教皇選挙のレビュー・感想・評価
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煙に巻く神の儀式
①【観賞前の雑感】
日本未公開。
カナダ在住の「ゆ〜きちさん」のレビューで本作の存在を知りました。
未鑑賞ですが、前売り券を買っておきたいくらい興味津々です。
宗教の神聖性を守るためには
コーディネーターが要るのです。
ちゃんと“マニュアル”があるのです。
「外界とは遮断して、部外者には秘匿すべし」。これですね。
世界中どこの宗教も一緒ですね。
隠せば隠すほどに おごそかで、ありがたみが増えるのですから。
日本でも皇居で深夜に執り行われるあの大嘗祭とか、同様ですし。
「絶対に見てはいけない」神の儀式の常道。
でもその中を覗いてみたくなるのが人情というもので、
野次馬たちの好奇心を掻き立てるから、こんな地味な映画でありながら欧米では爆発的ヒットなんだとか。
「煙の色のおはなし」は黒澤明の「天国と地獄」のあの煙を思い出します。
煙=温暖化や有害物質ダイオキシンの大気圏内放出だって?
大丈夫。バチカンは孤高です。
国連にもCOP25のパリ協定にも加盟していません。
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②【観賞を終えてのレビューです】2025.3.23.
やっと劇場で観賞。
蓋を開けて見れば
システィーナも、我々の生きるこの社会も、まったく一緒だった、という事なのですね。
そもそもですが、
「初代=第1代目の教皇」ペテロという男が、どんなエピソードを有する人物であったのか・・
それを知っていれば、本作に描かれた教皇制度の成り立ちも、次代へのバトンタッチの内情も、すべて驚くことでもないのです。
福音書でイエスは述べている
「”第1代教皇“とカトリック教会によって後日認定された12弟子の筆頭=シモン・ペテロ」に対して、イエスは何と告げていたか ―
「あなたが立ち直ったときには〜兄弟弟子たちを励ましてやりなさい」
(ルカによる福音書22章32節〜34節)
「先生、先生、お願いします、自分だけを弟子のトップに据えて下さいよ」とイエスにこっそり頼んでいた弟子のシモン・ペテロその人が、
実はニワトリが鶏鳴したその晩に( =十字架の瀬戸際に)、最もみっともない姿で裏切り行為をなしており、彼は官吏に捕まれた途端に上着を脱ぎ捨ててまで、裸で逃亡していったという有様が
聖書本文には赤裸々に明かされているのです。
すなわちその第1代教皇は目立ちたがり屋であり、かつ棄教者であり、抜け駆けを働いたにも関わらず嘘をついて逃げた「弱き男」であったのだと福音書自体が暴露している。
⇒教会のリーダーの恥の歴史。そこを包み隠さずに晒すところが、聖書の面白さなのですねぇ。
また、この「コンクラーヴェ」が「投票」(くじ)によって成り立つ歴史的根拠としては
◆旧約聖書では、箴言16章33節「人はくじをひく、しかし事を定めるのは全く主のことである」。
◆新約聖書では、使徒行伝 1章23節〜
[23 ]そこで彼らは、バルサバと呼ばれ、またの名をユストというヨセフと、マッテヤの二人を推薦した。
[26] そして、彼らのためにくじを引くと、くじはマッテヤに当たった.そこで彼は、十一人の使徒と共に数えられた。
― このあたりが始まりかと思われます。
イスカリオのユダの自殺のあと、人員の補充のために「コンクラーヴェ」が行われているのです。
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折しも
266代フランシスコが危篤状態にあり、
「自発呼吸が戻った」と報じられたりしている最中での劇場観賞となりました。
(ググればわかりますが、このご本人については脛に傷持つ御仁として、黒い疑惑もかけられているんですね。あのペテロと同類なのです)。
その現 266代フランシスコ教皇は、
カトリック教会の組織の中では、最大派閥フランシスコ会からの登用ではなく、初のイエズス会出身の教皇なのだ、とのこと。
「派閥の会長を選ぶ選挙」は、どこかの国の党総裁を選ぶ根回しとか、思惑のゴタゴタとか、密室での裏取引とか、10万円の商品券とか・・
