや裏にある残酷な現実を想像させる秀逸な脚本が良いのです。たまらないのです。
昨今『衝撃』ばかり求めてしまうと頭が思考停止してしまうのでこういう映画が薬になります。
巧みな脚本に唸る
コンクラーベという特別な状況下で繰り広げられる心理戦。閉ざされた環境で繰り広げられる枢機卿達の会話に終始するも、緊張感が物凄い。自分もその場にいるような感覚で、固唾を飲んで選挙の行き先を見つめていました。
聖職者だって普通の人間、生きていれば間違いも犯すし欲もある。粗探しすれば埃は出てくる。
主人公のローレンスが、序盤は恐らく本心から教皇の立場を望んでおらず、粗探しして対立派閥の候補者を陥れても…みたいなスタンスでいますが、どんどん状況は変化していきます。
本作は基本的にローレンスの視点から描かれていますが、どんどん彼に同情してしまう…ずっと苦悩していて、この数日間のストレスで寿命が縮みそう。笑 苦悩は最後の最後まで続き、驚きの結末に。まさか序盤の説教がここで効いてくるとは…!
アカデミー賞脚色賞大納得の素晴らしい作品でした。
音がよかった
人種、女性スキャンダル、リベラルVS保守、ジェンダー。浮上するテーマが今日的すぎてありふれてるというか、娯楽作品としてはもっと意外な展開が欲しかった。人間くささが。あるいは、このシチュエーションの作品なら今は外せないテーマなのだろうか。
音楽がすごかった。チェロ?を一回弾くだけで醸し出す不穏。あれが楽しみでもう一回みたい。
セットと衣装も荘厳ですごく良かった。
期せずして、実在の教皇の健康問題と重なってしまったが、バチカンはこのくらいの表現には寛容なのだろうか(教義に反したものではないから目くじら立てることはないかな)。
選挙強行
ローマ法王描く映画別に特別好きな訳ではないのですが、結構見ている
現教皇様が一時容態が悪かったので現実とシンクロするかとひやひやしました(現在は容態安定)
次の教皇選挙なのにまるでポリティカル、スパイミステリーのようでした そしてとても大変な手続きなのですね、きっと大昔から変わって無いのでしょう
レイフ・ファインズの苦悶の表情と音楽が更にスリラー風味助長
黒人やらアフガニスタンやらえらく最近のポリコレ満載だなと思っていたらやっぱり...とはいえ多様性が一番そぐわなそうな所で意外な結末中々面白かったです まさかの亡くなった教皇の思惑通りだったのかな?
全140件中、81~100件目を表示