これは古今、どこも変わらないのだなと云うのが僕の感想でした (苦笑)。
“幹事長”として選挙を取り仕切る首席枢機卿のローレンス(レイフ・ファインズ) の苦悩には、共感しきりでした。素晴らしい演技です。
けれどもドラマの結末として
《群れの中で一番弱くて、代表(=教皇)としては最もふさわしくない人間をば、イエスは敢えて選んで指名して、リーダーとして立てたのだ》という事実。
108人の枢機卿たちの人となりのすべてが《そこ》に当てはまる。
どこにも聖人など居やぁしない。
― 《この故事》があのコンクラーヴェの原点なのだと理解すれば、2025年のバチカンの“すったもんだ”も、そして2000年前のあの12弟子の わちゃわちゃも、愛らしきもめ事として見えてくるから、楽しいし、何だか身近に思えてくるから、
僕たちもちょっと安心もするというものです。
(ただしシモン・ペテロの名誉のために付け加えておきますと、猪突猛進な彼は、後にローマで捕縛されて、処刑されるに当たっては「私はキリストと同じ形では畏れ多い」と自ら申し出て、逆さ十字架で殉教したのだと伝説で伝えられています。絵はミケランジェロ他)。
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③【そして、もう一度、煙について】
やはりあの煙は印象的ですね。
僕は今月、とても若い従兄弟を二人、一週間違いで立て続けに亡くしました。悲しみに暮れていた月の始めでした。
故に、あの「煙」は人の終わりの光景なのだと、煙突を見あげながら僕は思っていたりもしたものです。
「バチカンの煙」は、白だろうと黒だろうと、「新しい教皇の誕生のサイン」ではあるけれど、しかし紛れもなく「先日誰かの命が終わった事のしるし」。
新教皇の誕生よりも、誰かの死去について、気がつくと、スクリーンを観ながら思いを馳せていた映画の時間でした。
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2時間の根比〜べ。暗くて静かで、眠気に注意⚠️!
昔、西の方向が吉方位という占いを信じてイタリア旅行をしたことがありましたw
すごく楽しくて、ブランド物も安く感じたスーパー強強の円で買い物しまくり、ご飯も美味しくて、美術館や教会も美しくて、イタリアに住むにはどうしたらいいか、ずっと考えたくらい好きになりました。
日本領事館で働いていたイタリア人に相談したら「ヒヨコの性別を分ける仕事は日本人しかできないんでしょ?」と冗談でいなされましたが、帰国した後とりあえずイタリア語の勉強を始めました(ちなみに、5年くらい勉強しましたが、日本ではイタリア語学習教材が限られており、なかなか応用編まですすみませんでした😭…)。そんな、イタリア語学習時代を思い出させて、胸熱ではありました。
投票シーンはイタリア語でしたが、基本全編英語。今だに英語が不自由な私としては、外国人ってなんでバイリンガルが普通なんだろと、ずっと羨ましく思ったくらいで、作品としてはかなり退屈な会話劇…😩。ただ、海外のレビューは絶賛寄りなんですよね。
日本では確か来年1月くらいに公開になりそうで、おそらくアカデミー賞候補に何かしらなり、その頃にはかなり話題になっている作品と思われます。字幕でご覧になる方々なら、もう少し深く理解できるとは思いますが、バッグの中から眠気覚まし用のガムを漁る音すら館内に響き渡るような静寂さは、集中力のない私には耐えられませんでしたwww
…というか、ミッション系の大学でキリスト教概論が必修科目だった私にはローマ教皇の世界がどうにも理解しがたく、神の使いどころか、人間のクズみたいな存在もいたんじゃんと、半分ガッカリしながら観てました。😩
そうだよね 最後はそう思いました
日本の総理大臣にはもっと市民の苦しみに向き合ってくれた人になって欲しいと思ったし 宮内庁の女性天皇の問題などジェンダーに関する問題が日本も片付けなければいけないことが沢山あると思いました 後半の作品のメッセージは見る人に届くと思います
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